そらマメさん鉄道局・流通局

鉄道旅行・新聞の流通考察・雑談がメイン。

ちくまるキップ

www.heichiku.net

 福岡県と沿線自治体が出資して運営する第3セクターの鉄道会社平成筑豊鉄道では、1日フリー乗車券である「ちくまるキップ」を発売している。

ちくまるキップ 券面

きっぷのルール・特約(2024年12月現在)

  • 利用人数:1枚につき1人のみ。但し、土日祝日にこども(小学生)同件で利用する場合に限り、こども1人分が無料となる。
  • 利用期間:通年
  • 発売期間:通年
  • 利用できる日:利用期間であれば平日でもOK
  • 有効期間:利用開始日(有効日)のみ
  • 発売箇所:平成筑豊鉄道の列車内、または金田駅の窓口のみ
    ※列車内で購入する場合は、運転士に申し出を。
  • 利用可能区間平成筑豊鉄道伊田線糸田線田川線)全線
  • 乗車できる列車:全ての列車
  • おねだん:(おとな)1,000円/(こども)500円
  • 重複割引:ございません
  • 特典・特約:平筑会社が指定する日帰り温泉施設を1回だけ利用できる。

 いわゆるフリー乗車券だが、このきっぷのポイントは提携先の日帰り温泉に入浴できる所。もしも入浴した場合には、きっぷの右上部に刻まれたナンバリングの部分を切り取られる。提携先の入浴施設は、「源じいの森温泉」(赤村 / 源じいの森駅最寄り)「日王の湯」(福智町 / 金田駅最寄り)「ふじ湯の里」(福智町 / 金田駅最寄り)の3施設だが、源じいの森温泉以外は駅から遠く離れているため、金田駅と温泉の間は無料の送迎バスが運行されている。

 「1,000円払って乗り放題、それに日帰り温泉も入れちゃうもんね!」ってあたり、大丈夫なのかな?とも思ったが、フリーきっぷ発動時に平成筑豊鉄道の車内を眺めていたら、鉄道利用者の殆どが私と同じくちくまるキップを発動しており、後は地元の人がチョイ乗り(概ね4~5区内)で使う程度だったため、慢性的赤字が続く平成筑豊鉄道としては、直方⇔行橋とほぼ同運賃の価格設定でもペイできる、貴重な収入源と判断しているためだと思われる。

伊田線糸田線田川線を走る400形

金田⇔直方でやや過密になる程度で、平日データイムはこの程度。3セクあるある。

 平成筑豊鉄道は実質県営の鉄道会社であり、今、福岡県とその沿線自治体は、存続へ向けて法定協議を開いて、平筑の去蹴を議論している。一介の県民として、今更感はあれども、もしも戦力外になることを身構える上でも、年数回乗車したいなとは思う(全然冷やかしレベルなんだけど)。

往復乗車券・連続乗車券、廃止へ

往復乗車券及び連続乗車券の発売終了について
JRグループ / 2024年12月2日付)

 JR各社は2026年3月を目処に、往復乗車券(往復割引)・連続乗車券の発売を終了する告示を発表した。ネット予約が順調に進み、片方向利用の乗車券購入が増加傾向にあることから、時代に適さないと判断したため。学生割引・ジパング倶楽部等の条件も大幅に削減される見通し。

往復乗車券廃止と聞きましてね。

往復乗車券とは?

往復乗車券の一例(新飯塚田川後藤寺

往復乗車券の一例(羽犬塚バルーンさが

 往復乗車券は、発駅と着駅で「ゆき」「かえり」を同じルートで利用する場合に発券される乗車券のことICカードやフリーきっぷ等では無意識に行う行為だが、往復乗車券は発駅・着駅がはっきり決まっている場合に購入するため、ICカード乗車が未整備の線区で活躍する。

 昨日は平成筑豊鉄道に乗車するため、新飯塚田川後藤寺の往復券を購入しているが、少し前では佐賀バルーンフェスタ開催時のみに駅が開業するバルーンさが駅への往復券を購入したことがある。いずれもSUGOCAに対応していない(バルーンさが駅に関しては、今年から対応)ため、事前に窓口閉鎖による面倒くささを回避する目的から往復券を買っている。

 往復乗車券には特例が存在しており、

  • 使用開始日から2日間以上、有効期間が設定(乗車区間が長くなるほど、猶予が長くなる)
  • 片道の営業キロが601キロを越える場合、「ゆき」「かえり」どちらも運賃が1割引になる。

連続乗車券とは?

