JR西日本では、京阪神の日帰り旅行に最適な「関西1デイパス」が発売されている。
きっぷ
きっぷのルール・特約(2021年夏の場合)
- 利用人数:1人~
- 利用期間:2021年6月1日~8月31日
- 発売期間:2021年5月25日~8月30日
- 利用できる日:発売期間中はいつでも利用可能
- 有効期間:利用当日のみ
- 発売箇所:e5489やみどりの券売機で、事前予約。
(事前購入制で、出発日の1ヶ月前~前日まで受付)- 利用可能区間:JR西日本が指定する在来線が1日乗り放題
※特典を利用する場合は、指定された他社線区間も条件付きで乗車可能。- 乗車できる列車:新快速・快速・普通列車
※特急列車の場合は、別途、特急券(+指定券)を購入すれば乗車可能。
※山陽新幹線はご乗車になれません。- おねだん:(おとな)3,600円 / (こども)1,800円
- 重複割引:ございません
- 特典(1):付属する引換券を他社線の窓口に見せることで、指定された他社線の乗車券と、その付属施設への入場券(または割引券)と交換(1枚の交換で1回切り)
- 特典(2):JR西日本の関連施設である「京都鉄道博物館」への入場が1割引。
- 特典(3):JR西日本が指定する観光施設の入場料などが割引に。
- 特典(4):レンタサイクル「駅リンくん」が1日乗り放題(乗り捨てた地点で前途無効)
他社線と、その付属施設の観光を行うことを前提とした乗り放題きっぷ
見ての通りにJR線(アーバンネットワーク管内)が乗り放題になるだけでなく、指定された他社線とその関連施設・観光地へのアクセスをサポートする引換券がセットになっている。発売当初は単にJR線のみか、JR線と直接的に繋がる一部の施設に限定されていたが、後に他社組(京阪電車・近鉄・南海電鉄・神戸市営+神戸電鉄・近江鉄道)や、京阪グループの大阪水上バスも参入する形で使用範囲が拡大していき、現在に至る。
関西人の日帰り旅行をアシストするきっぷだが、e5489で事前予約が出来るという長所を活かし、他の地方からの観光利用にも最適である。反面、e5489・指定席券売機のどちらかで使用日の前日までに予約することが前提となっており、当日購入が出来ない。この辺は出発前までに入念に確認することが大事である。
なお、特典を使わずにJR線のみのフリーきっぷとして使うことも可能だが、あまりそれに依存しすぎると、JR西日本お得意の「2人縛り」を発動する恐れがあるため、特典が付属する以上は最低限のマナー(?)として引換券を発動し、他社線+関連施設を確実に利用することを勧める。
2021年夏の関西1デイパスでは、下記の他社線・関連施設のどれかを選べる。
今回は「京阪」「神戸」をチョイス
大阪までの行き来は旅行代理店が手配した「のぞみ往復きっぷ(ビジホつき)」で移動し、京阪神エリアは関西1デイパスを1日目・2日目でそれぞれ別に事前予約した。
1日目は比叡山延暦寺に登ろうかとした。山科駅にある京阪電車側の窓口で引換券を発動し、乗り放題きっぷと交換する形で京阪電車に乗車。びわ湖まで出たは良かったが、そこでエラい雨が降り出して「うわー、イヤだなぁ~」ってオチになり、惨敗。ちゃんと晴れた日に行こうね……。
ちなみに関西1デイパスには、びわ湖を一周できるクルーズ船の乗船割引も備わっているため、ちゃんと晴れていれば船に乗って鳥人間気分を味わっていたと思う。
2人目は風呂に入りたいという理由で有馬温泉へ。地下鉄三ノ宮駅で、地下鉄・神鉄往復券+入浴施設割引券と交換し、JR線→地下鉄→神鉄の順番で乗り継ぎ。有馬温泉駅に着いた途端、ココはホントに「こ~べ~」なのか?と思うくらい、自然に溶け込むように温泉街が集中していた。
金の湯という温泉に入ってみたが、正直、かなり熱い。比較的低温のぬるま湯でも44度なので、コレならサウナ必要ありませんな。他の風呂にもチャレンジしようとしたものの、かえり新幹線に配慮し、早めに大阪・梅田に戻ってしまった。
なお、今回は関西1デイパスに付属する京都鉄道博物館の入場料割引も使ってみた。新大阪→京都に向かい、山陰線最初の梅小路京都西駅から徒歩数分の距離にある。ラストランとなった環状線の103系をマグロ解体したモノや、初期の0系新幹線模型など色々楽しませてもらったが、一番興味深く拝見したのは、改札業務・MARS端末発券の所だったかな。
関西をじっくり旅行したい人にお勧め
他社枠も設ける形で、京阪神地域の観光施設を巡れるオトクなきっぷであり、逆を言えばJR線乗り潰し目的で使うきっぷと言えるかは微妙。完全なJR線乗り放題は18きっぷに委ね、純粋に「関西の観光地と言ったらあそこ!」という人には最適だろう。
ただ、1回の乗車で他社線が1つしか選べないと言うのがネック。また、1日目が悪天候というのも重なり、どこか消化不良に終わった感がある。またいつか関西に出向いた時は、今度こそ高野山・比叡山に登りたい。