そらマメさん鉄道局・流通局

鉄道旅行・新聞の流通考察・雑談がメイン。

読者に寄り添った報道?

 値上げ社告を出した時、多くの新聞社が「読者に寄り添った紙面作りをする」と宣告することがある。

 一見すると読者目線なのかなと思うが、辞書で寄り添うの意味を調べると「もたれ掛かるようにそばへ寄る」ということになる。即ち、編集の視点でみれば「読者に改心を強く求めさせるべく、徹底した布教活動を行う」とも解釈することも可能

 購読料改定で新聞代が大幅に値上げした場合、残紙の調整も含めて読者を減らすのは避けられないが、コアな読者(高齢者や一部の偏った思想を抱く社会運動家など)にしたら別にビクともしない。寧ろ、値上げでライトな読者層が減る分、よりコア読者層に媚びた紙面を作ることが可能になり、余計にカルト色の強い中身になる。結果として全国紙であれば報道屋としての役割を放棄して、オピニオン主体の宗教紙・機関紙じみた内容に、ブロック紙・地方紙であれば上述に加えて、自分たちの郷土取材を半ば諦めてしまうことになる。

 この前、九州にある地方紙の夕刊を買ってみたが、自社記事は1つだけで、残りは全て共同通信から送られてくるオピニオンだらけで、直近のニュースは共同電ですら10本も満たなかった。値上げする時に自分たちの県紙を守ると宣言したけど、それは発行所と印刷・供給をする所が「県内」ってだけで、コア読者層に忖度しまくった、事実上の読者不在のメディアなんだなとシラケてしまった。よう発行し続けられるね。

霊夢「考えは自由だけど、発行する以上、自分たちがどういう立場なのか、自問して欲しいね」
魔理沙「直近の県内ニュースやら、ほんわかとした地元の小ネタ満載だった昔が懐かしいな」

 他にも値上げ宣告をした地方紙を見ていると、以前は無かった共同からのオピニオンが異様に強化されていたり、自社記事の割合を減らしてステルス共同増強を施している銘柄が多々見受けられる。コア読者層には嬉しくてたまらないだろうが、端から見て、普通の人間からしたら客観的に「値段が高いだけで、中身は何もない」と思われても仕方あるまい

 こんな状況が慢性的に続く某紙。別に地元紙なんて思っておらず、ありゃ地元紙を自称した一種の政治思想紙だろうと。いくら地元の話を持ってきても、自分は県紙と思っていない。今の地点で見るなら、読売新聞で結構かな。読売も読売で主筆の「最近の日本人は」という言説はウザいんだが、前向きに物事報じるという所だけでも、チョッとだけ評価している(寧ろ、読売の方が全国紙なのにやたらと自分の郷土を詳しく伝える傾向が強くなった)。

 

 今日は新聞休刊日です。

聖マリア病院前から桜並木へダッシュ!

fuwafuwaame.hatenablog.com↑の話も参照。

 2024年3月16日に、西鉄グループ(西鉄電車西鉄バス)はダイヤ改正を実施した。この日は桜並木駅が開業し、新たに春日原駅が特急停車駅に格上げされるなど、西鉄二日市駅以北に対する列車の運行本数や間隔が大きく改善。コロナ禍以前の状態にまで回復したといえる。

 と言うわけで、ダイヤ改正と同日に西鉄電車を利用してみた。

試験場前駅改め、聖マリア病院前駅。訪問時は旧駅名との混在が残されていた。

こちらは昨日の様子(旧・試験場前駅)。聖マリア病院前の名称は塞がっていた。

 花畑駅近くのコインパーキングで車を停め、まずは聖マリア病院前駅へ。昨日までは「試験場前駅」と呼ばれていた。訪問時は一部で旧駅名との混在があったが、いずれは解消されるものとみられる。後述の桜並木駅と違い、こちらは単に駅名が変わるだけなので、名称変更を呼びかけた病院と久留米市側との間でミニセレモニーが開催された程度。

 聖マリア病院は、自分が仮死状態で生まれてきた時に緊急搬送され、その病院で集中治療を受けた結果、どうにかこうにか生存することが出来たと両親が言っており、いろんな意味で接点のある病院。なので、長い時を経て試験場前→聖マリア病院前になると聞いた時は、入れ替わり前後の駅をじっくり見学したいなと思っていた。達成できたのでヨシッ!

