そらマメさん鉄道局・流通局

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西日本新聞 購読料値上げ ●◇

購読料値上げに関する社告(2023年4月12日付朝刊)

 西日本新聞社は、2023年4月12日付朝刊の社告で、2023年5月1日以降の月極め購読料を、現行より最大500円値上げする方針を発表した。

  • セット版:4,400円→4,900円
  • 統合版:3,400円→3,900円
  • 朝刊1部売り:150円→160円
  • 夕刊1部売り:50円→60円

魔理沙)九州・沖縄の県紙ではトップバッターで値上げ宣言だぜ

しくじり西日本新聞

 新聞購読料は、円安+ウクライナ情勢+ランニングコスト上昇と、製紙会社による供給量の削減などから、どの新聞社でも値上げは回避できない。それはそれで仕方ないにしても、ここ最近の西日本新聞は、福岡県民でありながら首を傾げるような話が目立つ。

一面から終面まで、ほぼ全て共同通信のコラムで掲載された夕刊

fuwafuwaame.hatenablog.com

 今回もセット体制を維持したまま値上げするが、2019年5月に値上げしたあたりから、急激に西日本による夕刊の自社記事が激減している。日によっては一面から終面まで、ごく一部のコラムを除いて全て共同通信のコラム・オピニオンで紙面を埋め尽くす有様なので、発行部数に反して購読者(ライト層・コア層)は少ないものとみられる。

 一方で、値上げチラシも附属していて、私の所では朝刊のみの契約で4,100円に設定されていた。統合版が3,900円としているあたり、セット割れがあまりに酷すぎて、内心夕刊の発行やめたい(朝刊単独紙への移行)という思惑が透けて見える。

霊夢)……夕刊の発行、やめたら?

県紙でさえ、地域欄が異常に狭い

 現在の地域欄の構成は、福岡県内では1+1p(県総合+4地域ごとの話)、他は1p(県総合+共同通信による夕刊コラムの再掲載)となっている。かつては地域欄のページ構成が最大3~4pに達することもあった。

西スポ廃刊(でも、すぐに統合化)

fuwafuwaame.hatenablog.com 3月31日付で西日本スポーツは休刊(廃刊)となり、翌日から正式に完全な電子版に移行した。

 しかし、元々の購読者層が電子版を扱いきれない高齢者だらけか、即売で買っていく男性であり、電子版単独とすることで失望・解約ラッシュになる危険性を察したためか、毎週火曜日にホークス面を新設。西スポ時代の記事を事実上継承していることから、表向き廃刊にはなっても、実際には朝刊と統合化する形で現存し続けていることになる

霊夢)下手に廃刊にしない方がよかったじゃん。
魔理沙)未練おびただしいと思う読者もいそうだぜ。

 西スポそのものの休刊宣言は昨年9月のことだったため、今回は慣例通りに発行を取りやめたものの、一番の愛読者である年寄りや即売で買っていくユーザーに配慮するのであれば、下手に廃刊とせず、素直に購読料を値上げして現存維持させる方がもっと幸せな展開を見いだせたかもしれない。

「調べてみた」シリーズの路線変更

 西日本新聞が2018年から始めた調べてみたシリーズも、初期の頃は雑学的なネタ要素が強かったが、かんぽ生命保険の不正契約問題を追及したあたりからは、徐々に「特定の思想を抱く者」への配慮・忖度が重点化しているようにみえる。

 また、やたらと、教育問題・お受験・反戦・女性の権利主張・反安倍・反政府を誇張する話を持ち出すなど、地元福岡の話をしているようにみえて、どこかしら「誰か」を意識しすぎた紙面をしてはいないだろうか。

全体的に左傾化が進行(東京中日路線化)

 寛容性が薄くなり、従来のような「九州の話は西日本」という話はなりを潜める一方で、駐在扱いで沖縄島(米軍基地)に派遣させて琉球新報沖縄タイムスに加担する話もあれば、政府を攻撃する目的で東京に取材拠点を設けるなど、論調が極左路線に傾きつつある。

 これはジャーナリズム以前の話で、それだけ新聞を購読する世帯が減少し、それに伴って読者層をオールマイティから、ごく一部の偏ったマイノリティー相手に取材・販売するように路線を変更したことによる(西日本に限らず、他の県紙・全国紙などでも同じ事例が見受けられます)。

 正直、私は西日本は福岡県内の新聞とは思っていない。かつては「福岡のことは西日本に任せておけ」と自信を持って言えたが、現在はイデオロギーが頼りの東京新聞中日新聞東京本社)を見習っている節がある。もちろん、そうした論調が大好きという読者もいるため、それはそれで結構な話だが、私は明確に距離を置いている。ニュースだけなら電子版で結構だし、娯楽を求めるなら東スポを買う程度で十分である。

在福は一部を除き、セット維持で値上げ追従

 朝日新聞の値上げに次いで、西日本新聞が値上げに言及したことから、今後は毎日新聞日本経済新聞産経新聞も値上げに追従する。元から夕刊がない朝日新聞の福岡・北九州エリア以外と産経新聞は、統合版の価格を軸に、それ以外はしっかり値上げする。

 購読料見直しを保留している読売新聞に関しては、朝刊のみの契約に対し、販売店側の判断で個別に値上げしているという情報も聞いている。読売も、来年3月あたりで見直しの言及をしているものと予想するが、果たして。