そらマメさん鉄道局・流通局

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JRドラフト緊急生特番 お客さんごめんなさい ―全国ダイヤ大幅見直し2021―(JR九州編) ●●●

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JRドラフト緊急生特番 お客さんごめんなさい
2021年3月13日 全国ダイヤ大幅見直し(JR九州編)

参考リンク:

 2021年3月13日のJRグループダイヤ改正(大幅見直し)のうち、JR九州で実施される予定の内容を解説していく

ダイヤ見直しのポイント

 新型ウイルス感染症(COVID19)収束の見通しが立たず、それに伴う鉄道収入の減少が続いている。そのため、継続的な鉄道事業を守る観点から、より現実的な需要に応じた運送体系への変更が必要と判断。九州新幹線・福岡エリアを軸に運行本数を現状よりも削減する

九州新幹線

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各駅タイプの「さくら」「つばめ」を削減へ

 新型ウイルスCOVID19流行に伴う利用客の激減で、昨年と比べて博多~熊本では約35%、熊本~鹿児島中央では約30%の利用減が見られた。このため、朝の通勤時間帯と、一部データイム列車を中心に、各駅停車タイプの「つばめ」13本と、一部通過の「さくら」2本を削減する。

在来線特急

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データイムを中心に、運行しない特急列車が続出する。

特急「ソニック」(博多・小倉~大分)

 減少幅は約40%程度であり、早期の削減が必要と判断。データイムに運行される速達タイプの「ソニック」12本を臨時列車扱いに変更し、原則として削減。利用が最も多くなる繁忙期などでは、臨時化した列車を走らせる方針。

 この結果、特急「ソニック」は、データイム時は1時間に1本程度のみの利用となる

【博多発・大分着】

  • 9時1分発と、9時~13時台の各57分発列車が「臨時」に降格。

【大分発・博多着】

  • 11時~16時台の各45分発列車が「臨時」に降格。

特急「かもめ」(博多~長崎)

 減少幅は約40%程度であり、早期の削減が必要と判断。臨時列車扱いに降格するモノが3本、運転そのものを削減するのが1本、合計4本となる。

【博多発・長崎着】

  • 10時15分発 かもめ15号を臨時化。
  • 18時55分発 かもめ39号を廃止。

【長崎発・博多着】

  • 15時46分発 かもめ28号・17時51分発 かもめ36号を臨時化。

特急「にちりん」「ひゅうが」(大分~延岡・宮崎・宮崎空港

 減少幅は約30%。元々の利用客が少ない、例の宗太郎越えも含まれる。そのため、「にちりん」「ひゅうが」を臨時または廃止し、その上で運行パターンの調整も同時に行う。

【大分発・宮崎空港着】

  • 9時9分発 にちりん5号・13時4分発 にちりん13号を廃止。
  • 11時10分発 にちりん9号・15時4分発 にちりん17号を臨時化。

【宮崎発・大分着】

  • 9時36分発 にちりん8号・18時01分発 にちりん2号を廃止。
  • 11時35分発 にちりん12号・15時35分発 にちりんシーガイア20号は、行き先を変更。
  • 17時31分発 にちりんシーガイア24号は、博多着を小倉着に変更。

【延岡発・宮崎空港着】

  • 11時5分発 にちりん5号・21時27分発 ひゅうが11号を廃止。
  • 13時9分発 にちりん9号・17時31分発 にちりん17号を、「ひゅうが」(延岡始発)に変更。但し、利用客が多くなる場合は、臨時扱いで大分発「にちりん」として運行。
  • 15時10分発 にちりん13号を、「ひゅうが」(延岡始発)として運行。

【延岡発・大分(博多)着】

  • 10時36分発 にちりん8号・14時37分発 にちりん16号を廃止。
  • 12時42分発 にちりん12号・16時41分発 にちりんシーガイア20号を臨時化。
  • 18時44分発 にちりんシーガイア24号を「にちりん20号」に変更した上で、終点を博多から小倉に変更。

 この結果、延岡⇔大分を行き来する特急が大幅に削減され、2時間に1本の割合で次の特急が来るという事態に。

特急「きりしま」(宮崎~鹿児島中央

 減少幅は約30%であり、ココもメスを入れる。

【宮崎発・鹿児島中央着】

  • 8時15分発 きりしま5号・21時59分発 きりしま101号を廃止。

鹿児島中央発・宮崎着】

  • 17時17分発 きりしま16号を廃止。

都城発・宮崎着】

  • 6時58分発 きりしま102号を廃止。

観光列車関連

  • 指宿のたまて箱」を臨時列車扱いに変更。
  • 「海幸山幸」を、利用が見込まれる日に限定して増発。

福岡都市圏のダイヤ見直し

「きらめき」の運行本数削減

 減り幅が大きい(約50%減)、ホームライナーとしての側面が強い「きらめき」を、朝1本・夕方1本のみに変更。具体的には

【小倉発・博多着】
  • 5時23分発 きらめき1号
  • 18時21分発 きらめき7号を廃止
    ※7号は2020年11月1日から運休しているため、実質、正式なダイヤ改正

