そらマメさん鉄道局・流通局

鉄道旅行・新聞の流通考察・雑談がメイン。

宅配の仕事、5年目に突入

 2月に入り、新聞配達のお仕事を始めて5年目が経過した。アルバイトという立場であるにしても、今まで同一職場での長期勤務をしたことがない私にしたら、本当に奇跡としか言いようがない。勤務先の職場からも一定の信用が得られており、ただただ感謝あるのみである。

シルバー層に「忖度」した結果、凋落へ

 5年前の今頃(2015年)と言えば、新聞の紙面上では安全保障関連法の改正(駆けつけ警護など)やテロ予防罪(またの名を「共謀罪」)の設立をめぐり、与野党が激しくケンカしていた時期。紙面上では右と左に分かれて、イデオロギーをムキ出しにした論調であーだこーだ騒いでいたが、結局はどの法律も修正が入って成立。

 新聞社がココまで論調の違いで大きく分裂するのか、最初は疑問に思っていた。もちろん、主義主張は新聞社・通信社ごとに対応が異なるのもあるが、中立性を度外視した政治的感情ばかりを言っても、読者にしたら「朝日も読売も共同もナニを言ってるんだ???」と困惑するばかり。

 論調が過激化する理由は、政策面の話よりかは「読者層を繋ぎ止めるための、ある種の宣伝手段」という側面が大きく、根にあるのは深刻な読者離れである。どの新聞社・通信社も、政治的に2つの法律が重要であることは理解しているものの、これまでの横並び的な報道では、どの新聞も似たり寄ったりで勝負にならない。そこで、政治的感情が表に出しやすい中高年齢者をターゲットにした紙面作りにシフトし、敢えて紙面どうしでプロレス的な展開を見せることで、新聞の紙面を楽しみたいと考えるシルバー層相手にマーケティングを行っているのが現状である。

 現に、論調の違いで勝負を賭けた後も購読者(発行部数)は減り続けており、消費税改正が実施された2019年は、大手・地方紙・地域紙問わずに値上げラッシュとなった。以前も話をした通りに、たかだか300~500円程度値上がりしたところで、高齢者が圧倒的に牛耳る地方では「全然気にせんばい(笑」と言って喜んで購読してくれるものの、都心部であれば遠慮無く拒否されるため、結局は部数低下が加速。「軽減税率適用でどうにかなるだろう」という目論見も失敗に終わり、紙面の世界がどんどん二極化(注:論調ではなく、ヤル気)が進んでいるように感じる。

「空気輸送」の改善

 あまり細かいことは言えないが、実は今年から、夕刊配達が見直された。1週間のうち数日間は夕刊配達をしなくていい代わりに、配達範囲が極めて広大になっている。これは、私が5年前に入社した時に比べて大幅に配達軒数が減っており、空気輸送にも程があると店が判断したから。うーむ、こりゃあ夕刊そのものが取りやめになるのも、いよいよ現実的になったかなー、なんて思ったりする(汗)

 他店舗も配達員が極端なまでに減少しており、違う店舗から助っ人を雇ってでも配っているという情報も聞いている。ココまで来ると、もはや戸別宅配制度を声高に叫んでもシラケるばかりであり、配達員という「供給」が全くマッチしない過剰需要のもとでは直接・間接問わずに負担が大きくなるばかりである。

 

 フォローしてる小林氏の話でもあったが、今後は部数減による体力制乱闘に加え、それに伴う財政難が原因で足の引っ張り合いに終始するような展開になると見ている。既にその兆候は見え始めており、宅配制度の在り方を巡って「民主主義を守る」のか「あくまで商売なので売れたモン勝ち」なのか他、で色々と議論を呼びそうだ。

gdgd足を引っ張る展開でありながらも、何だかんだ言って今の仕事は楽しい。

 見出しのタイトル通りである。確かに宅配の将来を憂うことを仕事中に考えることはあるものの、実際に仕事をしてみると、実は想像以上に楽しいのある。仕事が終わった後のドライブや鉄道旅行は疲れるモノの、オフになった後は本来自分がやりたかったことを遠慮無く出来るし、何より疲弊しながらも「どんだけページ数減ったのかな?今日の東スポのヤバい所は~^^」みたいなのを楽しめるのも、今の仕事があってこそ。

 こうなったら5年目以降も、どんどん衰退して悪循環と足の引っ張り合いに終始する様子を生温かく見守りつつ、今年の目標である「もう少し東に進んでみる」という課題の達成へ向けて、ますます頑張ってみたいと思う気がしてきた。そんな感じで5年目がスタートしていった訳であります。さて、6年目はどうなってる?

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  • 作者:中島 義道
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2004/04/24
  • メディア: 文庫