そらマメさん鉄道局・流通局

鉄道旅行・新聞の流通考察・雑談がメイン。

岡山県の新聞流通考察

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魔理沙霊夢、今日は岡山県の新聞流通考察だぜ。

霊夢)ていうか、私たちが地方紙行脚をやるの、初めてのケースだよね?

魔理沙)そういうことだ。今までは中央新聞社の幹部(大嘘)が努めてきたけど、彼らの仕事量が急増(大嘘)したから、私らにその役割をバトンタッチしたんだぜ。

霊夢)なるほど。でも、この前の岡山ドライブ、津山以外では華麗にスルーハイウェイだったよね(笑)

魔理沙)というわけで今回から、ゆっくりペアで地方紙行脚を行っていくから、宜しく頼むぜ。それじゃあ

霊夢魔理沙ゆっくりしていってね!!

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岡山県内の新聞流通考察。始まり~

晴れの国・岡山は「山陽新聞

魔理沙岡山県では県紙の山陽新聞が断トツ1位のシェアを誇っており、全国紙の介入は限定的とされる。

岡山県内の取材拠点

山陽新聞社
  • 本社:岡山市北区柳町2-1-1
  • 倉敷本社:岡山県倉敷市白楽町589-1
  • 支社:津山・玉野・笠岡・福山・広島・東京・大阪
  • 支局:備前・瀬戸内・赤磐・勝英・福渡(岡山北)・真庭(勝山)・児島・総社・浅口・井原・矢掛・高梁・新見・高松
中国新聞
読売新聞大阪本社
朝日新聞大阪本社
  • 岡山総局:岡山市北区野田屋町1-12-11
  • 支局:倉敷・津山
毎日新聞大阪本社

山陽新聞

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山陽新聞(2021年11月14日付)

魔理沙山陽新聞の歴史から行くぜ。元々は1879(明治12)年に、当時の岡山県の人物だった西尾吉太郎氏が山陽新聞を発行したことがルーツになっているぜ。

霊夢)昔から「山陽」って名前を堅持していたのかな?

魔理沙)いや、途中で名前が変わってるぜ。1892(明治25)年に、やはり同じ岡山県出身の実業家・坂本金弥氏が第2県紙である「中国民報」を創刊したんだ。

霊夢)名前だけ聞くと、何だか隣国みたいね(笑)

魔理沙)明治から昭和初期までは、互いが岡山県内のシェア獲得にそれぞれ新聞を発行していたんだが、1936(昭和11)年に2社が合併。当初は「山陽中国合同新聞」って名前だったが、翌年の1937(昭和12)年に「合同新聞」と改められたんだ。その後、1941(昭和16)年に、例の一件一紙体制で他にも点在していた岡山の新聞の多くが無理やり合併したんだ。

霊夢)戦時中も結構迷走があったんだ。戦後はどうなったのかな?

魔理沙)戦後も一時期は合同新聞の名前を使っていたけど、1948(昭和23年)に再び「山陽新聞」という名前に変更された。

霊夢)今の山陽新聞は、実質的には「2代目」なんだね。

以前は夕刊も発行していた

魔理沙山陽新聞といえば、最後まで中国・四国地方の夕刊を発行していたことでも知られるぜ。

霊夢)へぇ、昔から夕刊があったんだ。

魔理沙)その歴史はとても長く、1885(明治18)年に夕刊の発行を始めたことがきっかけになっている。途中で方針が変わることはあったが、戦後も夕刊セット体制を貫いており、長らくは広島の中国新聞と共に夕刊を発行し続けていたんだ。

霊夢)結構長い歴史を持っているじゃないの。で、どうして休刊になったの?

魔理沙)他の新聞社と同様、単に発売部数の減少や、配達員確保が困難な状況下に追い込まれたことだな。

fuwafuwaame.hatenablog.com

霊夢)え?夕刊の「ザ・ファイナル」って、昨年の11月末だったの?

魔理沙)そうだぜ。中国新聞が2015年4月末で休刊したため、同じ中国地方では山陽新聞の方が結構長く続いた形になるな。

全国紙の委託

霊夢)他の地方紙は、いろんな新聞を受託印刷しているみたいだね。山陽新聞社はどうなのかな?

