そらマメさん鉄道局・流通局

鉄道旅行・新聞の流通考察・雑談がメイン。

新聞購読料改定表・発行見直し情報(2025年版)

 新聞の購読料改定、または頒布・供給体制の見直しを、新聞社の社告を通じて正式に公表された情報をもとにまとめていく。2024年実施分は↓の記事を参考にどうぞ。

fuwafuwaame.hatenablog.com

 なお、ここでは供給体制の見直しにおいて、電子版に対するサービス強化といった話は、完全電子版への置き換えなど特別な事由がない限り、振れない(本来の紙媒体供給の趣旨に反するため)。

購読料改定

全国紙

県紙

スポーツ紙

  • デイリースポーツは当面、価格を保留。

頒布・流通体制が変わる銘柄

廃刊・配布見直し

紙面製作など

  • 毎日新聞西部本社は、宮崎県北部(延岡・日向市など)向けの地域欄を、南九州版と統合し、紙面構成を見直す。4月1日発行分より。(→社告

配送関連

  • 関西地区のJR西日本において、セブンイレブンKIOSK・ハートイン)での夕刊駅売りを、3月末を以て取りやめ。朝刊は4月以降も続投。(→別の方からの情報より)
  • 山形新聞社は、新聞業界が定める年12回(月1回)の休刊日とは別に、1月13日・5月2日・8月25日に独自の休刊日を定める。配達環境の悪化に伴う負担軽減策。(2024年11月16日付社告)

設備投資関連

初版 2024年11月24日
更新 2025年11月14日

JRグループドラフト会議予想2026(落書き以下)

 こんなの素人が予想しても仕方の無いことだが、一応、今はプロ野球の契約更改シーズンですのでね。12月中旬ごろに告示されるJRグループダイヤ改正(便宜上、ココでは「JRグループドラフト会議」と表記)の予想でも。駅コンビニでカップコーヒー一杯飲みながらざっくばらんに楽しむ程度でご覧下さい。

 その前に。

美祢線戦力外通告

  • 美祢線BRT復旧で一致 山口県・沿線3市、鉄路は廃止 秋に法定協立ち上げ
    (山口新聞 2025年8月8日付)
  • 美祢線BRT化へ来年中に計画策定沿線地域公共交通協議会、山口県庁で初会合
    (山口新聞 2025年10月21日付)

soramameroad.hatenablog.jp↑の記事も参照

 集中豪雨で被災した美祢線は、法定協議会を通じて山口県と沿線自治体と話し合いを行った結果、鉄道方式での運用を断念し、BRT方式に転換する方針で一致。事実上の戦力外通告であり、バス専用道路と路線バス転換(いわゆる「育成契約」)する方針。鉄道時代は厚狭と美祢の間でそこそこ利用客がいる程度で、美祢⇔新山口山口市街を行き来する利用客が多く、実態に合わない状態が続いていた。

 なお、現段階でJR西日本が鉄道方式での美祢線廃止届を提出したわけではないものの、BRT転換を巡る法定協議会の進行次第で、鉄道廃止手続きを行うものとみられる。

本題(予想)

新幹線

  • 新幹線の適正利用をさらに進めるため、山陽新幹線は種別を問わず、全列車指定席に転換
  • 山陽新幹線内の一部の「ひかり」「こだま」停車駅を見直し、利用客が少ない時間帯を中心に「通過」することを認める。
  • 山陽・九州新幹線の最速特急である「みずほ」を、一部時間帯に限り、新たに徳山・新鳥栖新八代にも停車するように調整。
  • 乗り換え時の接続性を改善する駅に対し、小幅なダイヤ修正を行う。

JR西日本

  • 最後まで残った一部の特急列車も、全ての列車を指定席に固定。
  • 有料の座席サービス(Aシート・うれシート)を半強制的に全車種導入。乗客の積み残しが起きないよう、通勤時間帯は3両だけ指定席に、他のオフピーク時は全車両で指定席に変更。立ち席は一切認めない。予約も、現在はみどりの券売機で即売・キャン待ち対処しているが、ダイヤ改正以降はe5489で事前予約制を義務化。
    (心ないイコ駅長)つまり、新快速を事実上の通勤特急に格上げし、新快速を段階的に廃止しちゃおうってこと!
  • 線区問わず、快速・普通列車の本数調整。
  • ダイヤ改正日の前後で、山陽本線の新駅「手柄山平和公園駅」が開業するかも?

