そらマメさん鉄道局・流通局

鉄道旅行・新聞の流通考察・雑談がメイン。

徳島新聞のストライキ騒動を見て思ったこと

www.asahi.com

 単に編集部署をアウトソース化するだけで、紙面制作そのものが出来なくなるわけじゃない。にも関わらず、製作スタッフの賃金が減らされるという主張のもとでストライキを起こすなど、何だか考えが子供っぽい。

 日本の新聞は宅配サービス業であり、別にジャーナリズムを追求した、よりよい紙面作りを行うことばかりが全てではない。編集部署を含めた取材記者は「紙面が止まれば民主主義が~」なんて言いそうだが、販売店・販売部署の視点で見りゃ、年寄りや活動家から配達の苦情が入るだけで、「あ、今日は臨時の休みか、ラッキー★」と思う程度。そういうことだぞ

くそださい。なえる。

 品質あるジャーナリズムとは、別にペンで世の中を救うことばかりではない。取材・編集に留まらず、売りさばきや販売店フランチャイズ店)の経営をアシストする販売局・販売部署の力も必要だし、チラシ製作・配布を行う会社、印刷工場と輸送業者、不動産業やイベント事業部署による収益確保など、ありとあらゆる所から軍資金を集めて、ようやくデキの良い紙面に繋がる。ペンだけでは世の中は救えないし、メシも食っていけないんだよ

 ちなみに、編集部署までアウトソーシングではないものの、ほぼ外部委託・発注扱いにしている新聞社は普通にある。一報を伝えた朝日新聞も、2016年から段階的に編集業務を外部のメディアプロダクション社に委託しているし、我が地元紙の西日本新聞も、2021年から段階的に外部委託している。読売新聞・毎日新聞産経新聞日本経済新聞も。徳島や朝日も含め、そうした新聞制作や外部事業が次々と分社化・委託化されていった時、ちゃんと反対声明とか抗議活動とかしてきたか?(全然印象にない)

報道・調査会社としての朝日新聞社は直営だが、それ以外の業務は委託。
昔は珍しかったが、今はそれが普通。

 紙媒体の需要が今後も減ることが見込まれる中で、いつまでも聖域として編集が生き残ることは難しい。となると、法人としての新聞社は、将来的には一銘柄のみの編集委託から、複数の銘柄(自分たちの新聞とは全く無縁なものまで含める)をまとめて委託する方針を採用せざるを得ないだろう。

 まあ、自分は配達の身分でしかないので、この辺どうなろうが知らんということで。無理して連日発行みたいにせず、配送の立場も考慮して、週一レベルで休刊日とか設定すりゃいいのにね。(シラケ)

日経MJの購読料見直し(日経各種の購読料一覧表つき)

www.nikkei.comfuwafuwaame.hatenablog.com↑の話も参照。

 日本経済新聞社は、流通・マーケット情報に特化した業界紙日経MJ」(日経流通新聞)の購読料を、4月1日付から見直す。日経本紙同様、新聞発行に必要な用紙等の原材料費が高騰していることへの対処。

  • 宅配 2,300円→2,800円(△500円)
  • 即売 200円→250円(△500円)

 日経の姉妹紙・日経産業新聞は3月下旬を以て廃刊になるが、MJは流通・営業職を中心に一定の顧客層があるため、値上げする形で続投という結果になった。いったいどこで運命が分かれたのだろうか。

霊夢「残すはヴェリタスか。どうなるんだろ?」
魔理沙「九州で駅売りしている光景とか見ないぜや……」

日経各種、購読料金を一覧化したものです。

選択と集中 スポーツ紙編

 東スポの「出走馬確定の金・土に限り、即売価格を値上げ」というあたり、もうスポーツ紙の未来は決まったようなもの。定期購読は高齢者、一部買いしていくのは公営競技ユーザーが主体であることを踏まえると、全銘柄下記の紙面で構成するのが潔い。

【紙面に掲載すべき項目】

  • プロ野球(日本のプロ野球高校野球大谷翔平さんらがいるMLBのみ)
  • 競馬・公営競技(週末は特に増ページで強化)
  • 政治(社会面と統合化した上で、増ページを図る)
  • ○場所開催時は、大相撲の取組結果も載せる
  • それ以外の項目は廃止。

