Windows11の次世代OSに関して、マイクロソフトは「12は作らず、既存OSの改良に専念する」と声明を出すなど、安易なアップグレードに慎重な姿勢を構えている。
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(GIGAZINE / 2026年3月4日)
次のWindowsがどのような姿を見せるのかは、パワーユーザーやギーク等による「何となくそれっぽいUIを予想してみた動画」でネタにされるが、別にUI自体は余程の改変を伴うものでない限り、大型アップデートの「H2」で加筆修正すればいいだけの話。
根本的な話として、多分マイクロソフトは、新OSを作りたくても作れないんだと思う。それは、今のWindowsが、過去の膨大な資産(アプリの互換性)を捨てるわけにはいかない」という、ビジネス・社会上のジレンマを抱えているからに他ならない。
信じられないかも知れないが、今でもWindows 3.x時代のアプリは、画面が乱れるといった条件こそはあるものの、互換性機能を使えば力技で動けるように設計されている。グラフィックカードへの直接的な命令が必要なゲームなどは動作が難しいが、サードパーティーによるエミュレーターの配信などで、その点の課題はある程度クリアしている。
この、昔のアプリが動くということは、30年以上も前に作られた16ビット・32ビット時代の仕組みや、古いアプリを動かすための内部処理が根深く残っていることを意味しており、64ビット時代のWindowsにしてみたら、動作を鈍くするなどの足を引っ張る存在になっている。また、デザインやUIが今のタッチ操作と逆行した造りになっているし、セキュリティー修正のための不具合修正・検証も、内部処理の複雑さが原因で発見が遅れるといった問題もある。
イチからOSを作れない理由
「それなら、イチからOSを作ればいいじゃないか。9x→XPの時だって、OSの仕組みが全然違ったものを力技で乗り越えたんだから、出来るに決まってる」(最近の若い人は知らない案件になりつつある)
だが、今のマイクロソフトにしたら、それもためらう。最大の理由は、前述の強みである「互換性に強い」ということ。これを切り捨てるということは、世界中の経済活動やインフラを破壊するという事を意味し、顧客をmacやLinux・BSD系統、あるいはクラウド系に逃がすということになるため。互換性の強みが、今となっては足を引っ張る負の遺産になってしまったの、キツいよね。
なので、マイクロソフトとしては、今のWindows11に残った古いコードを細々と最新の環境に適合できるように修正を繰り返したり、プロセッサ弾きを強化して、物理的なセキュリティ向上で問題を回避することに専念する方がリスクが小さいと判断している。皆さん方が「12の姿が待ち遠しい」と叫んでも、そんな簡単にOSの仕組みを劇的に変更するのは、結構難しいんですね。
どうしても新OSを作るなら?
小粒修正を繰り返して延命をするやり方ではなく、今のWindowsを丸ごと捨てる覚悟でイチからOSを作る場合、マイクロソフトがやらかしそうなことを想像すると、多分、こうなる。
内部システム
OSの基礎部分(カーネル)はBSD系統を採用。ハードウェア制御・セキュリティーはBSDコミュニティー、または自社で最適化するように任せて開発期間の短縮を狙い、見た目はWindows11(または妄想12風画面)に限りなく近づけさせる。
やるべきこと(激変緩和措置)
前提としてOSの仕組みが根本的に違うため、旧・Windowsのアプリはそのままでは動かないことを、正直に、そして丁寧に説明する。その上で、新OSでWindowsアプリを動かすための、完璧な互換レイヤーを絶対に用意し、互換レイヤーでさえも動かない場合に限り、クラウド(Windows 365)経由で代役動作を行わせる環境を作ること。
また、それに加えて、
- アクセシビリティー(操作補助)の一元管理
- アクティブディレクトリー・グループポリシーをより分かりやすく
- ファイルのエクスプローラーや、Windowsショートカットキーの継続、あるいは改良は引き継ぐ。
逆にレガシーとして切り捨てるものとしては、
- Windowsレジストリーによる複雑な管理:BSD系統に変わったあとは、必要な設定ファイルの加筆修正、または削除だけで動けるような、シンプルな操作性に変更(MS-DOS時代の「config.sys」「autoexec.bat」への原点回帰)
- あまりに古すぎるドライバーは、過去数年間に作られたものだけに絞る。
- コントロールパネルの廃止・設定アプリへの完全集約
- システムの見た目を司る部分と、ファイルを見る部分を完全に切り離す。
- 標準アプリは「メモ帳・ペイント・電卓・ファイルエクスプローラー」程度に留め、他の既存アクセサリーは、原則として、マイクロソフト公式サイトからダウンロードする仕組みに変える。
- ウィンドウシステムは「Wayland」を採用し、既存のWindowsデスクトップシステムは廃止。
移行期間の策定
新OSへの転換は数年で移行するようなことはせず、当面は11の改築(50H2まで継続するくらいの、非常に長いスパン確保)と、新OSを作るための育成期間を両立させる。その上で、
- カジュアル層:最初の5年は並走し、その後、5年間かけて段階的に旧・Windowsのサポートを終了していく。PCゲームや主要アプリ(ブラウザ・SNS・画像編集・オフィスアプリなど)が新OSに移行すれば、ユーザーは勝手に移行していくはず。
- 一般企業・法人:最初の5年は新OSの検証期間を定め、社内で使っている独自システムや管理ツールが、新OSで不具合を起こさないか、情報システム部門が徹底的にテストする。その後、約5年間かけて古いWindowsマシンを順次、新OSに入れ替えていく。更に5~10年間はどうしても移行できない企業のための延長サポートを導入し、完全移行を後押し。
- 政府機関・金融・重要インフラ:最初の5年は法的な適合性チェック・セキュリティ監査・システムの全面的な再設計を行う。その後、5~10年かけて国家規模のバックアップ体制を整えながら、影響の小さい部署から段階的にテスト導入。更に5~10年かけて本番環境への完全移行を促す。
これぐらいの努力をしなければ、正直、小手先の修正を繰り返すだけでは、いつまで経っても過去の負の遺産に足を引っ張られる状況が続く。でも、これは幾ら大金持ちのマイクロソフトにしたら、あまりにもリスキー。だからこそ、天秤をかけて小粒修正の繰り返しとクラウド分散を行う方が理に適うってオチになるわけでね。(最初の話に戻る)

















