sp.m.jiji.com 静岡県の県紙である静岡新聞が、2023年3月31日付を以て夕刊の発行を取りやめる。翌4月1日からは夕刊の一部要素を引き継ぎ、朝刊単独紙を流通する方針。
【2023年4月1日付からの紙面構成】
静岡新聞は全国でも珍しい「朝夕完全連続紙」であり、かつて存在した大分合同新聞の強制セット体制と同じ流通体制となっている。社告にもある通り、時代の変化で見直しを余儀なくされた格好となる。
購読料は現在の朝夕完全セット体制である3,300円のままとなるため、実質値上げである。但し、静岡県内に流通している他の全国紙・ブロック紙が4,400円(朝刊のみだと3,600円が相場?)となることから、静岡新聞はコレでも「相対的には安い」方に入る。
ちなみに……。
普通だと「夕刊の取りやめ≒新聞社崩壊がエスカレートする」という言説が多いものの、静岡新聞(SBSグループ)は他とは事情が異なる。
まず、静岡新聞は自社系列の販売店(直営 or FC)を構えておらず、全て他の全国紙・ブロック紙の新聞屋に委託している。これにより、自社系列で過剰な新聞の発行を控えており、それでコスト増を回避する努力が見られる。
また、夕刊そのものも、2011年の地点で既に土曜日の発行を取りやめており、少しずつステルス値上げを繰り返しながら購読料見直しに踏み切った経緯がある。
「リニアの地下水問題でお騒がせな新聞社」というイメージが付きまとうが、それとは裏腹に経営面に関しては、他の地方紙・全国紙以上に堅牢性の高い企業と評価されているだけあり、確かに一理ありそうだ。