マスクを装着し、三密を回避しながら、命懸け(?)で入手してきた、福岡県筑豊地方で流通している新聞の考察。新型コロナウイルス蔓延に伴い、普段とは違った編成になっていることをご理解頂いた上で、ご覧戴ければ幸いです。
全般的な話
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筑豊は石炭産業で栄えた地域で、いわゆる筑豊の西側(飯塚市・桂川町・嘉麻市・宮若市など)では、旧・筑前国の名残から、地元紙の西日本新聞の客層が多いとされる。一方、旧・豊前国に相当する東側(直方市・田川市・田川郡、及び京築地域の行橋市・豊前市・みやこ町)では全国紙の客層が多く、同じ筑豊いえども、西日本と全国紙が地域によって大きく二分される状況が続いている。
版立て
西日本新聞は博多区にある印刷工場から輸送し、読売新聞は佐賀県鳥栖市の印刷工場から輸送。朝日新聞は北九州市小倉南区の小倉東ICそばの印刷工場から輸送するようだ。毎日新聞は筑前・豊前のどちらかで鳥栖か朽網(北九州)で刷った新聞を輸送している模様。
西日本新聞(18S)
筑豊地域の西日本は、他の筑後・北九州と同様、地域面が2ページ・福岡県総合が1ページの割合で構成されていることが多い。もっとも、新型コロナウイルスの蔓延で、地域面の掲載が1ページに縮小されており、総じて県版も控えめである(他の地域と同様)。支局は3拠点あり、いずれも市役所のスグ近くにある。
筑豊向けの第2テレビ欄は、北九州・京築と同じ番組表を流用しており、北九州・筑豊・京築あわせて「北九州」と説明することが多い。
(テレビ)
(ラジオ)
読売新聞(13S)
福岡県内における読売新聞の地域面は、大きく分けて5ブロック体制になっており、筑豊の場合は筑豊支局のもとで筑豊エリアの話+福岡県総合で構成する。但し、2020年4月現在では新型コロナウイルスが蔓延しており、県政報道などやむを得ない場合を除き、取材記者があまり外に出ないようにするよう、テレワーク化を推進しつつ、暫定的に「福岡+筑後」「北九州+筑豊+京築」で遣り繰りしている。
取材拠点は西日本とほぼ重なるが、北九州市に隣接する直方市も筑豊支局の一部に組み込まれている(通信部扱い)。
テレビ欄の中身は、先ほどの西日本と同様、北九州・下関寄り(関門エリア)を基準とした構成になっている。
朝日新聞(14S▲)
福岡県内における朝日新聞の地域面も、読売同様の5ブロック体制。筑豊の場合も、筑豊支局のもとで筑豊エリアの話+福岡県総合で構成する。読売の場合もそうだったが、筑豊と言う割には隣の北九州郊外・京築にまで取材範囲が広がることがあるため、一概に「筑豊」と言えども、県が定める狭義の筑豊地域内で完結する話は、意外と少なかったりする。
取材拠点は読売と同じだが、直方は隣の北九州(西部本社)が担当している。また、筑豊東部の田川エリアは、通信部ではなく支局が担当している(業務内容にさほど違いは無いけど)。実は、後述の毎日も含め、全国紙の筑豊支局は、同一ビル内に入居していたりする。
テレビ欄の中身は他と同様、北九州・下関寄り(関門エリア)を基準とした構成になっている。
余談ながら、福岡県は朝夕セット版の対象地域になっているが、実際には福岡都市圏・北九州都市圏と、JR下関駅付近のみ夕刊を発行しているに留まっており、他は朝刊のみの統合版で対処している。
毎日新聞(14S)
福岡県内における毎日新聞の地域面も、他と同様の5ブロック体制。但し、実際の紙面は北九州に本社がある西部本社を軸に、「北九州・筑豊版」と称して、実質的に北九州+筑豊+京築の3ブロックと一緒くたにして発行している様子。直方市に通信部があり、以前は田川市にも通信部があったが、現在は「田川駐在」となって、筑豊支局 or 西部本社のどちらからか記者が一時的にやって来る方式に切り替わっている。
特徴的なのが、筑豊版には第2テレビ欄の掲載がない所。いわゆる関門・周防灘沿いの民放を掲載した所で受信できないと割り切っているのか、ラジオ局と毎日系列のCSチャンネル「GAORA」、それに時代劇・日本映画専門チャンネルといった一部のCS・WOWOWを掲載するのみに留め、他は今夜のオススメ番組などで構成している。
こうした隣県の番組表を掲載しないのは、福岡県内では筑後版だけで、他は写真の通りに第3ページ目でラジオ・今日の番組解説を済ませてしまうところ。筑後は何だか微妙である。
気になるページ数
斜陽産業の新聞業界だが、追い討ちをかけるように新型コロナウイルスの蔓延で、スポーツ面の大幅縮小やスポンサーからの出稿が削減されてしまったため、天下の読売ですら、30pを下回ることが多くなった。4月21日付では、読売・朝日が28p、西日本・毎日が24p。それでいて通販・自社広告・ACジャパン・新聞業界の穴埋め広告だらけ。コロナウイルスが収束するまで、紙媒体の新聞は持つのだろうか……。