 発駅と着駅の間を、違う経路で乗車する場合に発行されるきっぷ。あまりなじみがないが、一部の鉄道ファンやらは、大回り乗車を理由に連続乗車券を買う人もいるとか。

表向きにはネット予約等と言ってるけど?

 JR各社の見解通り、確かに最近はSUGOCAなどの交通系ICカードや、フリーきっぷを活用した乗車を行うために、往復乗車券を買う(そもそも知らない)機会は殆ど無い。ましてや特急・新幹線移動となれば、クレジットカードによるネット予約が基本となるので、往復乗車券などナイナイ(JR九州には「2枚きっぷ」というモノがあるが、アレは往復券ではなく回数券)。

 一方で、往復乗車券を潰しに掛かる理由は別にあるかと予想する。やはり不正転売に悪用される恐れがあることでは?

 青春18きっぷの効力見直しの話でも話題になっているが、利用実態が昭和・平成時代と大きく変化していることや、ネットオークション・金券ショップへの正規品流出が相次ぎ、JRグループとしても看過できない・イタチごっこにも程があることから、効力・特約見直しや発売自体を取りやめる流れを加速せざるを得ない事態になっている。特に往復乗車券の場合、新幹線移動で601キロを越えると割引がつくことから、悪意ある客が大量に長距離往復乗車券を取得し、それをネットオークションや金券ショップで叩き売る行為が問題視されているのも理由に挙げられるからだろう。

 鉄道事業者の権利を守り、乗客のモラルハザードを正す」という意味で、締め出しを徹底的に強化(そのためのネット予約義務化・クレジット決済義務化・デジタル乗車券・QR乗車券への移行等)するのは致し方ないんじゃないかな。

 もちろん、不正対策の側面だけでなく、JR各社の人手不足・鉄道施設の老朽化対策・別輸送への転換など、様々な理由から現状にあった改正を行うため、一概にJR側の罪と見なすのは些か無理がある。理解するしかない。

※ちなみに、執筆時はJR東日本でも運賃改定の話が出ているが、首都圏では運賃が割安になる「電車特定区間・山手線運賃」が廃止される予定。

イコ駅長「次はどの特例が廃止されるのかな~」
ペンギン「JR時刻表ウラに書いてあるきっぷルールの特例、全部だよw」

購読料改定に関するFAQ

 2025年1月1日から、全国紙は原則として共通料金となる(セット販売は5,000円未満、夕刊のない統合版は4,000円以下)。購読料見直しに関するよくあるご質問にお答えします。

なぜ値上げするのですか?

 一つめは新聞用紙・部品の価格上昇。これはウクライナ情勢に伴う円安効果に伴い、新聞用紙の元となるパルプの輸入に掛かるコストが上昇しているためです。加えて、輪転機の老朽化に伴う印刷工場の廃業が相次いでおり、そうした所では他紙に業務を委託することで発生するコストが発生しています。

 もう一つは配達環境の悪化。皆様のご家庭・職場等に配達する新聞は、印刷工場からの配送や、新聞販売店からの配達(これには販売店負担による燃料費も間接的に影響する)・集金・販売店維持が過去よりも大幅に増大し、新聞不況も重なって、販売店の統廃合に伴う配達員への負担が増大しているためです。

値段が高すぎる。"マスゴミ" の分際で経営努力が足りないぞ!