魔理沙)ああ、山陽新聞社も色んな新聞を受託印刷・配達しているぜ。スポーツニッポン産経新聞日本経済新聞が有名だな。

霊夢)そういえば岡山県内は、意外と他の全国紙がしっかりと並んでいるようだね。

魔理沙)コンビニにもよるけどな。でも、基本的には山陽+5つの全国紙がしっかりと即売されているため、情報供給に関しては比較的恵まれている方だと思うぜ。

地域欄

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一般的には「全県版」の部分が、岡山県内のローカルニュースに割り当てられる。

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広島県東部(福山・尾道・三次・庄原など)も扱うため、疑似的なブロック紙でもある。

魔理沙)地域欄について説明するぜ。岡山県は瀬戸内海沿いと山間部の美作・備北地域と、大きく分けて2つの地域に分けられている。ただ、今回購読した限りでは、細かく地域別に分けられている感じじゃ無かったな。

霊夢)おや?広島県内のローカルニュースもあるみたいだね?広島県でも山陽新聞は流通してるのかな?

魔理沙)ごく一部の地域に限られるが、流通してるぜ。福山市(JR福山駅のハートイン鞍替えセブンアイ)で見かけたことがあるな。

霊夢)ってことは、ブロック紙なのかな?

魔理沙)隣接越境でも対処していることを考えれば、ある意味、山陽新聞は準・ブロック紙なのかもしれないな。以前は香川県にも新聞を発行していたが、2011年11月末で休刊となり、今は実質岡山県となっている直島町のみ、取材・発行をする程度だ。

霊夢)ほぼ岡山県の新聞だけど、地域性が似ている福山や直島などでは、別の県に跨がってでも山陽新聞を購読なさる方がいるわけね。それを思うと、再編されたとはいえ、意外と広範囲なのも頷けるわ。

中国新聞

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魔理沙)広島では県紙でも、岡山では福山と隣接した所でしか流通してないぜ。

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井原市笠岡市など、福山都市圏に隣接した地域の話が1/3コマある程度。

魔理沙)では霊夢、広島の中国新聞が、岡山でも流通しているのは知ってるか?

霊夢山陽新聞が福山を取材範囲にしてるくらいだから、逆もあり得そうね。

魔理沙)そうだな。広島県福山市には、中国新聞の福山本社が別途存在していて、備後地域と笠岡市井原市を取材・発行対象としてるんだ。

霊夢)でも、山陽新聞と比較すれば、やっぱり読者は限定的じゃないの?

魔理沙)ああ、岡山県内で中国新聞を見かけられるのは、笠岡市井原市と、JR岡山駅ぐらいでしか見受けられないぜ。地域欄も1ページのブランケット判に対して、僅か1/3の面積でしか紹介しないから、実質的には広島の新聞と言われても仕方がない。

霊夢)県境に接する中国・山陽新聞、シェアの奪い合いとかありそうだね。

魔理沙)ちなみに、岡山県内でも「中国新聞SELECT」が流通しているぜ。

霊夢)セレクト?ああ、あの夕刊みたいな何かなやつ?

魔理沙)そうだぜ。共同通信からの配信記事や、カープサンフレッチェの補足コラムなどが収録されたモノだが、元を辿れば配達環境の変化に応じるべく、夕刊を翌日の朝刊として発行してる。だから、目に見える形での夕刊は、中国・四国地方の県紙では山陽新聞が最後になったけど、実際には形を変えて中国新聞の夕刊が存続し続けているぜ

全国紙

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全国紙の地域欄

霊夢)全国紙の地域欄はどうなのかな?

魔理沙)シンプルに1ページだけだぜ。

番組表

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山陽新聞中国新聞(備後)の第1テレビ番組表

霊夢)わー、岡山県は民放が5局もあるんだ

魔理沙山陽新聞社も協力して、香川県と隣接越境を果たす形で、テレビせとうち(岡山・香川7ch)を実現させているな。

霊夢)え?香川県って、岡山県の民放が観れるの?

魔理沙)普通に観れるぜ。総務省でも岡山と香川の相互乗り入れを正式に許可してる。

霊夢RSKOHK・テレビせとうちが岡山県ってのは分かるけど、まさか残りの2局は……

魔理沙)その通りだ。RNCテレビ(西日本放送)とKSBテレビは、反対側の高松市に本局がある。ちなみに、RNCは例の平井さん一家が支配する四国新聞の子分だな。

新聞の第1テレビ欄

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霊夢)並び順からして、RSKテレビが先に来る新聞社が多い気がするわね。

魔理沙)ああ、山陽新聞社の子分がRSK山陽放送だからな。そりゃあ、自分の子分を左端に持って行かせて目立たせようとするのは仕方がないさ。

霊夢)他でRSKが左端にあるのは、何か理由があるのかな?