JR九州

  • 例のE501系を関門トンネルに、70-000系電車を筑肥線筑前前原~西唐津)に持ち込む。全車は国鉄415系のピンチヒッター役、後者は老朽化した国鉄103系電車から完全にバトンタッチ。
  • 福岡・北九州エリアの通勤時の積み残し対策を強化するため、快速列車であっても福工大前~南福岡は強制的に各停にするように変更。
  • 福岡・北九州エリアであっても、オフピーク時に限り、ワンマン運転を実施。
  • 福北ゆたか線の車両数を増加する一方で、通勤時間帯であってもワンマン列車で対処。
  • 熊本エリアの急激な通勤客増大に対処するため、常時3~4両編成で運用。
  • 西九州新幹線の開業による、激変緩和特急の「かささぎ」を、抜本的に見直し。大幅に削減し、朝2本・夕方2本程度まで激減(運行区間も「江北乗り換え」「門司港まで行かない」「鳥栖 or 博多止まり」などの修正を加える)

カエル君「ふぁいとぉーーー!いっぱーーーーつ!」

 ダイヤ改正告示日は、JR駅やおうちでリポビタンDを飲みながら、JR各社のホームページで告示文書を閲覧しましょうね。まさにドラフト会議。

【秋の新聞週間2025】 何が新聞配達やねん

 新聞配達の日らしいが、俺はグランドスラム店も善し悪しやなと思ってる。

 自分とこは新聞不況で、競合のY店が消え、その店が持ってた銘柄を自分とこで扱うようになってから、業務が激増。地方紙+全国紙+スポーツ紙+JAに加え、途中からはSK・KM新聞の配達受託までされる始末だし。朝2時前に店に着いて、320部近くも配り、終わるのが朝5時半前後。

 人手不足で休刊日は原則として休めないし、社保に入っているという前提であっても、所得11万未満。こんな状況ではヤル気伏せるわ。それでも辞めないのは、単に転職が面倒など色々あるんだけど、激務であることに変わりない状況からして、もっと手取りを増やさんかいって話ですよ(無理なら申告で休みやすくする体制にするなど、色々あるだろ)。

 人によっては安月給な上、下記のような配達員にかかるリスクが激増しているにも関わらず、そこまでして配達にこだわる理由って何なんだろうか。

  • 熱心な愛読者による年寄りの早寝早起きが、ますます加速化。圧を感じる。
  • AとMの配送が遅れまくる(一緒に専門の業者が持ち込む)。地元紙やYが早く着いても、結局、それが遅れる+ごく数件しかないA・Mを配達する世帯があるため、チラシ入れなどの準備ができないと出発できない。
  • イノシシやクマに襲われる。ケガしても自己責任。やってられるか。
    ※記者って、こういう時こそ「配達も立派な報道の使命の一つ。凶暴な動物による、配達員への暴力を許さない」と叫ばないといけないのに、活動家向けのオピニオン妄想か、動物愛護団体・野生と化した人間への忖度を異常なまでにして無関心 or そいつらと一緒に騒ぐ。
  • 異常気象で、夜でも気温30℃以上・湿度80%以上とか当たり前。昼の夕刊なんかは熱中症になれと言ってるようなモノ。
  • かと思えば、集中豪雨で土砂崩れや増水で配達が難しく、しっかり防水対策をしても濡れる。で、心ない読者からクレームが発生する。何様だ?
  • 豪雪が起きれば遅延するのに、心ない読者はクレームを入れまくる。何様だよホント。ユキに不慣れなのでスベりまくるし。

