2021年3月のJR九州のダイヤ見直しで、きっぷうりばを持つ有人駅が無人化、あるいは極端な時短に変更するように変更された。完全無人化、あるいは簡易委託駅に切り替わった所はともかく、極端な時短・緊縮化した駅ではどうなっているのかというのを軽く紹介。一例として、羽犬塚駅を取り上げる。
羽犬塚駅はみどりの窓口を併設する有人駅だが、ダイヤ見直し後は朝7時30分~正午までに時短化されている。きっぷうりばが閉まっている時間帯ではインターネット予約きっぷが受け取れず、隣の筑後船小屋駅か、JR久留米駅まで一旦移動し、そこで出場した後で改めてきっぷ手配をすることになる。「そこまでの運賃は別負担かよ!」って話だが、そうである。
他のJR各社、取り分け西日本管内では強制的に窓口を閉める代わりに、オペレーターと通話しながらきっぷの手配が出来る、アシストマルス対応指定席券売機(いわゆる「みどりの券売機・みどりの券売機プラス」)と置き換える形で窓口業務を疑似的に継続しているが、JR九州は無関心に近く、主要駅できっぷの受け取りを行うように指示している。羽犬塚は筑後・八女方面の客層が大半を占め、昼間でもそこそこ客の出入りがあるが、3月の訪問地点では指定席券売機は一切導入しておらず、今後も導入の見込みはない模様。
自動改札機はしっかり稼働しており、香椎線・若松線にみられる改札機の中途半端な稼働(ICカードしか機能しない・常時開いてる・磁気券はそのまま通過、実質ハコ物状態)にはなっていない。一方、係員不在時は不足賃の支払いや忘れ物報告などが基本的に行えず、出口通路付近にある改札口コールシステムで遠隔対応することになっている。
といっても他のJR会社のように、窓口は廃止されても出札業務はしっかり実施したり、車内改札の徹底あるいは抜き打ち検査、ワンマンカーでも車掌が乗ってきっぷチェックといった、利用者の利便と公平性さを守る姿勢が殆どないため、明らかにキセルしまくりな環境になるのでは……?と勘繰ってしまった。
入場券と初乗りきっぷを購入して車内に入ってみた。話題の813系が停車していたが、例のごとくイスがドア部分を中心に撤去されていた。JR九州は「ご理解いただけたので全部撤去」という考えであるため、将来的にはイスも何も無い、ガチの立ち席のまま移動ってことになるだろう。辛そう~(1世代前の811系・国電415系の方がまだマシに見える)。
とまあ、駆け足で巡ってきたが、もうここまで来たらターミナル駅以外、窓口完全廃止で良いんじゃないんですか?それでキセルが相次いだら潔く鉄道事業から撤退し、鉄道跡地を使ってビル・マンション経営でもすれば生き延びそうですし。JR九州自ら「鉄道会社と思うなよ、ウチは不動産屋だ」と主張しているあたり、近い将来そうなってそう。