そらマメさん鉄道局・流通局

ココでは新聞の流通考察・鉄道旅行話などを。

新聞の好き嫌いと、配達業務は別として考えるべきだと悟った、7年目の私。

 今更感があるが、今年の2月で販売店入社から7年目となった。

 この間、購読料値上げや販売店の統廃合・余剰紙の削減・チラシ収入の減少・集中豪雨や台風接近に伴う命の危機・読者の減少(高齢化)など、実に様々な経験を繰り返してきたが、無事に入社日を過ぎた後も普通に配達業務をこなしている。

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どんな事態があっても、普通に配達をこなす。

 都心部では部数の減り方が異様じゃないほど減少していると聞くが、私が住む長閑な農村部・田舎では、紙媒体の新聞をこよなく愛する高齢者ばかりなので、極端に部数が減少するといったことは殆ど起きていない。購読料値上げが2018年~2020年にかけて相次いでラッシュとなったものの、元々が紙媒体とテレビのワイドショーに慣れっこの高齢者ばかりなので、値上げによる購読者減少は皆無。減るとするなら、孤立や病気の悪化で死去し、それに伴って自然解約を余儀なくされるか、または他紙の販売店との契約切り替えで若干部の増減がある程度である。

 色々と新聞業界の先行き不透明な暗い話題が相次いでいるものの、そう言いながらも新聞配達をいつも通り行えるのは、読者減少に左右されにくい環境にいることや、オーナーをはじめとした販売店のサポートもさることながら、7年目という長期の仕事を経験する上で、「誤配しない・汚さない・時間内に配達を完結する」といった基本的なことを淡々とこなしているからに他ならない。

 ネット上では記者職の人や、記者上がりの人と思われるツイートなどで、色々と業界の愚痴を吐いている。確かにレガシーとも言える紙媒体の固執を続ける限り、ますます読者との敬遠が激しくなる一方なのは事実だが、あんまりその人の意見に介入・同意するのも、チョッとどうかな~と思うようになった。「あくまで日本の新聞は(一介の配達員の視点からすれば)宅配サービス業なんだから、そういう意見もある」という程度で、情報収集を行いつつも、適度に流している。

 「五輪が制限付きで開催されるにしても、終わった後の新聞は……」と考えてはみたが、

 

 「意外と生き延びるんじゃねーか?」

 

 という結論に達している。これは単純な話、読者層が高齢者に偏り、その人たち向けに宅配ビジネスを行うことでどうにか延命できている訳だから、購読料の値上げや印刷時間の繰り上げ・報道主体からオピニオン主体の読書ツールへの転換、シニアサービス向けの情報などに内容を変えていけば、少なくともリタイア世代も含めた紙媒体の宅配は、あと10~20年程度は続くと考えるから。「そこまで持たねーよ!」という声もあるが、私みたいな田舎では早々減少することはないため、しばらくはこの状況が続くだろう。もちろん、油断は出来ないが。

 一部の新聞社が「事実より主義主張」「報道の自由を盾にすれば、公益性は守られるんだ」など寝言を言っているが、言い換えればソレは読者離れの深刻化の裏返しでもある。名指しはしないが、私の所は合売店なので、一部の全国紙も普通に配達している。一方で、そうした「何となく反権威」を楽しみたい高齢者や活動家がいる以上、それなりに需要がある訳であり、その手の読者は引き続き紙媒体の新聞を購読して下さる「確約」が得られるため、配達の仕事も延命できるのだ。

 最大手の全国紙は、しぶしぶ電子版の配信を開始したが、本音は「電子版の廃止・紙媒体原理主義の徹底化」だろう。これは私見だが、電子版の導入に踏み切った理由は、読者離れというよりかは、販売店や配達員の減少で昔みたいに早版・遅版(版番調整)が行えなくなり、地方紙の印刷工場委託も含めて紙媒体の配達に余裕が無くなってきているからだとみている。合売化が更に加速すれば、最新ニュースを取り込むのも面倒になり、ジックリと読める分析記事・解説記事・オピニオンだけで構成する紙面を作った上で、配達時刻も昔みたいに朝早く配達するのを義務化する必要も薄れる。

 だとすれば、全国紙・地方紙も「どこが最初に特ダネを報じるか」→「急いで印刷し、配達しろ!」といったメチャクチャなやり方は無くなり、いわゆる「調べてみました」モノや共同通信から送られてくるコラムもので紙面を構成すればいい。配達原理主義を守る以上、人材を上手く確保し、編集サイドも負担が掛からないように調整し、細々と延命していく流れになっていくとみている。

 「モチベーションやインセンティブは落ちるが、配達の仕事が廃止されるよりかはマシ。仕事が出来るだけでも有り難く思わないと。」

 このように悟りを開き、もしも販売店の維持が不能となって廃業した場合は、改めて考え直せばいい。記事の中身や業界の理不尽さでイラつくことはあっても、結局は仕事をする以上、超えてはいけない一線の範囲内で黙々と配達業務を行うことに徹するしかない。8年目・9年目の私は、どのように考えているのだろうか。

 

↓参考にしている、一番肌に合う書籍

働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)

働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)