 配達現場がこんな風にインセンティブが働かない。加えて、販売店への残紙を受け入れられずに倒産、あるいは所長さんの高齢化で跡継ぎが出来ず、改廃(統廃合)ラッシュで他店に負担が重くのしかかる。

 で、店からのマージン収入も少なくなり、そのツケが新聞社に跳ね返る。収入が少なくなって取材費や取材拠点が毎年のように削られていき、不動産投資による赤字穴埋めも難しくなり、最終的には資産売却。取材に行けず、記者は捻くれて活動家もどき路線に転換するなどインセンティブが働かず、揃って苦しくなる一方である。

モチベーション上がらん状態で配達やっても面白くないよ。

 10年以上も配達の仕事してきたけど、オールドメディアとか言われようが、配達・供給という視点に立てば、それ自体は自信と誇りを持っている。ただ、今の配布体勢のそれに関しては、私のところも含め、他店・他配送業者も限界が来ているのは事実。

 確かな収益源が高齢者と活動家によって支えられている紙媒体収入の存在は認めつつ、一方で、新聞という紙媒体宅配ビジネス(最終的な新聞業界のゴールはそれだし)を無理なく堅持するためには、流通体制の抜本的な改革が必要では?

行動したがいい配布体制の見直し

  • 売店にその銘柄の新聞を持ち込むというやり方をやめ、一旦、卸売業者(郵便局でいう地域区分局)に、その地域の新聞を卸して、販売店ごとに積み直す。
  • その上で、卸売市場と販売店が著しく遠く離れている場合に限り、卸売業者がトラックで持ち込むものの、近所の場合は新聞販売店が直接受け取りに来るように変更。これにより、トラック輸送業者による、複数銘柄の各販売店卸しに時間と負担を強いる問題を緩和する。
  • 新聞社は、業界が定めた新聞休刊日を策定する一方で、配送に関しては販売店、あるいは卸売業者側の判断に委ねるように変更。人が不足して配達困難な場合は、郵便局や別の輸送業者がまとめて現地配達する方針に転換し、理解を求める。(→休めない販売店への配慮)
  • 新聞社の収入が減り続けることを前提とし、印刷時間を気にしなくて良いように、直近の報道伝達から、事実上の政治雑誌への転換も見据える。(→直近のニュースは電子版及び、過去記事検索サービス・縮刷版)に委ねる。
  • 人件費の高騰がこれから先も確実に起きるため、その都度、需給関係に見合った、現実的な購読料へ見直す。

※ちなみに、報道・調査部署(記者)が、値上げや供給体制見直しを行う時に、「魅力ある読み応えのある新聞を、読者に寄り添って」とか言うが、アレは供給体制側のことを殆ど理解している人はいない・知ろうとしないものの、記者・編集が知恵を振り絞って出来る最大限の努力がソレってことである。

 暢気に標語を言って美徳を語る暇があるなら、これくらいの大規模な改革を行って、宅配を堅持しつつも現実的に対処可能な供給体制への移行ぐらいしろや。

 明日は貴重な新聞休刊日

【秋の新聞週間2025】 空気ですらないスポ新の終焉

 福岡ソフトバンクホークス、優勝おめでとうございます!

 今年の小久保ホークスは、序盤は最下位を経験するなど、一介のファンとしては小久保監督の進退問題が取り沙汰される事態になりかねないと思っていたが、後半に進むにつれて徐々に勢いを取り戻し、オールスター戦以降は破竹の勢いでグングンと上位チームへ一直線。蓋を開ければ、いつの間にか1位に返り咲き、そのまま優勝が確定したのだった。こんなドラマ、歴代ホークス監督のもとでも、なかなか無く、まさに激動の一年だった。