 あなた方からマスゴミなどと罵られても、新聞販売店は困ります。販売店は、あくまでも契約者が住むご家庭・職場等に配達・集金を行うための窓口に過ぎません。それに、本当に客がゼロになったら、販売店は物凄く困ります。だって潰れるし(新聞社は無傷)。

 なお、販売店・配送業者・印刷工場といった流通に関しては、コスト上昇に伴う配送の見直しを随時行っており、銘柄によってはカラ輸送を回避するために他銘柄をまとめて持ち運んだり、朝刊であれば出来るだけ多くのご高齢の方にいち早くお届け出来るよう、締め切り・印刷時間の繰り上げなど、臨機応変に見直しを実施しております。

夕刊要らない

 お近くの新聞販売店にお問い合わせ下さい。

偏向報道が原因で新聞が売れなくなっているんだ!

 繰り返し恐れ入りますが、新聞販売店は契約・配達・集金・営業の窓口でして、新聞記事に対する苦情を申し立てる場所ではございません。「偏向報道」と申されましても、当方では関知できません。

値段が上がったら、客が減るはずだ!

 正確にはお答え致しかねますが、購読料の上昇で、お客さまが解約をお申し出になられることは殆どございません。苦情は多々ありますが、概ね、ご納得して戴いております。

※客が減るのは、病気に伴う医療費確保とか、死去に伴う自然解約、住居移転が大半。

値上げ後に配達が遅れるようになった。いったい、どうなっているんだ?

 大変恐縮でございます

 ここ数年は新聞販売店の維持が困難となり、お住まいの地域からの配送に時間を要する機会が増えました。それにより配達員を十分に確保できない問題も重なり、なかなか定刻通りに持ち込むのが困難な情勢です。人員不足の解消へ向けた取り組みは行っておりますが、若干の遅延が発生に関しては、ご理解と御協力のほど、よろしくお願いします。

新聞購読料改定表・発行見直し情報(2025年版)

 新聞の購読料改定、または頒布・供給体制の見直しを、新聞社の社告を通じて正式に公表された情報をもとにまとめていく。2024年実施分は↓の記事を参考にどうぞ。

fuwafuwaame.hatenablog.com

 なお、ここでは供給体制の見直しにおいて、電子版に対するサービス強化といった話は、完全電子版への置き換えなど特別な事由がない限り、振れない(本来の紙媒体供給の趣旨に反するため)。

全国紙

頒布・流通体制が変わる銘柄

廃刊・配布見直し

設備投資関連

初版 2024年11月24日
更新 2024年12月1日

読売新聞 購読料見直し

www.jiji.com

fuwafuwaame.hatenablog.com

fuwafuwaame.hatenablog.com↑の記事も参照。

 読売新聞グループ本社は、2024年12月1日付朝刊の社告で、2025年1月1日付発行分より、購読料を見直す社告を発表した。

  • セット版:4,400円→4,800円(△400円)
  • 統合版:3,400円→3,800円(△400円)
  • 朝刊1部売り:150円→180円(△10円)
  • 夕刊1部売り:50円→70円(△20円)

※姉妹紙の「読売KODOMO新聞」「読売中高生新聞」の購読料は、当面、保留。

 これまでにも二度の社告を通じて、購読料見直しを「当面保留」と説明してきたが、急激な物価上昇や配達環境の悪化などを理由にギブアップ。……まあ、よく耐えた方かなと思う(読売販売店も結構統廃合が進んでいるようですし、保留路線も程があるってこと)。

 これで、2023年から続いてきた全国紙の一連の購読料改定は、若干の価格差が生じる程度で、完全に横並びとなった

駅スタンプはWESTERアプリで?

 JR西日本管内の鉄道駅は、他のJR各社以上に窓口廃止を進めており、今日付で山口県内に存在した山陽本線の一部の有人駅(光駅・長府駅)も、明日から出札駅員が常時不在になる。

 駅員が駐在している時間帯に限り、駅スタンプを捺印できるサービスを行っているが、バンバン窓口を潰しまくるJR西日本のことなので、「WESTERデジタルスタンプに変えたが早くない?」って考えるのも無理はない。

