兵庫県内に流通している新聞を考察する話。
県版・統合版が複雑に入り交じる兵庫県の新聞流通事情
この前の新名神・四国島ドライブの際、神戸市北区にある淡河PA内のコンビニで兵庫県の新聞(神戸・全国紙)を買ったが、他県の地域欄が原則、1県につき1ページで完結という仕組みを採用していることから、兵庫県も同じだと思って購読した。
しかし、後になって気付く。「兵庫県は一枚岩じゃない」。
兵庫県はタテヨコに伸びる自治体で、昔の摂津・丹波・但馬・播磨・淡路の5ブロック体制で構成される。地域性や経済圏なども同一県内で完全にバラバラであり、それに伴って新聞の流通も複雑に入り交じる。こうしたことから、私が購読した「神戸都市圏」は、兵庫県全体でみればほんの一部に過ぎないことになる。
より詳しい県版・夕刊発行地域の実態調査は、ココナツ・チャーリイさんのブログに委ねるとして、ココでは単純に「阪神地域」「姫路・播磨」「但馬・丹波」「淡路島」の4地域で語ることにする。
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兵庫県の「県紙」は、神戸市に本社を置く神戸新聞社がそれを担っているものの、隣の大阪府と隣接した土地柄上、全国紙も幅を利かせている。順番にみれば神戸新聞と読売新聞がほぼ拮抗し、次いで朝日・毎日・日経・産経と続く。
- 神戸新聞:14S or 13▲
- 読売新聞:14S or 13S or 13▲
- 朝日新聞:14S△ or 14S or 13▲
- 毎日新聞:14S or 12▲
- 日本経済新聞:場所を問わず、14S~12
- 産経新聞:14S or 13▲
- 他にもコンスタントに地域紙があるが、ココでは割愛。
- 神戸本社:神戸市中央区東川崎町1-5-7
- 姫路本社:兵庫県姫路市豊沢町78
- 支社:東京・大阪・東播(加古川)
- 総局:阪神(西宮)・北播(加東)・北摂(三田)・明石・淡路・丹波・但馬(豊岡)
- 支局:西神・北神・たつの・宍粟・神崎・相生・赤穂・佐用・三木・加西・西脇・小野・津名・南あわじ・丹波篠山・養父・香住・朝来・浜坂
- 印刷工場:神戸市西区・西宮市・姫路市など
- 神戸総局:神戸市中央区栄町通1-2-10
- 支局(阪神・三田・姫路・豊岡・洲本)
- 通信部(明石・三木)
- 神戸支局:神戸市中央区栄町通4丁目3-5
- その他の支局:阪神・淡路・豊岡・篠山・姫路など
神戸市に本社を置く新聞社。1898年2月11日に、当時の財界人だった川崎正蔵氏によって創立されたのがルーツになっている。最初の12~14日だけ休刊したことがあるが、それ以降はずっと同じ題名で発行され続けている。1931年に他の新聞社と合併した程度で、戦時中の一県一紙体制を経験したことがない。
1995年に阪神・淡路大震災が起きた時は本社ビルが全壊し、新聞の紙面製作が全く出来なくなる事態が生じたものの、事前に京都新聞と業務提携をしていたことや、状況を知った他の通信社・新聞社も応援に入る形で無休で新聞を発行し続けたエピソードは、あまりに有名である。
地域欄
前述の通りに、地域によって異なることから、地域欄の部分は発売・宅配しているエリアごとに大きく異なってくる。
【エリアごとの地域面構成(おおまか)】
※▲印は統合版。但し、合併前の旧・姫路市内などではセット版が流通しているという情報も。
神戸新聞の仲間「デイリースポーツ」
神戸新聞のスポーツ紙は、例の阪神タイガース御用達のデイリースポーツだが、かつてはスポーツ紙を発行する部署が独立した会社として分離していた(2010年に神戸新聞社と合併)。また、一時期は夕刊としてのデイリースポーツを発行していたこともある。
デイリースポーツが阪神ゴリ押しで「ブレないデイリー」の異名を持つ一方で、本体の神戸新聞の方では阪神タイガースの話題は客観的に留まっている。社会的な話は神戸新聞(+共同電)、阪神の話はデイリーで、という形だろう。
【エリアごとの印刷・発売箇所】
カープの情報を優先する広島印刷版の場合は中国新聞社に委託していることもあり、中国新聞の販売局サイトでは、ついでにデイリースポーツも取り扱っている。また、JR線のセブンイレブンや高速道のSA・PAで中国新聞が即売されている場合、大抵は隣にデイリーもある。
全国紙
大阪府に近い阪神地域では独自の紙面構成になることもあるが、基本的には1~2ページで地域欄が完結している。
番組表
番組表はNHK2局が先に来て、次にテレビ大阪を除く在阪4局に対して、チャンネル番号の若い順番に並んでいる。神戸新聞の傘下にあるサンテレビは右寄りの場所に設けられ、阪神地域では直接受信が出来るテレビ大阪がその隣に配備される。
阪神地域では特に在阪民放で困ることはないが、姫路や但馬・丹波などではテレビ大阪が受信できない。また、大人の事情でサンテレビでテレビ東京の番組を時差ネット出来ないことから、どうしてもテレビ東京の番組を見たい場合は、ケーブルテレビの加入が必須になる。
全国紙の番組表に関しても、在阪局のルールに沿って「チャンネル番号の若い順」に並んでいる。
新聞の第1テレビ欄
神戸新聞・全国紙、是非とも兵庫県の隅々まで行ってみたい
今回は何も知らずに、手当たり的に神戸・明石・阪神地域の新聞だけ手に取ったが、兵庫県のエリアのデカさに気付いた以上、ココは一つ、兵庫県内を隅々まで旅行してみたい気分になった。なので、この記事は、現段階では「仮公開」ということにする。