魔理沙中国新聞毎日新聞の場合、RSKテレビがTBS系列局であるから、というのが一番の理由だろうな。

霊夢)産経の場合は?

魔理沙産経新聞がフジメディアHDの一部でありながら、2番手にフジテレビ系列のOHKがあるのは、山陽新聞社に印刷・配送業務を委託していることへのお礼からだな。

霊夢)いずれにしても、テレビせとうちの扱いがかなりぞんざいなのは、後発組の宿命なんだろうね……。

地域紙

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津山朝日新聞と備北民報。いずれも岡山県北部の美作・備北地域の話に終始。

魔理沙)ココまで見てきたが、最後に、地域紙のことも紹介するぜ。主に、岡山県北部で流通しているが、津山市をはじめとした美作地域では、津山朝日新聞を夕刊として発行してるぜ。

霊夢)へぇー、津山市でも朝日新聞社の関連会社があるのか?

魔理沙)残念ながら、ぜんぜん資本関係・協力関係は無いぜ。

霊夢備北民報も初めて聞くわ~。

魔理沙)それは、合併後の地域も含めた新見市で発行されている地域紙だな。2つの新聞は、いずれも本社で直接購読が原則だけど、以前はコンビニでも購入できたようだ。

霊夢)地味ながらも岡山北部の情報を補ってくれる新聞があるのは、とても有り難いと思うわ。

岡山支社管内に新車投入へ

www.westjr.co.jptetsudo-ch.com 岡山支社管内の電化区間に、新型車両を投入する。新しい車両は広島県内を走る227系を軸にしたデザインになる見通しで、2両・3両編成それぞれ合わせて、101車両が交換の対象となる。

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岡山駅に停車中の国電115系。ガタが来てるため、次の世代に交代させる。

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例の227系(写真はイメージです)

fuwafuwaame.hatenablog.com ↑の記事で話をしたが、岡山支社管内は山陽本線でも快速列車が走るほどに本数があり、鉄道需要がまだまだ根強く残る。瀬戸内海沿いには様々な産業があるし、通勤・通学の足として必要とされている以上、段階的に国電→JR近郊列車への移行は避けて通れないと思っていた。

 で、岡山支社管内の山陽本線などで使われている国電は、どこに持っていくかという予想。基本的には廃車だが、私は山口支社管内に持っていくとみてる(つまり、ボロ国電を岩国~下関で最後まで使い回す)

 山口支社管内の山陽本線は、2021年3月のダイヤ大幅見直しで極端に本数が減らされ、来季ではデータイムの運行すら取りやめになる可能性もあるなど、もはや空気輸送であることをJR西日本が認めたようなもの。だとすれば、無理して新車を投入する必要もないし、できる限り国電を使い回して維持不能と化した所で山口県に支援を求めるか、近畿圏の初期型列車(207系など)を持ち込む方が得策といえる。

 岡山支社管内の山陽本線は今年の正月に乗車したものの、今でも国電が平然と牛耳っているのをみて、少し意外だった。それだけに、次世代への引き継ぎを段階的に行えただけでも、まだココは望みはあるだろう。

【ご報告】 しばらくのあいだ、一部コンテンツの公開を見合わせます

 契約しているWebサーバーの最大容量が限界に達していることから、新体制のWebサーバー移管へ移行するまで当面の間、鉄道駅レポートとコレクションコーナーの公開を見送りさせていただきます。ご不便をお掛けして大変申し訳ありませんが、何卒ご理解・ご協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 なお、再開時期は不明ですが、移行する準備が整った場合には、改めてお知らせいたします。

 

管理者・hiro

第7世代をプッツンと切った理由を考える

 Windows11のOSアップデートが可能なのは、i7系統だと第8世代までとなっており、第7世代を含めた以前のプロセッサーは、諦めていただくことになっている。しっかりと所持金を持って、PCショップなどで新型PCをお買い求め下さい。(ステマ

 その上で、第7世代のプロセッサーをプッツンと切った理由。多分、本音は第8~10世代も切りたかったんだと思う。直近の最新型である第11・12世代に限定させて、サポート可能なPCの要件を大きく絞った方が買い換えが進むという目論見があるからだろう。

 邪推になるが、マイクロソフトが自前でSurfaceを出しているあたり、今は家電量販店やPC専門店におまかせの売り方をやめ、Surface限定でWindowsPCを自社発売する方がトータルコストで見れば安上がりになり、その分でサポート体制の配置転換も行える。OSアップデートの際も、PCごとに異なる互換性・上書き後の不安定検証をSurface固定で面倒見ればいい。

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 Windows12あたりからはSurface限定とし、キッパリとパーツ屋などと縁を切る可能性もあると思う。それこそアップルのMacBook・MacProみたいな形になっている。

毎日新聞50,000号記念

 毎日新聞のうち、旧・大阪毎日新聞系統に相当する大阪本社版・中部本社版・西部本社版は、10月3日付で創刊から50,000号を達成した

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毎日新聞50,000号記念!

