そらマメさん鉄道局・流通局

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産経新聞(大阪目線)を読んでみた

 産業経済新聞社は、首都圏中心に取材拠点とする「東京本社」と、京阪神を中心とする「大阪本社」の2つの地域本社がある。九州・山口で流通している産経新聞は、大阪本社の中の一組織である「西部本部」が担当しており、大阪産経の管轄でありつつも、紙面の構成は東京本社をベースに九州・山口向けにカスタマイズしている。ただ、九州産経は印刷時間が極端に早い「11版」が流通しているため、速報性よりも東京本社をベースにした読み物主体で構成しているのが現状である。

 では、その「大阪本社」が発行し、大阪市内で流通している産経って、どんな感じなのか。バックナンバー取り寄せで確認してみた。

基本的には「大阪の新聞」

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6月6日付の「大阪目線」の産経新聞

 基本的な論調は東京の産経と同じだが、紙面構成に関しては大阪を基準とした京阪神向けの話題に終始している。6月6日付朝刊は、東京産経と九州産経では天安門事件から31年の話が一面トップだが、大阪産経では産業経済新聞社主催の将棋大会で、藤井七段が最年少タイトルに挑んだ話が一面トップになっている。

 また、東京産経・九州産経の一面では東京・歌舞伎町の客の出入りが増えつつある話がある一報、大阪産経では兵庫県宝塚市で起きた殺傷事件の話が右下の方に掲載されており、東京目線の話は極力表に出さないように工夫されている。

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九州産経(≒東京産経)と大阪産経を比較。上が九州・東京産経、下が大阪産経。

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大阪産経と、大阪産経の下位組織である「西部本部(九州産経)」の連絡先。

 バックナンバーの送付は東京産経と大阪産経では扱いが異なるものの、在庫として保管されているのは大阪産経では大阪市内版のみとなっている。そのため、必然的にJR大阪駅などで流通している最終版(14S)となっており、九州産経と違って印刷時間はかなり遅めになっている。

地域面

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大阪市内版の地域面。大阪市内(大阪府北部を含む)の話がメイン。

 九州産経ではオマケ程度にしかない地域面も、大阪産経では3ページにわたって地域面が構成されている。元々、産経新聞のルーツが大阪にあった経緯から、京阪神エリアに関するローカル情報が極めて充実しており、県紙が存在しない大阪府においては、大阪産経が実質的な県紙の役割を果たしている。

 このため、全体的なシェアで見れば読売・朝日よりも少ないものの、大阪府内に住んでいる人からみれば、潜在的に大阪産経を購読・支持する層は結構多いように感じる。

テレビ欄

夕刊

 産経新聞の夕刊と聞くと、「ああ、夕刊フジね」となるところだが、大阪産経には東京・九州産経にはない、独自の夕刊が設けられている

 大阪産経の夕刊は他とは異なる事情があり、元々存在していた「大阪新聞」がルーツとなっている。拡販競争の末、大阪新聞は産業経済新聞社編入される形で消滅したものの、元々の大阪新聞が夕刊として発行していた経緯から、現在でも夕刊発行を継続している(日本一遅い夕刊という異名を持っていた大阪新聞の要素は、同じ夕刊紙の夕刊フジでも活かされているという)

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大阪産経の「夕刊」。夕刊フジではない。

九州人が見た感想

 産経のルーツが大阪とは聞いていたため、実際にどんなものか一読してみたい気持ちはあった。確かに中身は産経新聞そのものだが、東京・九州のように極端に尖ったタカ派的なイメージがあるのに対し、大阪産経は「あくまでも大阪庶民の新聞(県紙)」といった具合で、そこまでギドギドした印象は感じられなかった。

 東京と大阪がココまで雰囲気が違うのを見ると、何だか別物のように感じるが、微妙に違うからこそ産経新聞の良さがあるのだろう。