昨日の宮迫博之さんと田村亮さんの記者会見、色んな意味で凄かった。最初は闇営業騒動に関する詫びを説明し、芸能界から距離を置くものとみていたが、記者会見を開いて説明しようとすると、なぜか吉本がその会見を拒否し、一方的に芸人に責任を負わせるかのような圧力行為を行ったことが判明。組織的隠ぺい工作という、ある種の内部告発であり、反社との関わりどころか、まともに芸人のマネジメントすら出来ない現在の吉本興業の姿勢を訴えかける「逆転劇」のような印象を受けた。
果たして隠ぺい工作があったのかが焦点となるものの、取りあえず吉本も芸人がココまで内部告発を行う以上は、明日の会見で丁寧に経緯を説明するべきだ。
宮迫博之と田村亮の会見が終わると、批判の矛先が吉本興業に。しかし、闇営業絡みの問題が免罪されるわけではなく、明日の吉本興業、岡本社長の会見を聞いてから判断すべきだと思う。Fridayも誤報なら謝罪すべきだ。会見の「演技の巧拙」で罪の重さが決まるような「空気の支配」もまたおかしい。
— 舛添要一 (@MasuzoeYoichi) 2019年7月21日
舛添要一さんのツイートを勘案するなら「なるほど、これも吉本が仕掛けた壮大なギャグの一つなんだな」となるが、些か無理がある。闇営業に付き合わされた芸人に責任があるのは事実だが、だからといって闇営業をせざるを得ない環境を作り出す今の社風が、現代社会で許容されるモノなのかは疑問である。
ココまでの流れをまとめるなら、吉本興業が今、ステークホルダーに求められることは
- ここまでの経緯を丁寧に説明。特に「なぜ会社主導で記者会見をさせて、しかもその責任を芸人に一方的に負わせようとしたのか」という供述が必要。
- 吉本に圧倒的な理がある場合でも、そもそも口頭契約という証拠が残らないレガシーなやり方は廃止し、同時に芸人が不利益にならないよう、所属芸人は契約社員なのかどうかという線引きを可視化すること。
- 「2.」の再発防止策が守られなければ、一部の芸人が吉本から離脱し、大切なリソースが失われるリスクがあることを、上層は真摯に捉えるべき(まあ、この辺はそう言いながらも縁故レベルでの付き合いは続くでしょうけど)
- 吉本が隠ぺい工作を図った場合は、ちゃんと詫びは入れたがいい。特に取引先企業から問題視される恐れがあるため。「自分たちも反社ではないの?」という疑惑が永久に晴れない。
- 1~4の策とは別件で、闇営業に関与した芸人は「減免」という程度で責任は取らせるべき。
こういった感じだろうか。
それにしても、今の吉本ってどうなっているんだか。芸人がココまでしないとやっていけない、もしくは健全に進んでも、企業の方針で闇営業にハマりこまざるを得ない環境を作り出すのを見る限り、どう考えても異質。吉本も吉本だが、吉本に過剰なまでに忖度をする民放・国営も同罪だろう。
今回の内部告発騒動は、それまでの旧体制の歪みを新体制が打ち砕き、次の世代にバトンタッチするための第一波(ジャニーズ事務所の問題も含めるなら、第二波)だと感じた。これから先は新旧世代交代を巡る紛争に突入していくだろう。頑張れ、令和時代、頑張れ、次の世代。

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