在福全ての一般紙において、一面見出しが「安倍元首相 撃たれ○亡」となっている。事件の内容は同じでも、普通だと新聞社どうしで微妙にタイトルを変えることはするが、ココまで完全に一致しているのは珍しい。
興味深いところを幾つか取り上げる。
全新聞揃ってテロ反対声明
全ての一般紙で、論説・編集委員級の方による暴力反対声明が掲載されている。但し、朝日新聞と産経新聞は社説として掲載。
産経の場合、安倍氏と接点が深いこともあって、彼の経緯を称えつつも暴力反対を明確にしているのに対し、朝日は過去のテロリズムを現代社会でも再現してはいけないという表現に留まる。前者はともかく、後者はどことなくモゴモゴした印象があるが、安倍氏を執拗に誹謗中傷してきた新聞だけあり、掌返しによる猛批判を回避する狙いでもあるのかと察した。
(魔理沙)産経は悔し涙が溢れる社説なのに対し、朝日は自分たちが犯したことに対する「戒め」みたいなのもあるのかも、だぜ?
(霊夢)今更ここで「安倍氏への暴力反対!」と朝日新聞(+毎日・東京・共同など)が叫んでも、元々、言論の自由をいいことに安倍氏に対する誹謗中傷をしてきたの、お宅の新聞じゃない(笑)とツッコまれても仕方ないわよね。
安倍氏の遺体画像(グロ注意)
西日本新聞・産経新聞(九州・山口版)は、共同通信から送られてきた安倍氏襲撃直後の様子が掲載されている。但し、産経では流血表現を抑えるために画像加工しているのに対し、西日本では流血シーンをそのまま載せている。
毎日新聞は偶然そこにいた記者(カメラマン)が撮影した、断末魔の様子を無修正で掲載。蘇生手術を行った奈良県立医科大の会見にもあった通り、安倍氏が銃撃された箇所は喉元と心臓部に近い所であり、貫通して大量の出血が出ている様子がそのまま載っている。
読売新聞は救急車で運ばれる様子、朝日新聞・日本経済新聞は未掲載。
遺体を掲載するかどうかは報道機関によって解釈が異なる。載せることで事件の重大さを伝える役割がある一方、載せることで読者が不快感を示すのを出来るだけ避ける(暴力行為の助長を回避)見方も出来る。
評伝
安倍氏の唐突な別れに、新聞社も慌てて評伝を書いているように見えた。取りあえず過去の安倍氏の取り組みを元に、良かった所・悪かった所をピンポイントで載せて対応する様子が窺える。
「現実主義を求めた総理大臣、キレッキレな安倍氏も、実はどこかニッコリと素顔が見える」、そんなことを書いたのがよりによって朝日新聞ってのは、何だか不快感でしかないんだが……。(個人差)
なお、在福においては、全ての新聞で安倍氏の評伝をその新聞社が執筆しており、他の地方紙では共同通信の記事を流用している恐れがある。また、産経新聞に関しては評伝のコーナーがない代わりに、長らく安倍氏と共に政策提言を続けてきた、論説・編集委員の阿比留記者が産経新聞社の公式見解として、実質評伝となる記事を執筆なさっている。
不自然なACジャパンの広告
朝日新聞・読売新聞の広告欄には、不自然に無料広告のACジャパンに差し替えられた痕跡が残されている。この部分、本来は自由民主党の選挙広告を掲載する予定があったのではと推測したが、どうだろう?
現実と理想を追いかける政治家が育つ土壌を
時の政権と激しく対峙してきたメディアも、最期はちゃんと紙面の世界で仲直りって姿勢を見る当たり、元々安倍氏を陰ながら応援してきた私にすれば不快感の方が先に出る。一方で、集団的自衛権の一部容認や、共謀罪改めテロ等準備罪・国民投票法の改正・機密情報保護法の改正といった、日本国家を守り抜くための礎を創り上げた安倍氏は、次の世代を担う若年者層を中心に人気を誇っていたのは納得がいく。
好き嫌い分かれる首相でありながらも、日本国という島国の範囲内で完結させるのではなく、揺れ動く世界情勢にもしっかりと気配りをし、様々な首脳とも上手く根回し・交渉をし続けた安倍氏は、まさに理想の総理大臣だったかなと思う。
左派(というより反政府勢力)を中心に安倍氏への誹謗中傷・ヘイトスピーチが相次いだが、そうした勢力に負けじと前進する姿は、評価に値する。安倍氏が暴力的手段で倒されたとしても、残された政治家や日本人は、彼の意思をしっかりと受け継ぎ、世の中は常に変化と共に生きていることを自覚し、誇りに思う存在でありたい。それを理解し、行動できた首相ほど、「伝説~レジェンド~」として語り継がれていくのだ。
なお、読売新聞の政治面では、安倍氏に対する誹謗中傷・ヘイトスピーチをロコツに叫んでいた者たちへの厳しい批判が掲載されている。ヘイトを叫んだ当人たちは、色々と理由付けて正当性を叫ぶだろうが、ごく普通の庶民の感覚・マジョリティからしたら「ウザい」としか思われない。この点、どの新聞社以上に冷静な判断を示したものと捉えている。