香川県内に流通している新聞を考察する話。
四国新聞のお国柄
香川県の県紙である四国新聞がダントツシェアを誇る土地柄であり、全国紙の介入は殆ど無い。四国新聞は選挙などの特別な事情を除き、早版・遅版の概念がなく、全国紙も早版印刷版を香川県内、または岡山県内から輸送して配達・即売している。
香川県内の取材拠点
四国新聞
- 本社:高松市中の町15番1号
- 支社:東京・大阪・西讃(丸亀)
- 支局:東讃(東かがわ)・小豆島・観音寺
読売新聞大阪本社
- 高松総局:高松市番町1-10-21
- 通信部(坂出・観音寺・小豆島・東讃)
朝日新聞大阪本社
- 高松総局:高松市天神前2-1
毎日新聞大阪本社
- 高松支局:高松市天神前10-10
四国新聞
1889年に立憲改進党系の「香川新報」の発刊がルーツとされている。1902年に立憲政友会系の「讃岐実業新聞」が創刊され、一時期は競合していたものの、戦時中の一県一紙体制で無理やり合併させられ、「香川日日新聞」→「四国新聞」と改題し、現在に至る。
一般的には系列民放のRNCテレビ・ラジオも所有する平井家一族が経営するオーナー方式の新聞社で、執筆地点でデジタル改革担当大臣の平井卓也氏は、この新聞社の一族とされる。歴史的経緯から、極めて反共イデオロギーの強い新聞となっており、ジャーナリズムよりもオピニオンを中心とした内容となっている(香川県でゲーム禁止令を勝手に作って、言論弾圧紛いなことを平然と行うあたり、爺さん婆さんが好みそうな話でロビー活動をしているようにも見える)。
反面、平井家一族には論調面で相性が悪いはずの共同通信ニュースに依存していることや、地域重視の話題で紙面を固めたりするなど、必ずしもニュースとオピニオンが一致しているとは限らない。この辺は隣県の愛媛新聞・徳島新聞・山陽新聞などに通じる。
休刊日を定めない月がある
多くの全国紙・地方紙が新聞協会の申し合わせで新聞休刊日を定めるのに対し、四国新聞は年に一回、休刊日を定めない月を設けている。高松市内のビジネスホテルに泊まった時、翌日の4月12日は新聞休刊日だったので、臨時即売のスポーツ紙をチョッと一部買いしただけだったが、2021年は4月12日も発行していたため、ひょっとしたら香川県内のコンビニでは四国新聞が即売されていた可能性がある。
かつては1月2日を除いて新聞休刊日が全く設定されておらず、しかも夕刊も発行するなど、まさにフル稼働の状態だったが、夕刊は1980年代に廃止され、休刊日無視の連続発行も徐々にペースを落して、年一回のみに縮小されている。
地域欄
地域欄は概ね2~3ページ程度。それに社会面まで加えると、香川県内のローカルニュースは概ね4~5ページ程度で構成している。また、終面から3ページ手前の部分は生活情報コーナーになっており、地域別の天気予報やJR四国の特急列車運行情報、生活に役立つネタなどが掲載される。
全国紙
読売新聞・朝日新聞・毎日新聞・産経新聞ともに、県版は1ページのみで構成されている。新聞によっては、昨日の夕刊コラムを県版の代替として掲載しているものもある。
なお、毎日新聞にあたっては、岡山県に立地していた印刷工場を2020年で廃止したため、印刷業務を四国新聞社に委託している。反面、毎日新聞のスポーツ紙であるスポーツニッポンは、反対の岡山県にある山陽新聞が受託しており、どうして歪な委託になったのか疑問が残る。
番組表
四国新聞
民放欄の左側は、四国新聞社と接点の深い西日本放送(RNCテレビ)となっており、続いて香川県にあるもう一つの民放・瀬戸内海放送(KSBテレビ)がその隣に設けられている。
香川県にはNHKを除くと、たった2局しか民放がないものの、瀬戸内海を渡って反対側の岡山県と電波の相互乗り入れを実現しているため、岡山県の民放(RSKテレビ・テレビせとうち・OHK)の3局も普通に受信可能。テレビ東京系列の番組が時差ネットになることなく、在阪・在京・在福並みの番組を楽しめる(深夜アニメは壊滅だけど)。新聞社の意向でチャンネル番号の並び順を強制的に四国新聞社優先にしているのは隣県と同様だが、それを逆手にとって、見事に降順に番号が並んでいるのが清々しい。
なお、小豆島や東讃地域の隅っこでは、海を隔てて反対側の在神民放も受信できるため、第2テレビ欄には在神5局(ABC・MBS・カンテレ・ytv・サンテレビ)の番組表もミニサイズで掲載されている。