【電子版に移行すべき項目(紙面には載せない)

  • 芸能
  • 社会(一部を除く)
  • 野球・公営競技・大相撲以外のスポーツ
  • 小ネタ読み物など

【有無を問わずに廃止】

  • アダルト面(年寄りはその程度じゃヌかんし、それ目当てで即売を買っていく人は皆無)

 4月以降の紙面改造で検討して頂きたい。

【世界のお金】 フィリピン・ペソ

フィリピン・ペソ(500ペソ)・おもて

フィリピン・ペソ(500ペソ)・うら

 フィリピンの通貨は「フィリピン・ペソ」が使われている。

 「ペソ」という通貨は、元々は旧・スペイン植民地で多く使われていたもので、フィリピンも1565年から1898年まではスペインの植民地支配を受けていた。その後、アメリカがフィリピンを支配すると、アメリカ・ドルと連動するフィリピン・ペソが導入されるも、第二次世界大戦中に日本軍によってフィリピンが占領され、通貨の価値がなくなってしまう。1946年に独立するも、戦後しばらくは経済的な混乱が続き、中央銀行設立後も非常に不安定な状態が続いていたという。

お札の種類

 現在のフィリピン・ペソは、1ペソを100センタボに分けて価値を計算する。

おもて

  • 20ペソ:マニュエル・ケソン(独立準備政府・初代大統領。1937年にタガログ語を国語と定めたため、「フィリピン語の父」とされる)
  • 50ペソ:セルヒオ・オスメニャ(フィリピン大統領・フィリピン自治領大統領・セブ州知事
  • 100ペソ:マニュエル・ロハス(フィリピン自治領大統領・フィリピン第三共和国初代大統領)
  • 200ペソ:ディオスダド・マカパガル(第9代フィリピン大統領。「庶民の擁護者」。スペイン帝国からの独立を一方的に宣言し、独立記念日を6月12日に変更したことで知られる)
  • 500ペソ:ベニグノ・アキノ・ジュニア上院議員・タルラック州知事など。独裁政治を敷いたマルコス大統領時代に暗殺される)、コラソン・アキノ(フィリピン第11代大統領。マルコス大統領時代の民主化運動家)
  • 1,000ペソ:ホセ・アバド・サントス(フィリピン独立準備政府最高裁判所長官。日本軍侵攻時は大統領代行も兼任)、ビセンチ・リム(日本軍侵攻時に活躍した将軍)、ホセファ・リャネス・エスコダ(女性解放活動家)

 1,000ペソに描かれた人物は、旧・日本軍の仕業で全員処刑されているが、その後にフィリピン独立化を目指した経緯があり、多くのフィリピン国民から高く評価・支持されている。20~50ペソは独立運動の過程で活躍した当時の行政の長が表面の顔に対し、唯一、1,000ペソだけは反日的な考えが色濃く滲み出る様子が窺える。

魔理沙「今は日本とフィリピンは仲直りして国交正常化が進んだけど、当時の第二次世界大戦中にフィリピンを侵略した経緯を知ると、最高額がソレってのはなかなか堪えるぜ」

うら

  • 20ペソ:バナウェの棚田・ジャコウネコ
  • 50ペソ:タール湖、タール火山、ジャイアント・トレバリー
  • 100ペソ:マヨン火山・ジンベイザメ
  • 200ペソ:ボホール島・チョコレートヒル・ターシャ(メガネザル)
  • 500ペソ:コオオハナインコモドキ、プエルト・プリンセサ地底河川国立公園
  • 1,000ペソ:トゥバタハ珊瑚自然公園・サンゴ礁・南洋真珠

 裏面は現在のフィリピンに住み着く生物や、主要観光地を描いている。元々が島国の集合体であるため、自然豊かな景観スポットをアピールする様子が窺える。

入手

 このお金は天神の某両替店で入手したもので、店の人からも「あ、趣味で集められてるんですね~。意外とそういう人多いですよ?」とスグに察して下さった。基本的には外国人留学生が日本で労働する際に、フィリピンと日本との間でお金のやりとりをする時に使われる様子。

finance.yahoo.co.jp 気になるお値段だが、1ペソは日本円で約0.37円(2024年3月4日執筆時)。例の両替店は500ペソ札しか扱っていなかったため、執筆段階で両替してもらうと、約1,343円前後で取引してくれる。

