日刊スポーツは、2023年4月1日付から紙面データの電子版配信を実施しており、発行日と発売日が同日の場合に限り、スマートフォン経由で紙面データを閲覧することが出来る。
これは値上げ効果もさることながら、即売の輸送体制見直しも見据えており、いわゆる早版地域(西部管内では鹿児島県・宮崎県・長崎県の一部・熊本県の一部)に対する配慮も兼ねて最終版の紙面データを配信することで、情報格差を緩和させるのが狙い。
福岡県内は最終版の「7西」が流通しているが、2023年7月11日は前日の九州北部豪雨により、道路崩壊などでインフラ網が寸断されている地域があることから、締切・印刷時間を繰り上げて「6西」が出回った。
早版(6西)の特徴は、何と言っても左端に「スマホで紙面が見れます!」と書かれ、そこに最終版の紙面データを閲覧可能なQRコードがベターッと載っている所である。7西(≒最終版)ではこの表現は控えめになっているため、編集体制・早版地域における輸送を見直していることを窺い知れる。
発行・発売当日に限り紙面データを無料で閲覧できるサービスは、スポーツニッポンでも導入されており、こちらも本体価格の値上げ後に施行されている。
ちなみに早版で送られる地域の紙面はというと、基本的には6版で固定されている。但し、今回のように「7版が出回るのに早めに輸送」となった地域に関しては、記事に応じて追いかけ表記をしているケースも見られた。
で、ここからは考察。紙面データの最新版を閲覧できるサービスをわざわざ導入しているのを見ると、配送・配達環境の改善を政府主導で行う、いわば「2024年問題」への対応も透けて見える。
実際、自分が住んでる地域は即売業者持ち込みが無くなり、変わって新聞販売店が即売業務の代行を行うように変更された。日刊スポーツは西スポの後継として、九スポ同様に結構売れてる方だが、地域によっては本来コンビニに納品されるはずのスポーツ紙銘柄が抜けていたり、即売を打ち切っている所も散見される。
現在は単に人口と売上に対してコストパフォーマンスが優れない所で社会実験的に導入されているものの、2024年以降は本気で即売が消滅してしまうと危惧する。そのためにも、今のうちから即売主体の売り捌きとは徐々に距離を置き、できる限り宅配のみに絞り込むことで、今後の顧客獲得も見据えているように感じる。
……本当か?
以上、電子紙面の話でした。