 東京本社版とそれ以外では50,000号達成のタイミングが異なるが、前述の通り、大阪本社版の毎日新聞は、1882(明治15)年2月1日に創刊された旧・日本立憲政党新聞がルーツとなっている。そこから大阪日報→大阪毎日新聞と題名が代わり、1911(明治44)年11月に現在の東京本社版に相当する旧・東京日日新聞社と合併した。

 現在の西部本社は、1919(大正8)年3月に関門支局を設立し、同年11月1日から大阪毎日の付属品扱いで「西部毎日」を発行したことが出発点となっている。後に福岡支局の設立・関門支局との統合化で西部総局に格上げされ、1935(昭和10)年11月から現地印刷を開始。戦時中の一県一紙体制が進むと、1943(昭和18)年に大阪毎日と東京日日が合併し、現在の毎日新聞社と各地域本社に分割される。

 戦前・戦時中の関門・西部は、当時の満州国における中継地としての役割があり、戦後は北九州工業地帯の形成に伴う経済の要衝としての役割に転換した。現在は登記上の本社こそ小倉北区にあるものの、北九州は単に取材拠点として残している程度で、事実上の総本部は福岡市中央区天神に移動している。

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西部本社版は、中面に西部毎日の歩みを記した特集ページがある。

 手元に残っている新聞は、西部本社版に加えて、別の方からいただいた中部本社版の2つがある。中部本社は、立場上は大阪本社の所轄にあるものの、記事の中身は東京本社版をベースにしているため、実質的には未だに50,000号に達していないと解釈した方がよいだろう。特集面も掲載されていない。

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中部本社の目線では「大阪毎日系統の話」程度にしか見られていない。

 中部本社ではあるものの、肝心の名古屋・中京圏ブロック紙中日新聞が天下を取っており、シェアは他の全国紙同様、著しく少ない。そのため、配送を除いて印刷業務は中日新聞社の印刷工場に委託している。

6万号に達する日は来るのか?

 どうにか5万号に達することが出来たものの、最近の毎日新聞は深刻な赤字経営が続き、支局・県版の見直しや記者の大幅削減、1億円にまで資本金を無理やり減らして「中小企業」扱いに降格、取材力の大幅低下、異様なまでの最終版切り上げ、委託先のスポーツ紙休刊に伴う受託物の収入減少危機、大都市であっても販売店を委託化、一部の不動産を売却 ……など、例を挙げるとキリがない。

 51,000号に達する前に消滅するのではないかという危機が強いが、ココまで来たら報道を完全に放棄して、タブロイド判まで縮小してモノカキ(オピニオン)雑誌でメシウマ路線でも良いのではないか。そうすれば記者も必要ないし、毎日新聞のお得意様であるジャーナリストや思想家・活動家の意見だけ載せて「サンデー毎日」っぽいモノに仕立てられる。読者は激減しても、毎日新聞という一つのブランドについていく読者は一定数いるはずである。

今日は新聞休刊日です。(2021年10月11日)

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今日は新聞休刊日となっております。

 おはようございます。本日、2021年10月11日は新聞休刊日です。休刊日のため、朝刊の発行はございません。夕刊発行地域では夕刊を、統合版地域では翌日の朝刊をお楽しみに。

工藤監督辞任報道を、なぜこのタイミングで報じたのか

www.nishinippon.co.jp

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西スポ西日本新聞)のスクープ記事

 10月11日付の西日本新聞朝刊(福岡県内向け18版)及び、西日本スポーツ(4版)では、福岡ソフトバンクホークス工藤公康監督が辞任の意向を示したというスクープ記事を一面トップに報じている。完全に在福における特ダネだった模様で、他の新聞は全く対処出来ていない。

 短期決戦の強さに加え、育成制度の強化などで常に上位クラス入りを果たし、優勝請負人という異名をも持つようになった工藤ホークス。だが、今年は選手陣の故障に伴う長期離脱が相次いだりと、決して成績は思わしくなく、優勝どころか、クライマックスシリーズへの可能性も完全に消滅したことから、工藤監督の責任問題というのは、ホークスファンの間ではチラッと話には出ていた。