試験場前駅 THE FINAL DAY. の乗車券

聖マリア病院前駅に変わった後の乗車券。……駅名は「病院前」だけでいいような。

領収書も吐き出してみた

 その後は花畑駅まで戻り、そこから急行列車を経由して桜並木駅へ。元々は西鉄バス雑餉隈車庫だった場所を、天神大牟田線の高架化事業に合わせて駅を誘致したもの。新体制の雑餉隈車庫は旧車庫の反対側に移動済みで、跡地は訪問地点では野ざらし状態だった。

新体制の雑餉隈車庫

旧・雑餉隈車庫。いずれは何かしら商業施設かタワマンでも建つんだろう。

 新設された桜並木駅は、駅の南側に住人達の手で守られている桜がたくさん植えられているから、という名称だという。計画段階では雑餉隈駅を当駅に移設する案も出されたが、周辺でマンションが造成されて都市開発が進んでいることなどから、敢えて増設という方向で話が進んだという。

桜並木駅を南側から撮影した様子

自動券売機は2基

「桜並木」という割に、駅舎内はパイプ管やらがムキ出しの状態で、壁面も簡素。

2番のりばから、春日原・二日市方面を眺める。2面2線の相対式ホーム。

桜並木駅の駅名標「桜」なだけに、桜のイラストが背面に描かれている。花畑以来の特殊デザインでは?

桜並木駅の乗車券

領収書も発行してみた

 前後区間が高架化されているため、駅舎も高架構造になっている。但し、自治体の請願駅という位置づけであるためか、施設設備はかなりシンプルで、パイプ管や簡素な壁面で対処するなど、鉄道施設以外の部分は比較的簡素な造りをしている。また、開業時は2つある出入口に対し、中央改札口しか利用できず、北改札口は開業式典の関係で立ち入りが禁止されていた(現在は普通に利用可能)。1階部分には、何かしら購買施設を誘致できそうな空き部屋があるため、今後の発展次第ではレガネット(西鉄ストア)あたりが入居するのではないかな~と思っている。

 ホームにある駅名標は、背面に桜のデザインが描かれた特注品で、紫駅花畑駅西鉄新宮駅で見受けられるラッピング仕様になっている。

10分間隔で停車する普通列車。今後の発展に期待。

特急停車駅に格上げされた春日原駅。これ以上増やすと、「特急」の価値が……

 8時台に到着した時は客も疎らだったが、その後はゾロゾロと新駅披露を一目見ようと、周辺の住人や遠方客がやってきて大混雑。まあ、自分は駅舎を訪問することが目的だったので、臨時物販で限定品購入と周辺を散策して、早々と撤収した。途中下車を繰り返しながら、あっさりと花畑駅に戻って旅路は終了。……別にダイヤ改正当日に行動しなくても良かったのでは??とメシ食ってる時に反省していたのであった。

徳島新聞のストライキ騒動を見て思ったこと

www.asahi.com

 単に編集部署をアウトソース化するだけで、紙面制作そのものが出来なくなるわけじゃない。にも関わらず、製作スタッフの賃金が減らされるという主張のもとでストライキを起こすなど、何だか考えが子供っぽい。

 日本の新聞は宅配サービス業であり、別にジャーナリズムを追求した、よりよい紙面作りを行うことばかりが全てではない。編集部署を含めた取材記者は「紙面が止まれば民主主義が~」なんて言いそうだが、販売店・販売部署の視点で見りゃ、年寄りや活動家から配達の苦情が入るだけで、「あ、今日は臨時の休みか、ラッキー★」と思う程度。そういうことだぞ

くそださい。なえる。

 品質あるジャーナリズムとは、別にペンで世の中を救うことばかりではない。取材・編集に留まらず、売りさばきや販売店フランチャイズ店)の経営をアシストする販売局・販売部署の力も必要だし、チラシ製作・配布を行う会社、印刷工場と輸送業者、不動産業やイベント事業部署による収益確保など、ありとあらゆる所から軍資金を集めて、ようやくデキの良い紙面に繋がる。ペンだけでは世の中は救えないし、メシも食っていけないんだよ

