COVID19の影響により、JR九州は積極的に2枚きっぷ・回数券を縮小・廃止を続けている。現在、生き残っている2枚きっぷの設定も「来季のダイヤ改正を境に全廃されるかも……」と脳内を過ぎったため、今のうちからJR九州ネット予約サービスを使う練習でもしておこうと思い、今回は窓口経由ではなく、ネット予約で手配してみた。
割引率の基準は、2枚きっぷの片面を参考にしている
手配そのものはJR西日本のe5489などに準ずるが、JR九州の場合は「当日予約でも割引率がかなり高く設定されている線区がある」というところ。
上記の表を見ると分かる通り、当日予約のおねだんは、かつて存在した2枚きっぷの1枚あたりの額面とほぼ同じ。2枚きっぷと異なり、その都度予約が必要な買い切り型に切り替わった反面、自由席でも指定席料金を課さない線区が存在するため、窓口での対面購入を徹底して排除することを目的としているのがよく分かる。
JR西日本の場合は「無割引が原則・2~3週間前の予約でも2人縛りを掛ける」といったトクトクきっぷが前提となっているのを見ると、当日予約でも2,000円近くも割引が生じるきっぷが存在するのは、JR九州らしさがある。
3日前または7日前までの予約は、本来のおねだんと比較して最大半額程度まで抑えられているものの、熊本・鹿児島中央・大分・長崎の3駅が基準となっており、他の線区には設定されていない。また、当日予約と比較しても、せいぜい博多⇔鹿児島中央で2,000円程度割引が生じる程度。JR九州が狙っている顧客層が「スグに乗りたい客」と「事前予約は出発日寸前まで」というのがよく分かる。
きっぷの受け取り
JR西日本の時と同様、指定席券売機を使って発券するか、もしくはみどりの窓口がある駅で予約番号などを告げることできっぷを受け取る。
JR西日本は積極的に窓口の廃止・管理体制の統合化を進めているが、JR九州は未だに窓口営業を続けている。中には廃止・時短に追い込まれた駅もあるが、そうした駅で指定席券売機を設置しているところは、意外と少ない。ターミナル駅など、人の出入りが激しい場所などに限られ、ネット予約強制化と同時に指定席券売機を並行して導入するかどうかも怪しい。
2枚きっぷが全廃した後、どうなる?
2枚きっぷが全廃になった後は、完全なネット予約限定に切り替わるが、その際、懸念されるのが「JR西日本みたいな制約が厳しすぎるトクトクきっぷに変貌するか?」というもの。JR西日本は一度、乗客に有利な割引きっぷを出すと、評判が良くなった所で唐突に厳しすぎるルール(2人縛り強制・割引率の徹底削減・予約は21日前からetc)を出してしまい、結局は普通通りのきっぷを買うハメになるケースが多い。
JR九州も追従するかなと思うが、かつての2枚きっぷを継承しているあたり、その可能性は「無くも無いが、条件は西日本よりかは緩やか」になると予想する。せいぜい「九州ネットきっぷは前日までに予約」程度になるのではないだろうか。あまり厳しくし過ぎると、ただでさえ競合路線を数多く抱える九州島だけに、「遅いけど安く行こう」と考えるバス客が増えたり、もしくは自家用車・レンタカーで移動と考える人が確実に増えるからだ。その辺はJR九州も勘案しているはずだろう。