そらマメさん鉄道局・流通局

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毎日新聞の発行体制見直し

 毎日新聞は2023年5月1日付朝刊より、紙面制作体制を大幅に見直し、それまで各地域本社ごとに紙面作りを行っていたものを、地域問わずに全て東京本社基準になるように統一化した。これにより、社会面と地域欄・テレビ欄・ラジオ欄の部分のみ地域ごとに個別編集するほかは、原則として地域問わずに共通化し、コスト削減と確実な頒布体制の維持を狙う。

福岡県内であっても、紙面は「東京目線」。昨日の大雨災害の話も無視。
(トリ記者)九州産経かよ。

高齢者・社会運動家向けのコラムが大幅強化され、報道とは距離を置きつつある。

地域欄と社会面の部分のみ、東京・大阪・西部とで紙面構成を変更している。

 6月1日の値上げ以降は他紙と競合すべく、バチバチに取材を行う方針から距離を置き、多数の購読者層を誇る高齢者や活動家向けの紙面に路線を変更、読者向けのコラム・パズルゲームの強化を施している。

 夕刊に至っては、もはやオピニオンとコラムだけで構成しているようなもので、直近のニュースは電子版を使うように間接的に暗示する紙面体制になっている。図書館で別の夕刊を併読しているが、読売新聞や日本経済新聞は部数減に苦しみながらも、夕刊としての役割を堅持するためにしっかりニュースを伝えているのに対し、毎日新聞は重大ニュースが飛び込んできた場合を除き、その役割を半ば放棄しているように見える。……ヤル気なさそう。

 現在は表面的な部分のみ東京本社基準に合わせているが、お世辞にも毎日新聞の経営状況が宜しくないことを踏まえると、今後は現存する九州産経同様、全てが東京目線+地域欄もオピニオンに差し替え(地域情報としての新聞の役割を放棄)という可能性もあり得る。

【想定される、更なる見直し】

  • 地域欄の廃止(西部では北九州版のみ残すほかは、全て夕刊、またはサンデー毎日・電子版の「プレミア」シリーズから記事を引用し、地域情報を放棄)
  • 社会面の地域別編集を、全て東京本社管内の記事で共通化(地域情報を放棄)
  • テレビ・ラジオ番組表の廃止、または南九州版同様に1頁完結に変更(番組表のサイズは、NHKも含めて1/2~1/4サイズで調整)
  • 株価欄の掲載取りやめ(電子版に誘導)
  • 政治欄とオピニオン面の統合化
  • 経済面の廃止(社会面などに統合化)
  • 国際面の廃止( 〃 )
  • スポーツ面の廃止(但し、都市対抗野球高校野球のみ、特別掲載)
  • 「さらに読みやすい紙面に」とうたい、記事と記事の間のスキマを増やして、掲載量を削減
  • 締切時間を全国共通で午後10時頃のみとし、1回刷ったらそれで終わり。(建前としては2024年問題に対応)
  • 以上の政策を段階的に実施し、最終的には朝刊18~14p、夕刊6~4p完結をねらう。
  • なぜか生き残る「夕刊」

(トリ)……。「報道の毎日」じゃなかったっけ??

 ちなみに、地域欄の見直しに関しては、史実でも確実に起きている。南九州版では、宮崎県北部(延岡・日向市・高千穂など)に限り詳報を掲載するほかは、原則として地域情報の大幅縮小と、夕刊コラムの差し替えでやり繰りしている。また、4月1日から東海3県の夕刊が取りやめになったことで、地域欄の再編が発生した中京版でも、夕刊の記事差し替えを強化する形で地域情報が大幅削減となった。他の地域も追従は必至であり、「連日届くオピニオン雑誌」というのも、わりかし現実味を増している。