そらマメさん鉄道局・流通局

ココでは新聞の流通考察・鉄道旅行話などを。

島根県の新聞流通考察

 今回は島根県内の新聞流通を考察する。

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島根県にある新聞。途中から「しまねっこ」も飛び入り参加。

出雲地方と石見地方で流通が異なる県

 島根県は大きく分けると3地域に分かれている。県庁のある松江市出雲大社で知られる出雲市といった、いわゆる島根県東部は「出雲地方」と呼ばれる。一方、石見銀山で知られる大田市や、漁港の浜田市、石西地域における商業都市益田市、津和野の街並みなどがある島根県西部は「石見(いわみ)地方」と呼ばれる。離島部では松江市から相当北に離れた所に隠岐諸島がある。

 経済・産業拠点・県政の中心部は出雲地方に偏っており、島根県の人口の約2分の3は出雲地方に分布している。逆に石見地方は、自治体全部足しても約18万人程度であり、その割には出雲地方よりも面積が広い(+真横に長い)ため、出雲地方よりも過疎化が早く進む傾向にある。

 こうした地域性の違いから新聞の輸送に違いが見られる。県紙の山陰中央新報は、出雲市(旧・斐川町)にある印刷工場でプリントアウトした後、出雲地方・石見地方にそれぞれ輸送するものの、全国紙の場合は原則、瀬戸内海沿いにある印刷工場でプリントアウトした後、そこからトラック輸送で反対側の山陰に持ち込む手法が採られている

 ただ、島根県は真横が異様に長い県であるため、同じ印刷工場から輸送となると、配達が間に合わない。そのため、以前はどの全国紙も「出雲地方は大阪本社所轄」「石見地方は西部本社所轄」と分けており、それぞれの地域本社にある印刷工場で輸送する形態が採られていた。その後、朝日新聞・読売新聞は大阪本社に移管されたため、毎日新聞のみ、現在でも大阪本社版と西部本社版の2つが混在している。

 ただ、毎日新聞も発行部数が極端に少なくなっていることから、コンビニでの即売もハードルが高まっている。確実に入手したい場合は、JR山陰本線の駅にあるセブンイレブンで購読するのが一番だろう。

版立て

島根県内の取材拠点

山陰中央新報
  • 本社:松江市殿町383 山陰中央ビル
  • 西部本社:浜田市竹迫町2886
  • 総局:出雲・益田・米子・鳥取・境港
  • 支局:雲南・安来・隠岐・大田・江津・川本・津和野
  • 通信部:出雲市平田地区・邑南
  • その他:東京・大阪・広島にも支社あり。
中国新聞
  • 支局:松江・邑智・浜田・益田
読売新聞大阪本社
朝日新聞大阪本社
毎日新聞大阪本社・西部本社
  • 松江支局:松江市殿町111
  • 通信部:出雲・大田・益田

山陰中央新報

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山陰中央新報

 ルーツは1882年に誕生した「山陰新聞」で、自由民権運動の機関紙として発行されたもの。その後、後発の「松陽新聞」との競争に敗れて経営が行き詰まった所、1940年に当時の読売新聞に引き取られた。そのため、山陰中央新報と読売新聞とは「遠い親戚関係」にある。

 戦時中の一県一紙体制で2つの新聞が無理やり合併して「島根新聞」が発足し、1945年の終戦後に読売新聞から離れる。その後は旧・松陽新聞のオーナーだった田部家が経営権を握り、「山陰新報」→「島根新聞」→「山陰中央新報と改題し、現在に至る。

 一時期は鳥取県にも進出したことがあるが、現在は鳥取県に接する伯耆地方の一部でしか併売しておらず、鳥取県内での山陰中央新報の読者は少ない。逆に、石見地方では広島都市圏との交流が深いことから、広島バスセンターなどでも少量生産ではあるものの、山陰中央新報を入手することが可能。

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しまねっこ)地域欄はだいたい4ページぐらいにゃ。

 地域欄は概ね4ページ。筆者が手に入れたのは祝日だったため、「さんいんワイド」と称して地域面が出雲・石見・隠岐鳥取県の一部と一緒くたにされていた。流通は少ないが、隣の鳥取県にも支局を構えていることから、さんいんワイド面では若干数ながら鳥取県の話題も掲載されている。

中国新聞

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石見地方では中国新聞も一定のシェアがある。

 島根県ブロック紙中国新聞も流通しているが、出雲地方ではほぼ入手が不可能。石見地方で山陰中央新報と事実上の競合関係にある。

 石見地方は地形的・歴史的経緯から、反対側の広島県山口県と交流関係にあり、特に浜田市江津市益田市などでは、高速道路を使えば簡単に広島都市圏へ向える。そのため、石見地方には中国新聞の取材拠点が相応に点在する反面、逆に出雲地方には県庁そばに松江支局があるのみに留まる。地域面も広島都市圏・備後地方の話とセットで石見地方のローカル情報が充実しているが、逆に出雲地方の話は県政を除いてほぼゼロである。

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地域面の「島根」は、石見のことを意味してるにゃ。

全国紙

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全国紙は1ページだけ。

 基本的には山陰中央新報のシェアが大きく、石見地方に限れば中国新聞とも競合しているため、読売新聞・朝日新聞毎日新聞などの全国紙はシェアが少ない。前述の通りに西部本社と大阪本社が混在する毎日新聞も、現在は発行部数を大幅に減らしており、1県で2つの地域本社版の新聞を確実に入手するのが困難になりつつある。

 なお、朝日新聞に関しては、山陰中央新報を契約している読者に限り、追加料金を支払うことで朝日新聞デジタルのフルコースを利用できるサービスを行っている。 

番組表

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山陰中央新報のテレビ欄。
しまねっこテレビ朝日系列がニャいにゃん……

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中国新聞(石見)の番組表

 山陰2県は電波の相互乗り入れを実現しているものの、反面、テレビ朝日系列が全くない。そのため、鳥取県と同様にケーブルテレビなどを通じて視聴可能な、隣県の民放がハーフサイズで掲載。山陰中央は広島県「HOMEテレビ」と、岡山(香川)県のTSCテレビせとうち」が掲載されているが、中国新聞(石見)は「HOMEテレビ」がフルサイズで掲載されるに留まる。

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第1テレビ欄の順番

地域紙

 地域紙としては、出雲市松江市を取材拠点とする「島根日日新聞」がある。この前の山陰ドライブの時に入手しようかとしたものの、未遂。あの時はとにかく山陰道レポートを優先すべく、急ぎ足で鳥取県を目指していたため、松江市内・出雲市内をゆっくりと散策している余裕が無かった。別の機会にチャレンジ。