【心ないイコ駅長の考え(WESTERデジタルスタンプの考え)】

  • WESTERアプリ内に「デジタルスタンプ」コーナーを新設
  • 目的の駅に到着後、駅構内に設置されたQRコードを読み取ってスタンプを捺印する仕組みに変更。
  • 不正利用を防ぐため、常時GPS(またはJR西日本が独自に開発した位置情報システム)をオンとし、いわゆるスクリーンショット等で得たQRでスタンプを押そうとしても弾くように小細工。
  • 冷やかし駅利用(駅に立ち寄ってデジタルスタンプを押すだけ)による捺印を全力で排除するため、乗車・下車・列車移動中の行動をWESTERアプリ内の位置情報システムで徹底的に監視。
  • 導入開始と同時に物理スタンプ台は完全に即日撤去・処分。
  • JR西日本は丁寧に説明を行うこと(一般論)

 もうすぐ帰省ラッシュ・仕様設計が変わった冬の18きっぷがスタートすることだし、案外、そう遠くない磁気にやりそうな予感はしますよ?

更に心ないことを言うイコ駅長
「ま、早い話、駅スタンプなど物理・デジタル関係なく廃止してしまうのが一番ですがね(笑」

一介の配達員が思う「選挙とSNS」

【炎上ポリティクス①】既存メディアは「うそつき」 SNSが動かした兵庫知事選の虚実
西日本新聞 2024年11月24日付朝刊)

SNSと選挙]<上>閲覧稼ぎ ゆがむ論戦 正確性より収益重視
(読売新聞西部本社 2024年11月24日付朝刊)

 単なる偶然か、それとも報道屋どうしで斎藤・立花両候補に対する根拠無き誹謗中傷罵倒を意識した攻撃・報復か。私にはよく分からん。

 報道屋は内向き姿勢でSNSを敵視するのではなく、徹底した前例主義に回帰して、本来の新聞である紙媒体・宅配原理主義に戻ればいいじゃないか。表向き「SNSによる民主主義の崩壊」と騒ぎながら、供給は電子版でも対応とか、ご都合主義・縦割り経営にも程があり、一介の配達員としては販売店、そして報道屋の体力を削るだけであり、見苦しい。

 業界同士で申し合わせを行い、自社・ポータルサイト含めたニュースサイトの運営から速やかに撤退し、たとえ経営が苦しい・時代に合わないと言われようが、本来の紙媒体原理主義あっての「(建前論としての)ジャーナリズム」を貫いてもらう方が潔い。次に全国紙・スポーツ紙が値上げに踏み切る時、その点を考慮して電子版と距離を置くぐらいの姿勢は見せるべきだ。

 なんだかんだで取材記者もSNSと「融合」しているあたり、大声でSNSを批判する資格はないと思うし、マスコミュニケーション vs 双方向通信といった類の不毛な論争も、いい加減飽きた。

 

※上記の記事は、当日の紙媒体で。

追記

 働き盛りの労働者に対する仕打ちとも呼ばれる、所得税発生基準の「103万の壁」や、社会保険加入義務の基準となる「106万の壁」を巡る議論をする中、どの報道屋も横並びで政府見解を事なかれ的に報じる。

 単に財務省厚生労働省からの報復を恐れている……のもあるが、私はそれよりも「一番の愛読者である高齢者・偏った思想を抱く活動家への忖度を重視する以上、控えねばならない」という組織の論理が優先されるだけかなとみてる

 一銘柄ぐらいは国民民主党の考えを参考にした肯定論ぐらいあってもいいが、誰一人恐れてしまうということは、「103万の壁」であれば社会保障削減、「106万の壁」であれば年金支給削減に繋がるため、熱心な愛読者である高齢者にすれば「俺たちは早死しろということか!」という苦情が1分間に数百回以上も電話口に掛かるのは目に見える。

 こうした高齢者・活動家に対する忖度を極度に行えば、自主的に報道の自由を放棄する形になるものの、単に紙媒体を配布するだけの身分にすぎない俺からすりゃ、「別にそうなってもいいんじゃねーか?どうせ年寄りの暇つぶしと脳内バイアス増強のための宗教紙みたいなもんだし」といった感じで、超早起きジジババ世帯に配達を続けてる。

 オワコン言われようが、年寄りにしたら熱心な宗教紙みたいなものであり、年金・社会保障削減・購読料上昇などどこ吹く風。徹底したシニアビジネスを貫いた方が、あと30年は延命できると思いますよ?知らんけど。

fuwafuwaame.hatenablog.com