 この記事を報じた西日本新聞西スポの記事には、普段なら掲載されている記者の署名記事がなぜか「シークレット」になっている。そうなると共同通信の記事を流用した可能性も考えられるが、ホークス番記者を多数抱え、監督のみならず、1~3軍選手やコーチ、更には球団関係者とも密接に情報を共有・取材をする西日本のことであり、工藤監督の進退問題を全く知らないはずがない。恐らく、署名入りで書くと極めて深刻な事態に発展するデリケートな話であることから、敢えて非署名としたのが一般的だろう。

 もう一つは西スポの新聞休刊日問題もある。西日本スポーツは、2019年5月から臨時即売の発行を取りやめており、休刊日にコンビニで出回る在福の臨即は4銘柄に絞られた。「ホークスの話は西スポで」がお決まりになっているが、工藤監督の進退問題を他紙に追い越されては困る。そのため、入念に極秘で裏取りを行い、確実に特ダネを報じることが出来るのは休刊日前の10日しかないと判断したのだろう。福岡県以外の地域でみかける早版(≒3版)では、昨日のホークスの負け試合を伝えておき、他紙に全く追い越されないギリギリのタイミングを見計らって輪転機に掛けたとみている。

強すぎたホークス

 今年を除き、今までの工藤監督のホークスは、かなり強すぎると思った。短期決戦で余裕勝ちし、たとえリーグ戦で優勝できなかったとしても、そこから相手方のチーム(特に優勝した球団)のプライドや喜びを一瞬にして木っ端微塵に粉砕させるほどの威力で勝ち抜いてきた。そのケタ外れな力はセ・リーグ側も察しており、横浜・巨人軍・広島カープといったチームさえも歯が立たない。特に巨人軍の「26-4」はあまりにも衝撃的で、ホークスファンの私にしてもドン引きするほどだった。

 でも、そうした極端に強い状況下のもとで育成選手がノーヒット・ノーランを達成したり、盗塁王を目指す選手が台頭したり、キャノン砲で出塁させないキャッチャーがナイスプレイを発揮したり、ホームランをホイホイと打っちゃう選手が出てきたりと、私はこんな幸せな環境の元でのホークスを見てきたことは、本当に有り難かった。また、監督のお辞儀のよさも評価が高く、どんなに強いチームであることを認めていても、試合前・試合後に一例してファンや相手チームなどに感謝の意思を持たせるのは好意的だった。

 が、同時に「あんまし強くしすぎると、かつての名ピッチャーのようにケガで苦しむだろ」という不安は過ぎっており、その反動が今年に入って裏目に出てしまった。ホークスの課題は「短期も大事だけど、長期決戦に耐えきれるチームも大事」ってことだろう。次の監督に期待したい。

熊日夕刊 THE FINAL

fuwafuwaame.hatenablog.com

 熊本日日新聞の夕刊が2021年9月30日付を以て休刊となり、翌10月1日から完全な朝刊単独体制に移行した。9月30日当日は夕刊配達をしていて熊本に行けなかったため、今回もバックナンバー送付という形で熊日夕刊を取り寄せてみた。

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熊日夕刊 THE FINAL

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夕刊発行取りやめに関する社告

 熊日の夕刊は、以前は熊本県内のほぼ全域で宅配が行われていた模様だが、徐々に縮小していき、休刊寸前までは熊本市を含めた都市圏で細々と発行していたと聞いている。現に、熊本県北部のとある熊日売店に窺った時は、取り扱いをしていないと聞かされ、ついでに熊本都市圏でない限りは購読出来ないことを伝えられたことから、夕刊を購読している世帯はごく僅かだったというのが想像できる。

 熊日夕刊最後の日は、夕刊愛読者向けの話題が3面に掲載され、全盛期にはラジオのニュース番組の材料として使い、末期にかけては一種の読者交流のような役割に留まっていたことを回想する話が紹介されている。初めて手にした時も、殆ど共同通信のニュースで紙面を埋め尽くしていたことから、速報性からオピニオンメディアとしての新聞なんだなと生温かく見ていた。

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THE FINALでは、読者交流を回想する話が掲載。

 ジャーナリズムやオピニオン以前に、夕刊の需要がもはやオワコン状態と化しているのをみると、最後まで生き残っている在福も、いよいよ再編の時が近づいているのかなと考えさせられる。まあ、その時はその時で、新聞社の方針に従えばいいだけの話だけど。