 そんな苦労だらけの小久保ホークスなので、優勝の翌日はスポーツ新聞がほぼ完売してるだろうなぁ~と思って、コンビニに立ち寄った結果がコレである↓

家の近所のコンビニ。朝の搬入時からほぼ手を付けられていない。

筑紫野市の某コンビニ。大量に仕入れてる割に、全く手を付けられていない。

基山町内のコンビニ。「ここは売れてるなぁ~」と思ったら、もともとスポ新は2部しか仕入れないとのこと。
つまりは【お察し下さい】

 他にもコンビニを数軒回ったが、どこもこんな感じでスポ新が全く売れない、朝の搬入時のまま全く手を付けられていない状況の所ばかりで、正直、ヤル気なくす。スポ新の配達を行っている自分も、固定客はいるにしても、10年前に入店した時よりも激減しており、「購読はするが、読まずにそのまま廃品回収にポイ」な所だらけで、別に要らないという声が多く散見される。

 これ、スポーツ紙を作ってる記者が見たら、どう思うんでしょうかね。「売れないのはアンチホークスファンによる妨害工作だ」とでも言うのだろうか?

 そういえば阪神タイガースが今年優勝したが、その時は大量生産で京阪神を中心に阪神優勝一面のスポーツ紙を売り捌いていた。しかし、SNSを見てても、ファンが購読するポストが10件あるかないかの程度しかなく、コンビニで大量に売ってる様子のポストは、当日散々探したものの、見たことがない。つまりは、大量に阪神優勝記念号を発行しても、それを手に取る阪神ファンは皆無に近く、下手すると甲子園球場がある西宮市内であっても、朝方に搬入されたスポ新が丸ごと業者に返品されるという事態も、十分想像がつく。

結局、ニッカン西部・スポニチ西部・九スポだけ調達。

阪神優勝デイリーも調達したが、正直、選手手記(しかもそれが1選手1ページ構成)だらけ。

 話を戻すと、ホークス優勝の話を取りあえず読ませてもらったものの、どの新聞も選手手記の話が多く、速報性に伴う戦術分析などは控えめ。既に電子版で速報打ってるので、今さら紙媒体に移し替えてもセールスポイントにならないと編集が判断しているのかもしれない。

 阪神タイガースが優勝した翌日のデイリースポーツも調達してみたが、ラッピング紙面で気合いが入っているようにみえて、優勝特集記事のほぼ全ページが選手手記のみで構成。優勝広告も2社ぐらいしかなく、かなり水増ししているように感じた。デイリーは負担増を見送ったため、多分、完全電子化も視野に編集体制を見直しているのかもしれない。

 昔はプロ野球をはじめとしたエキサイトなスポーツと娯楽を徹底的に追求すべく、かなり男らしい魂のこもった紙面を作ったり、意図してトバし記事を出して世の中の嘲笑を誘うなど、一癖も二癖もある中身の濃い新聞だったが、電子化の前では速報性で負けてしまうことや、プロ野球も動画配信サービスの拡充や、球団公式が積極的に選手の動向を発信するようになり、スポ新と一部民放の力を頼る必然性が消滅。多様化の前では為す術なしと言わざるを得ない

紙媒体スポ新の消滅も、時間の問題

 ホークス情報を熱心に伝えてきた西日本スポーツが2023年3月末で廃刊になった後、在京メディアがその後を引き継いでホークス情報を伝えてはいるものの、前述の環境の変化のもとでは、西スポに限りなく近い紙面で対処しても全く売れず、即売業者・販売店にそのまま送り返される状況が続いている(ある意味、護送船団方式に近い)。

 それを見据えると、あと5年も経てば、紙媒体スポーツ紙が消滅している可能性は現実味を増す。仮に徹底した見直しを行った上で紙媒体を残すとなっても、

  • 売店・即売業者の人員不足・配送時間の管理・労働管理と待遇改善を理由に、誰も紙媒体スポ新の配送をやりたがらない。
  • 結果、印刷時間を更に前倒しし、プロ野球は電子版に完全移行。他の印刷時間を気にしなくていい競技(高校野球MLB・大相撲・ゴルフ・プロレス格闘技など)と、スポーツオピニオンの要素が増強され、ますます水増し感が増強される。
  • 九州スポーツ東スポ)のニッチ開拓である公営競技に全力で振り向く新聞社が出現し、ボートレース予想や、週末競馬の話が主体となる。
  • 東京本社基準の全国共通紙面となり、地域のスポーツチームの話を一面に出すというのが、事実上、無くなる。
  • アダルト面は……(ご遠慮下さい