 ちなみに、編集部署までアウトソーシングではないものの、ほぼ外部委託・発注扱いにしている新聞社は普通にある。一報を伝えた朝日新聞も、2016年から段階的に編集業務を外部のメディアプロダクション社に委託しているし、我が地元紙の西日本新聞も、2021年から段階的に外部委託している。読売新聞・毎日新聞産経新聞日本経済新聞も。徳島や朝日も含め、そうした新聞制作や外部事業が次々と分社化・委託化されていった時、ちゃんと反対声明とか抗議活動とかしてきたか?(全然印象にない)

報道・調査会社としての朝日新聞社は直営だが、それ以外の業務は委託。
昔は珍しかったが、今はそれが普通。

 紙媒体の需要が今後も減ることが見込まれる中で、いつまでも聖域として編集が生き残ることは難しい。となると、法人としての新聞社は、将来的には一銘柄のみの編集委託から、複数の銘柄(自分たちの新聞とは全く無縁なものまで含める)をまとめて委託する方針を採用せざるを得ないだろう。

 まあ、自分は配達の身分でしかないので、この辺どうなろうが知らんということで。無理して連日発行みたいにせず、配送の立場も考慮して、週一レベルで休刊日とか設定すりゃいいのにね。(シラケ)

新聞購読料改定表・発行見直し情報(2024年版)

 新聞の購読料改定、または頒布・供給体制の見直しを、新聞社の社告を通じて正式に公表された情報をもとにまとめていく。2023年実施分は↓の記事を参考にどうぞ。

fuwafuwaame.hatenablog.com

県紙

北陸・新潟

中国・四国地方

九州・沖縄

夕刊娯楽紙

日本経済新聞の各種銘柄

頒布・流通体制が変わる銘柄

廃刊

  • 日経産業新聞:3月29日付で廃刊し、完全な有料電子版のみの運用に変更へ。
  • 新潟日報「おとなプラス」:2月29日付で廃刊し、翌日付から新潟日報・朝刊と統合。
  • 朝日新聞夕刊(北海道版):3月31日付で廃刊し、翌日付から朝刊と統合。
  • 毎日新聞夕刊(滋賀県兵庫県播磨地方):3月31日付で廃刊し、翌日付から朝刊と統合。

紙面構成の見直し

  • スポーツ報知:3月31日付で釣り面を廃止。翌4月1日以降は電子版のみで情報配信へ。

値上げを "保留" している新聞

  • 読売新聞
    ※昨年3月に社告で「少なくとも1年間は値上げを保留」と説明しているため、早ければ今年3月以降に購読料見直しに言及する可能性あり。
  • 佐賀新聞
  • 長崎新聞 ……など

そのほか

今後も随時、更新していきます。

初版 2024年1月
更新 2024年3月13日

日経MJの購読料見直し(日経各種の購読料一覧表つき)

www.nikkei.comfuwafuwaame.hatenablog.com↑の話も参照。

 日本経済新聞社は、流通・マーケット情報に特化した業界紙日経MJ」(日経流通新聞)の購読料を、4月1日付から見直す。日経本紙同様、新聞発行に必要な用紙等の原材料費が高騰していることへの対処。

  • 宅配 2,300円→2,800円(△500円)
  • 即売 200円→250円(△500円)

 日経の姉妹紙・日経産業新聞は3月下旬を以て廃刊になるが、MJは流通・営業職を中心に一定の顧客層があるため、値上げする形で続投という結果になった。いったいどこで運命が分かれたのだろうか。

霊夢「残すはヴェリタスか。どうなるんだろ?」
魔理沙「九州で駅売りしている光景とか見ないぜや……」

日経各種、購読料金を一覧化したものです。

選択と集中 スポーツ紙編

 東スポの「出走馬確定の金・土に限り、即売価格を値上げ」というあたり、もうスポーツ紙の未来は決まったようなもの。定期購読は高齢者、一部買いしていくのは公営競技ユーザーが主体であることを踏まえると、全銘柄下記の紙面で構成するのが潔い。

【紙面に掲載すべき項目】

  • プロ野球(日本のプロ野球高校野球大谷翔平さんらがいるMLBのみ)
  • 競馬・公営競技(週末は特に増ページで強化)
  • 政治(社会面と統合化した上で、増ページを図る)
  • ○場所開催時は、大相撲の取組結果も載せる
  • それ以外の項目は廃止。

【電子版に移行すべき項目(紙面には載せない)

