旅名人の九州満喫きっぷを利用した、いわゆる「国鉄戦力外路線」を完全乗車するという試み。最初に選んだのは、佐賀県有田町から伊万里市・松浦市・平戸市を経て、長崎県佐世保市に至る「MR松浦鉄道」に挑戦してみた。
今回は時間短縮を図るため、予め、博多⇔佐世保の2枚きっぷを購入。そして7時台の電車で一気に有田駅へ近づこうとしたところ、肝心の特急みどり・ハウステンボス号が朝8時台にならないと出発しないという事態に遭遇。ここでも2018年のJR九州大幅ダイヤ見直しの波を食らっている。仕方が無いので鳥栖駅から乗車して、途中の肥前山口駅から先は普通の電車で移動することに。
このまま普通列車で有田駅へ向かっても良かったのだが、せっかくなので武雄温泉駅で途中下車してみた。
武雄温泉駅といえば、そう!今、悪い意味で話題沸騰中の長崎(西九州)新幹線の暫定起点駅。在来線側のホームを見ていると、かつての新八代駅で見られた「リレー方式で乗り換え」が出来るような構造になりつつあった。佐賀県と長崎県、政府・国土交通省・JR九州にしたら、完全なドロ沼状態に陥って先の見えない議論をgdgdと行っている訳だが、やっぱし一介の客にしてみたら、乗り換え時間がたった5分程度しかない状況下でリレーやってる場合か!と言いたくなる。
理想としては「佐賀県側が妥協して、構想通りに新鳥栖~肥前山口の上空に新幹線を作る」か「長崎県側が折れてスーパー特急方式に降格」かのどちらかになるが、だからソレが嫌だから揉めてるわけであって……と言うのが今の惨事なのです。
武雄温泉駅は特急列車に限れば、概ね1時間に1本程度の割合で「みどり・ハウステンボス号」が停車するが、普通列車だと軽く1時間半~2時間に1本というシビア過ぎるダイヤになる。つまり、佐世保線は実質的に特急専用。露骨なJR九州の特急至上主義が目に見えているが、逆を言えば特急以外の駅は需要が殆ど無いに等しいローカル駅でもある。武雄温泉駅で1時間近く暇つぶしした後は、再び普通列車に乗って有田駅へ。
有田駅を短時間で見学した後、ここで入場券を買おうかとしたが、待機している松浦鉄道の列車が5分後に発車するとあって、断念。接続時間を出来るだけ短くするのは、客の便宜を図る上では重要なことだが、ゆっくりと見学しづらいのもアレですわ。
8時55分頃の松浦鉄道の列車で、いよいよ初めてのMR線へ。9月に満喫を使った時にもMR伊万里駅を利用したことはあったが、あくまでもホームに立ち寄っただけで、正式なMR乗車は今回が初めて。1両編成のワンマン列車だが、朝9時台の割には十分にクロスシートに座れる程の客層だったため、この程度の分量で十分なのだろう。通学客はどう思っているのでしょうかねぇ?
MR線の駅名標はMR伊万里駅レポートにもある通り、JR九州の駅名標とほぼ同じ。国鉄分割民営化後、約1年間はJR九州が暫定的に受け持っていたため、その時に国鉄タイプからJR九州風のモノに交換されたのだろうか?全く交換されておらずにボロボロの状態をずっと使い回ししている様子。
9時20分頃にMR伊万里駅に到着。JR九州側の伊万里駅は9月の満喫きっぷ利用時で到着済み。コレでMR・JRどちらもちゃんと鉄道利用で伊万里にやって来たことになる。MR伊万里駅はスイッチバック方式になっており、同一列車でそのまま有田⇔佐世保を運行しない。そのため、実質的に途中下車。佐世保行き10時7分発の列車まではしばらく時間があるため、この間にコンビニなどに立ち寄って、食糧調達や情報収集などを済ませた。
さあ、いよいよ松浦鉄道最大の鬼門区間である「たびら平戸口」を目指すぞー!
(続く)