 このようにして読むべき場所が狭くなり、地域性も廃止・画一的になるかと予想している。割と早い時期に、そのまま紙媒体の終焉をそっと見守る日が来るのかもしれない。

 現在、クライマックスシリーズが行われているが、阪神DeNA・ホークス・日ハム、どこのチームが日本シリーズ参戦を決めるかは分からない。だが、CS突破・そして日本シリーズでどちらかが優勝出来たとしても、紙媒体スポ新に全く興味が向かない以上、朝刊のスポーツ紙が横並びで東スポ or ゲンダイみたいになるのは覚悟した方がいい。

【秋の新聞週間2025】 生成AIで記事の作成、待ったなしへ

 新聞業界では、生成AIを使った報道姿勢には慎重な立場をとっている。

 取り分け、ここでいう「慎重」とは、生成AIによる取材・記事の執筆と編集校正のことではなく、記事を公開した後で生成AIが無断で学習すること(知的財産権の保護)を意味しており、実は生成AI自体を否定している訳では無い

参考:

 大手新聞社・通信社では、生成AIによる粗製濫造で、人間のクリエイティブが薄れてしまう可能性を懸念しているものの、記事の一部に関しては、寧ろ、生成AIに依存する時代がもうすぐそこまで到達していると言わざるを得ない。

 試しに、今話題の「chatGPT」を使い、シンキングモードで3つの「お題」で社説を生成してもらった。

(1) 自民党高市早苗総裁の総理大臣任命と、それに伴う政局

一方はY・Sあたりが、もう一方はA・M・CT・Kが書きそうな社説を書いて。

出来上がった2つの生成AI社説。いずれも所要時間は、約30秒。

(2) 大阪・関西万博の「総括」

批判的な社説は、極左っぽい路線で客を釣る弱小新聞社が書きそうだ?

(3) 「青春18きっぷ廃止」を憂う or 受け入れるコラムを、一面下のアレっぽい記事で生成

天○○語みたいなコラムで18廃止(それに色々単語やネタを追加投入)

僅か30秒以内で、あっさりと短文コラムが生成された。

 こうして見ると、実は論説委員(社説・短文コラムを書く記者)や編集委員(専門分野の記事を書くことに特化した記者)の仕事は、大抵、生成AIに委ねることが可能だと分かる(皮肉な話だが、「言葉が立派で内容が浅い」「主語が国民・政治・社会で、責任主体がいない」という文章こそAIが得意とする領域)。

 いまの社説は、概ね3つのパターンに収束しており、

  1. 見出し → 導入 → 主張 → 結論の構成(テンプレ化)で、固有名詞と日付を入れ替えれば成立。
  2. 結論部には「説明責任」「丁寧な議論」「国民の理解を」などの決まり文句が使われ、実地取材や一次情報はさほど考慮しない。
  3. 会見要約や論説委員私見で完結。

 この手の類の記事は「法則性」「テンプレート性」「事なかれ主義の要素」が濃く、生成AIが学習さえしておけば、ほぼ同じ品質の文章を瞬時に作り出せるため、社説・短文コラムは、AI生成に最も向いているジャンルである。人間が得意なのは、現場での取材や一次情報の掘り起こしであって、記事を仕上げて上げるという作業に関しては、すでにAIのほうが早く正確だ。むしろ「現場取材なし」「定型主張だけ」の記事なら、AIに完全代替されるのも時間の問題だろう。

 もちろん、現状では取材を通じて“現場の空気”を掴み、記事を作るためのプロセスには人力の手間がまだ欠かせない。しかし、取材記者の人員不足や高齢化、取材費削減に苦しむ新聞社にとって、
AIによる代筆はすでに魅力的な選択肢になりつつある。

 読者は近い将来、社説や短文コラムを読んで「これ、本当に人が書いたの?」と疑う日が来るかもしれない。だが、その時点ではもう、AIは立派な“論説委員”として日常に溶け込んでいるだろう。