  • 芸能
  • 社会(一部を除く)
  • 野球・公営競技・大相撲以外のスポーツ
  • 小ネタ読み物など

【有無を問わずに廃止】

  • アダルト面(年寄りはその程度じゃヌかんし、それ目当てで即売を買っていく人は皆無)

 4月以降の紙面改造で検討して頂きたい。

【世界のお金】 フィリピン・ペソ

フィリピン・ペソ(500ペソ)・おもて

フィリピン・ペソ(500ペソ)・うら

 フィリピンの通貨は「フィリピン・ペソ」が使われている。

 「ペソ」という通貨は、元々は旧・スペイン植民地で多く使われていたもので、フィリピンも1565年から1898年まではスペインの植民地支配を受けていた。その後、アメリカがフィリピンを支配すると、アメリカ・ドルと連動するフィリピン・ペソが導入されるも、第二次世界大戦中に日本軍によってフィリピンが占領され、通貨の価値がなくなってしまう。1946年に独立するも、戦後しばらくは経済的な混乱が続き、中央銀行設立後も非常に不安定な状態が続いていたという。

お札の種類

 現在のフィリピン・ペソは、1ペソを100センタボに分けて価値を計算する。

おもて

  • 20ペソ:マニュエル・ケソン(独立準備政府・初代大統領。1937年にタガログ語を国語と定めたため、「フィリピン語の父」とされる)
  • 50ペソ:セルヒオ・オスメニャ(フィリピン大統領・フィリピン自治領大統領・セブ州知事
  • 100ペソ:マニュエル・ロハス(フィリピン自治領大統領・フィリピン第三共和国初代大統領)
  • 200ペソ:ディオスダド・マカパガル(第9代フィリピン大統領。「庶民の擁護者」。スペイン帝国からの独立を一方的に宣言し、独立記念日を6月12日に変更したことで知られる)
  • 500ペソ:ベニグノ・アキノ・ジュニア上院議員・タルラック州知事など。独裁政治を敷いたマルコス大統領時代に暗殺される)、コラソン・アキノ(フィリピン第11代大統領。マルコス大統領時代の民主化運動家)
  • 1,000ペソ:ホセ・アバド・サントス(フィリピン独立準備政府最高裁判所長官。日本軍侵攻時は大統領代行も兼任)、ビセンチ・リム(日本軍侵攻時に活躍した将軍)、ホセファ・リャネス・エスコダ(女性解放活動家)

 1,000ペソに描かれた人物は、旧・日本軍の仕業で全員処刑されているが、その後にフィリピン独立化を目指した経緯があり、多くのフィリピン国民から高く評価・支持されている。20~50ペソは独立運動の過程で活躍した当時の行政の長が表面の顔に対し、唯一、1,000ペソだけは反日的な考えが色濃く滲み出る様子が窺える。

魔理沙「今は日本とフィリピンは仲直りして国交正常化が進んだけど、当時の第二次世界大戦中にフィリピンを侵略した経緯を知ると、最高額がソレってのはなかなか堪えるぜ」

うら

  • 20ペソ:バナウェの棚田・ジャコウネコ
  • 50ペソ:タール湖、タール火山、ジャイアント・トレバリー
  • 100ペソ:マヨン火山・ジンベイザメ
  • 200ペソ:ボホール島・チョコレートヒル・ターシャ(メガネザル)
  • 500ペソ:コオオハナインコモドキ、プエルト・プリンセサ地底河川国立公園
  • 1,000ペソ:トゥバタハ珊瑚自然公園・サンゴ礁・南洋真珠

 裏面は現在のフィリピンに住み着く生物や、主要観光地を描いている。元々が島国の集合体であるため、自然豊かな景観スポットをアピールする様子が窺える。

入手

 このお金は天神の某両替店で入手したもので、店の人からも「あ、趣味で集められてるんですね~。意外とそういう人多いですよ?」とスグに察して下さった。基本的には外国人留学生が日本で労働する際に、フィリピンと日本との間でお金のやりとりをする時に使われる様子。

finance.yahoo.co.jp 気になるお値段だが、1ペソは日本円で約0.37円(2024年3月4日執筆時)。例の両替店は500ペソ札しか扱っていなかったため、執筆段階で両替してもらうと、約1,343円前後で取引してくれる。

これを安いと思うか、高いと思うかは……。あなた次第。