そらマメさん鉄道局・流通局

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東京オリンピック2020延期報道を「追っかけてみた」(1) 一般紙編 ●

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 実に残念な結果になったが、東京オリンピックそのものが中止に追い込まれるよりかは随分とマシな方である。先送りになったとは言え、今後は確実に「1年後までに収束できるのか?」みたいな話が出てくると思うが、それはソレとしておこう。

 延期にするかどうかは、総理をはじめ東京都知事JOC関係者などが同席した上で、本部であるIOCとの電話会談を実施。午後9時から始まり、9時半頃に終了。記者会見がその直後に行われ、1年延期で合意したという速報が入ったのが午後9時45分頃である。ということは、新聞の紙面に「オリンピック延期!!!!!」という記事を反映できるかどうかがポイントになってくる

 と言うわけで、例の如く、早版と遅版の違いを見比べてみた。

一般紙

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それぞれの新聞、購読できる範囲で一部買い。

 熊本県など、いわゆる全国紙としては比較的早い時間に印刷が始まる「早版」地域(12▲)と、福岡県内、あるいは福岡都市圏・北九州都市圏向けに発行する「遅版」地域(13S~14S)とで分かれているが、印刷時間が極端に早い産経新聞を除き、ほぼ全ての新聞が「五輪1年延期で合意がついた」と報じている

 早版の地点で既に第一報が入っており、追加の情報も読売新聞・朝日新聞西日本新聞を眺めている限り、さほど重要となる話が無さそうと判断したため、福岡都市圏で最終版を買うという選択肢は諦めた。逆に、早版が配送される地域では、県紙やブロック紙西日本新聞であれば、共同通信電のニュースとして強引に差し込める可能性はあるが、全国紙の場合は輸送時間を勘案しないと、第一報でも全然間に合わない。総力体制で挑んでいたんじゃないのかな?

読売新聞

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左:12▲ 右:13S(西部本社管内)

一面見出し

  • (12▲)東京五輪1年延期 首相・IOC会長合意 電話会談 「来夏までに開催」
  • (13S)東京五輪1年延期 来夏までに開催 首相・IOC会長合意 電話会談 聖火リレーも延期

 一面レイアウトは早版・遅版、それほど大きな違いはない。記事の中身も、遅版になって聖火リレーを取りやめる話が挿入されるなど、具体的にどのようなことを喋ったかの説明があるかないかの違い程度。社会面の記事も追加の情報は特になく、概ね早版・遅版どちらも共通した話で固定化されている。街角インタビューや政局の話など、第二波以降の話は夕刊、もしくは翌日の朝刊で改めて分析を出すものと見られる。

朝日新聞

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左:13▲/右:14S▲(西部本社管内)

一面見出し

  • (13▲)五輪延期1年程度 首相「遅くとも来夏までに」 IOC会長と合意 聖火リレー見送り
  • (14S・14S▲)五輪延期1年程度 首相「遅くとも来夏までに」 IOC会長と合意

 朝日新聞の場合も、早版と遅版、大きな違いは特にない。遅版の方で聖火リレーが取りやめになったという記載がある程度。社会面は見開き2ページで「新型コロナウイルスの話」と「五輪」の2つに分かれているが、左ページは早版が五輪、遅版が新型コロナウイルスだった。より詳しい話は、翌日の朝刊でジックリと、といった具合か。

西日本新聞

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左:18版(都市圏福岡以外の福岡県向け) 右:16版(熊本・日田玖珠・大分向け)

一面見出し

  • (16)東京五輪1年延期 首相、IOC会長一致 新型コロナ世界流行で 「21年夏までに」(共同)
  • (18)東京五輪1年延期 IOC商人、首相同意 新型コロナ正解流行で 「21年夏までに」(共同)

 西日本新聞の場合は、基本的には共同通信から送られてきた記事を差し込んでおり、JOC会長のインタビューや、九州からの五輪出場予定選手・関係者向けの話を西日本記者が担当している他は、共同電で対処。運営見直しに関する話が福岡県向け(18・19)2ページ目に記載されているのに対し、いわゆる遅版(≒福岡県以外)では、その部分は教科書検定に関する話になっている。

毎日・日経・産経

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毎日と日経は熊本県内(早版地域)で一部買い出来なかったが、多分、一面記事は同じだろう。

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九州産経は夜9時あたりで印刷を始めてしまうため、五輪延期のことは「協議を行うものと見られる」程度の記載しかない。

一面見出し

  • (毎日14)東京五輪延期 新型コロナ 首相「来夏までに」 IOC承認 夏冬通じ初 聖火リレーは中止
  • (日経13)東京五輪 21年夏に延期 首相、IOC会長と合意 大会名称「2020」は維持
  • (九州産経11)教科書に「従軍慰安婦」復活 中学検定 自虐色強まる つくる会など4点不合格

 早版地域の毎日新聞(12統▲・13ト)がどのタイミングで印刷を開始したかは不明だが、朝日新聞・読売新聞の早版地域でも第一報をある程度伝えているのを見る限り、恐らく、毎日も第一報程度の情報は反映させているはず。日経も最近はデジタル化推進の観点から、臨機応変に印刷時間が見直され、単純に「13版」と言えども、南九州でも全日13▲が出回っていることが多いことから、やはり第一報程度の情報は反映させているはず。なので、熊本県内で毎日・日経を探すのは諦めた。

 産経新聞(九州・山口)に至っては、最初から印刷時間がメチャクチャ早い(夜9時頃から開始)ため、全く情報を反映できない。そのため、産経の18番である「教科書に従軍慰安婦問題復活、またしても日本が自虐的な歴史観を植え付けられた!」という記事が一面トップに掲載され、残りはコラムやそれ以外の新型コロナウイルスの話で対処している。教科書検定、昨日行われたんだね。

五輪延期に伴う紙面の変化

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読売新聞の一面に掲載されていた、五輪メッセージが封印。

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毎日新聞にも開催カウントダウンが掲載されていたが、遠慮なく削除されている。

 読売新聞・朝日新聞毎日新聞といった全国紙では、東京オリンピックパラリンピック開催までのカウントダウンを一面の隅っこに掲載していた。しかし、政府等とIOCとの話し合いの末、延期が決定した後は全て休止。読売新聞のみ、(正式な再開時期が決まるまでの間は)メッセージボードやカウントダウンの掲載を取りやめる社告があるものの、他はしれーっと掲載を「封印」させている。

 スポーツ紙編でも取り上げるが、報知とスポニチに灯っていた「五輪カウントダウン」は、今回の一件で全てぶっ飛んでしまった。報知もスポニチも、前日までは危機的状況であるにも関わらず、平然とカウントダウンを掲載していたため、これは非常事態宣言を意味するモノでは無いのか?という見方も出来る。

 というわけで、今度はスポーツ紙を眺めていく。(続きます)