【博多発・小倉着】

  • 16時39分発 きらめき2号・21時44分発 きらめき14号・22時32分発 きらめき16号・0時10分発 きらめき22号の4本を廃止。
    ※2号・22号は2020年11月1日から運休しているため、実質、正式なダイヤ改正
    23時10分発 ソニック201号を、きらめき12号に変更。

 これらが削られる。

 なお、「きらめき」の削減に伴って、並行する区間快速へ誘導・置き換え措置も導入する。

「かいおう」の運行本数削減

 減り幅が最悪な、ホームライナー「かいおう」(約57%減)は、朝1本・夜1本のみに削減。中長期的には、残る列車も廃止した上で、全て快速に置き換えるモノとみられる。

【博多発・直方着】 22時3分発 かいおう4号
【直方発・博多着】 6時37分発 かいおう1号・9時12分発 かいおう5号
※いずれも、2020年11月1日から運休しているため、正式にダイヤ改正となる。

名列車「有明」 戦力外通告

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朝1本だけになっていた「有明」、ついに戦力外通告

 平日朝1本のみ運行されている、特急「有明」が廃止。その代わりとして、同時刻に快速列車を発車し、鳥栖駅長崎本線からやってきた「かもめ」に乗り換えが出来るように改善する。

 これに伴い、1967年から運行を開始し、約50年近くにわたって九州島を走り続けてきた、名門・有明が姿を消し、ダイヤ改正前の2021年3月12日を以て引退することになる。今のうちですよ、「有明」の最期を見られる・乗車出来るのは。

終電時間の繰り上げ

  • COVID19流行に伴うテレワークの推奨や、路線・車両保全に充てる時間を拡充する理由から、終電を大幅に切り上げる。場所にもよるが、概ね10~25分程度は繰り上がる
  • 鹿児島本線に並行する西鉄電車も、歩調を合わせる。

福北ゆたか線のパターンダイヤ化・快速停車駅の見直し

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データイムは「快速」であっても、博多・吉塚篠栗の各駅に停車する。

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博多・吉塚~直方は、概ね20分間隔で運行。

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直方~折尾は30分間隔に変更し、終電を繰り上げる。

改善されるもの

 削減の話ばかりが相次ぐが、一方では利用しやすい環境の強化や、便宜を図る理由で一部の駅に列車が停車するように変更するなど、改善策も相応にある。

筑肥線のホームドアを追加設置

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安全性がより向上

 現在は九大学研都市駅のみ設置されているホームドアを、下山門駅筑前前原駅まで拡大する。これにより、朝夕の通勤ラッシュ時に起きやすい線路への転落事故を回避し、客の安全性をより高める。2021年3月13日の始発列車より運用開始。

新車の追加投入

 JR九州821系車両を、福岡・北九州・熊本エリアに合計9両追加投入するほか、大村線にもYC1系を追加投入する。

増発・乗車タイミングの改善など

  • 肥前旭駅にも区間快速が停車。
  • 大分駅で特急⇔普通の接続を改善し、乗り換えやすいように調整。
  • 鹿児島本線 串木野~川内に2本増発(21時台の運転区間を延長)。
  • 指宿枕崎線に200形を2両投入。
  • 特急「きりしま」「にちりん」の停車駅を拡大化。
  • アミュプラザみやざき開業に伴う利便性向上。
  • 宮崎地区における平日のみの列車を土日祝日にも適用 ……etc

JR九州は丁寧な説明を。利用者も意識の見直しを。

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JR九州だけの問題とせず、全ての利用者が「生活様式の変化」に応じた鉄道利用を模索する必要がある。

 今回はCOVID19流行に歯止めが掛からない状態で、利用客減少をいかにダイヤに反映させるかという課題に加え、グループ会社も含めたJR社員の人手不足にいかに対応していくかが課題となった。そのため、JR九州でも大幅な減便は十分に予想されており、事前に報道機関にリークを伝えて観測気球を飛ばすなど、九州を含めたJR各社も、利用者からの大混乱・猛反発を出来るだけ回避するための努力が滲み出ている結果となった。

 新型ウイルスCOVID19感染症のワクチン接種に光が見えたとはいえ、直ぐさまソレで経済が回復する訳でも無く、未知のウイルスに対して更なる長期的な医療・経済体制と文化面の見直しが求められる。そのためにも、JRを含めた鉄道会社だけの問題とせず、安易な鉄道乗車の形態から、いつ・どの区間を乗車し、どこへ向かうのかをより明確化するためにも、利用者側の理解と生活・行動様式の見直しを模索することが必要になる。(そらみち論説委員Suicaのペンギン

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