12月中頃に公表される、JRグループダイヤ改正案の告示、そして来年3月中頃に実施される、2023年度のダイヤ改正へ向け、実際にJR九州管内で起きそうなダイヤ・駅業務サービスの見直しを予想する。
全般
共通事項として、九州島では福岡都市圏への一極集中と、それに伴う周辺地域の人口減少が今後も続く。そのため、地域間輸送に関しては他のJRグループ同様、都市圏にできる限りリソースを集約させ、その他の地域では、可能な範囲でダイヤ大幅削減・別の交通手段への切り替えを強く推奨する方向で中長期計画が策定されている。
これらを察するに、今後実施されることとしては、
ということになる。
交通モード転換に関しては、国が主導権握る形で半強制的に議論・戦力外通告が出来るように法改正が実施されたが、自治体から猛反発が出るのは必須で、スグに実現できるものではない。だが、少しずつダメージを与えていき、最終的に自治体・存続主義派が折れていただくためにも、2030年度という一つの課題達成ポイントを設定し、そこまでに次の交通手段への移行を粛々と進めることが重要である。
福岡・北九州都市圏
考えられるダイヤ見直しは、下記の通り。
- 佐賀・長崎・佐世保と博多の間を結ぶ、特急リレーかもめ・ハウステンボス・みどりを、さらに増発。
- 佐賀⇔博多の利用増進を更に強化するため、特急ソニックを佐賀駅まで乗り入れして本数増加。反面、普通列車は原則として1~2時間1本まで削る。
- 区間快速を含めた快速列車の完全廃止と、それに置き換わる朝夕の「通勤ライナー」としての側面を持った特急列車の運行。
- 福岡・北九州都心部の運行本数削減。
- 2両編成のワンマンカーを、現在は八代・熊本方面⇔鳥栖に設定されている区間を、さらに南福岡まで延伸。積み残しが生じないよう、最も乗車率が大きくなる朝7時~9時台と、17時~19時台は通常の8~9両編成車両で回避。
- 香椎線を廃止(または西日本鉄道に「大政奉還」)することを前提に、運行本数をさらに削減。現在は1時間2本だが、これを1~2時間1本まで見直す。
- 篠栗線の運行本数見直し。現在は一部で快速となっている篠栗線だが、見直し後は完全な「普通」に降格する代わりに、博多・吉塚⇔篠栗はデータイムで1時間2本、篠栗⇔桂川(+新飯塚・直方)は1~2時間1本まで削減。
- 一方で、篠栗線と筑豊本線を通る特急「かいおう」は、それまでの区間快速からホームライナーとしての特急に格上げした上で、朝夕の通勤時間帯に限り、1時間2本程度の割合で増発。
鳥栖~大牟田・荒尾
821系など贅沢。
熊本エリア
- 荒尾⇔玉名の運行間隔を更に長引かせ、現行の1時間1本から、朝夕の通勤時のみ1時間2~3本、他は運行しない時間帯を設定する。その上で、コスト削減を理由に、豊肥本線などで使用されている気動車(キハ47形・200系など)を、荒尾~熊本~八代でも積極的に投入し、2020年代後半までに全て非電化に格下げる。
- 荒尾⇔玉名は有明海沿岸道路への転換を実現するため、廃線を前提に議論を進める。
- 三角線の早期廃止を実現するため、朝2本・夕方2本を除き、気動車の運用を取りやめる。その上で、速やかに廃線議論を行った上で、BRTバス専用道転換の道筋を作る。
- 豊肥本線に関しては、全て非電化に降格した上で、熊本⇔肥後大津は朝夕の通勤時を除いて1時間1本程度で運用。
駅業務の見直し
結論からして、JR九州は西鉄電車のような地域間輸送・地域住民の足として運用するのは、かなりムリがある。それよりも、本当にJR線が廃止されると厄介な長崎エリア・福岡エリア・北九州エリアなどに限り、普通列車を残す以外、全て特急・新幹線ONLYのダイヤを組めばいい。地方路線に関しては、積極的な廃線を行いつつ、JR版のバスターミナル駅を駅・駅跡に誘致させる方が潔い。