これを安いと思うか、高いと思うかは……。あなた次第。

東京スポーツの値上げ・紙面見直し

4月競馬確定面が大ボリュームアップ!!
中間時計&1週間前追い&全36レース出走馬コメント完全掲載……
東京スポーツ新聞社・社告 / 2024年3月1日付)

 東京スポーツ新聞社は3月1日付の社告で、東京スポーツ大阪スポーツ中京スポーツの購読料を大幅値上げし、金曜日・土曜日の発行時に競馬面のページ数・分析予想記事を大きく改善する形でページ数を見直す方針を明らかにした。朝刊として発行している九州スポーツは、当面、購読料を据え置く。

東スポ・大スポ・中京スポ

  • 宅配:4,200円→4,800円(△600円)
  • 即売:
    (月曜~木曜)180円(据置)
    (金曜・土曜)250円(△70円)

九スポ

  • 宅配:3,900円(据置)
  • 即売:160円(据置)

魔理沙「250円で買える、安い "競馬専門紙" か(笑」

 社告にもある通り、中央競馬開催前の金曜日・土曜日の地点で出走馬が確定するため、中間時計・前追い・出走馬の詳細な分析を掲載。それに伴って、金曜・土曜(九スポは土曜・日曜)のページ数が微増される反面、それ以外の平日は紙面構成を見直す。

 東スポをはじめとした夕刊紙は、昨年の原材料費高騰に伴って値上げしたばかりであり、僅か1年で大幅値上げに踏み切らざるを得ない状況が続いていることから、選択と集中で競馬・公営競技にリソースを置き、それ以外の企画モノやスポーツは縮小傾向になるものとみられる。競合紙の日刊ゲンダイ夕刊フジも追従するか、注目が集まる。

霊夢大谷翔平さんの婚約はめでたいことだけど、横並びかつ執拗に報じる案件なの?」
魔理沙「野球じゃないと客が釣れないというマインドで苦しむスポーツ紙」

 もとより、直近の九スポ東スポ)は、大谷翔平選手の話ばかりしており、日本のプロ野球やプロレス・UFOネタなどの話は大幅にフェードアウトしていることから、東スポがレガシーを追っ払って競馬・公営競技専門紙として独立するのは時間の問題である。他の朝刊スポーツ紙も、いつまでも野球ばかりで乗り切れるかは疑問である。

新聞社めぐり (5) 熊本日日新聞社

 熊本市中央区には、熊本県内の取材及び、県紙を発行している熊本日日新聞社がある。市内の郵便局めぐりのついでに企業訪問してみた。

熊本日日新聞社

 戦前に存在した熊日のルーツとなる旧・九州日日新聞社時代を経て、1981年に現在の中央区世安町に移転。それまでは中央区上通に社屋を設けており、現在は熊日会館として複合型多目的施設に転換されている。同一の敷地内にビルが3つあるが、元々は現在の1号館に相当する部分を利用して、紙面制作・印刷などを行っていた様子(1999年に本社機能を世安町と統合)。

 ココで熊日を一部買いしてみた。明確に売りさばきを行う部署があるため、領収書も熊本日日新聞社名義になっていた。

本社で購入した時の領収書

 新館の設立に伴い、それまで取材・紙面制作等に使っていたビルは関連会社が使用しているが、5階には熊日の歴史を司る「新聞博物館」が設けられている。現在のデジタル紙面編集を行う前、要するに活版で紙面を作っていた頃の部品や機械などが展示されており、昔は結構人力作戦だったんだね~と関心深く拝見させて頂いた。

新聞博物館に展示されている、いにしえの印刷機の一部

活版を使うに必要な活字棚(いわゆるスタンプ)

 訪問時は歌手の八代亜紀さんを追悼する展示企画が実施されていた。熊日にもちょくちょくと郷土を想う記事があり、それを回想するという内容だった。