そらマメさん鉄道局・流通局

鉄道旅行・新聞の流通考察・雑談がメイン。

ガンジツスゴクオモイシンブンの見直し案

 能登半島地震が元日に起きたことで、新聞業界としては一番そうなっては困る事態(翌日が休刊日・法人としては年末年始休み・記者や編集部はローテーションによるシフト勤務・販売店にしたら新聞を輸送できない地域が生じた、あるいは伝えたくても伝えられない・道路が寸断されて輸送不能etc)が発生してしまった。

 前例主義の日本の新聞業界が今更見直すとは考えにくいが、今後は元日の特別紙面発行と、それに伴う1月2日合同での休みは変更となるんじゃないかな。

 報道・調査の視点では能登半島地震の追悼と震災の記憶を伝え、販売・輸送の目線では昨今の販売部数・広告収入の減少などでページ数の削減が続き、とてもじゃないが元日特別紙面で乗り切ろうという状態にない(地元に根回しした所は大量ページだが、そうでないところは脆弱すぎる)。だとすれば、「報道の重要性」と「多様な生活環境への対応」などと言い切り、正月三が日にも通常体制で発行・供給する方が潔い。夕刊が存在する地域は、年末年始も通常通り発行。

 以前は春の大型連休が終わったら、その翌日が休刊日に設定していたが、購読者がジジババと活動家にほぼ固定されている状況下では、連休に対する広告を打ち出した所で効果は皆無。そうした事情から、GW明けの休刊日を見直して、第3月曜日に移動している。

 元日も正月三が日はそれなりにページは多いものの、よくて最大40ページ、別刷りは年末年始にスライドさせて分散、必要ならば夕刊記事として反映し、第3月曜日を休刊日にすればいいじゃん。供給は絶望的な人手不足なのに、熱心に新聞を読み、鵜呑みにして真に受けるシルバー民主主義助長アイテムとして、ジジババ・活動家からの根強い需要がある限り、見直したところで購読者は大喜びするだけだと思う。まあ、配達員にしたら苦行でしかないのだが。。

 

 話は異なるが、すっかり年寄りと社会運動家・活動家のための新聞に成り下がってしまい、ある種の「遊び場」みたいになった感がある。これがホントの「大人のおもちゃ」(

???「お前は何を言っているんだ」

デイリースポーツのページ数見直し

 いわゆる阪神タイガースファン御用達のデイリースポーツ(神戸新聞社)は、昨年の購読料値上げ以降、ページ数を約1割ほど削減しており、公営競技の試合が少ない時は最低18ページで推移している。これは他のスポーツ紙でも同じだが、一番の特徴は「おとなのパラダイス」(いわゆるアダルト面)が消滅した所である。2023年11月30日付で終了した様子。

 別の方からの情報で、いつの間にか「おとなの~」が消滅していたと聞いたので、この前の四国ドライブの時に一部買いして読んだ所、確かに例のページが無くなり、浮いた部分で公営競技の情報を無理やり押し込んでいるように感じた。

 アダルト面の存在は、即売で購読する中高年の男性層をターゲットにワザと掲載している側面が強く、廃刊になった西日本スポーツも、昭和から平成中期までは、普通に大人のページが載っていた。今のご時世、即売ですら平積み山積みの状態が普通で、コンビニに仕入れた部数がそのままの形で即売業者・新聞販売店に送り返される始末なので、それだったらいっそのこと廃止して、少しでもコスト削減に努めた方が理に適うという経営面での判断なのだろう。悲しいが、女性の人権問題やジェンダーとは全く無関係である。

大阪本社版のサンスポは今も残る

 ちなみに、大阪本社版のサンスポを購読してみたが、こちらは2024年2月13日地点では普通に生き残っていた。ただ、東京本社版のサンスポは「おはよう」のページが消滅していたため、折を見てデイリーに追従するものとみられる。アダルト面が掲載されているスポーツ紙・娯楽紙は、スポーツニッポンサンケイスポーツ夕刊フジ日刊ゲンダイ東京スポーツ(大スポ・中京スポ・九スポ)の5銘柄。

 休刊日版(臨時即売)のデイリー・サンスポを一読したが、休刊日プレゼントという独自の読者サービスを行っている。これは西部本社管内では見かけないため、即売・夕刊文化が色濃く残る関西ならではの新聞事情なのかもしれない。

新聞社めぐり (4) 毎日新聞西部本社

 北九州市小倉北区には、毎日新聞の地域本社である毎日新聞西部本社」が立地している。ここは九州・山口向けの取材・販売などを統括的に行う地域本社で、別の方からバックナンバーのお使いを頼まれていたため、郵便局めぐりをする過程で立ち寄ってみた。

毎日新聞西部本社(北九州市小倉北区紺屋町)

またの名を "紺屋町"

 北九州にルーツを持つ朝日新聞・読売新聞が、戦後になって福岡市に本社機能を移転したのに対し、毎日新聞は現在でも小倉に本社機能を残している。これは「在福の新聞」でも紹介したが、今の北九州市を発足するにあたり、西部本社がかねてから「一つの街」を主張・根回しにしてきた経緯から、福岡に移転することで地元を捨てることはしていない。但し、ここも朝日新聞と同様に「登記上の本社は小倉」という程度に留め、福岡県内における総合的な取材は後述の福岡本部に託している。

報道機関としての毎日新聞西部本社玄関は、正面ではなく背面にある。

以前よりかは本社機能の要素は薄れたが、それでも未だに「北九州の新聞」と位置づけられている。

 来社して、朝刊とスポニチを購入してみた。朝日新聞と異なり、毎日新聞は明確に新聞の売りさばきや販売に関する統括業務を行う部署が入居している(実際のフロアには向かえず、1階の受付嬢から呼び出して貰う)。要望通りにしっかりと丁寧にバックナンバーの購読ができた。お忙しい中、対応して頂き、ありがとうございました(ペコリ

毎日新聞朝刊の領収書

スポニチの領収書(紺屋町)

スポニチの領収書(福岡天神)

 毎日新聞西部本社ビル(毎日ビルディング)は、一部のフロアで毎日新聞の報道調査・販売・グループ会社・RKB毎日放送北九州支社等が入居しているが、他は貸しテナントになっており、1階部分は北九州市商工会議所が使用している。やはり地元・北九州とのご縁があるからなのだろうか。

毎日西部会館に入居するテナント(2024年2月地点)

商工会議所。報道機関……だよね?

なるほドリ「久々の里帰り、楽しかったです」(語彙)

 ちなみに、福岡天神にも取材拠点があり、そちらは毎日新聞西部本社・福岡本部」として、福岡・筑後・佐賀エリアの取材・販売業務などを行っている。こちらは西鉄イン福岡(ビジネスホテル)の一部を借りており、北九州のソレと比較すると規模は小さい。

西部本社福岡本部

新聞社めぐり (3) 朝日新聞西部本社

 小倉城の隣にはリバーウォーク北九州があり、様々な商業テナントが入居している。それとは別に企業のオフィスとして使用する部分があり、8階に朝日新聞西部本社がある。案内板では申し訳程度に来社を示す案内こそあるものの、実際にはそこに到達することは難しい。

朝日新聞連絡口」という所から入るものの、新聞社がどこに入居しているかまでは説明がない。

西部本社は8階にあり、九州朝日放送の北九州支社も入居している。

 実際に来社しても、報道機関という性質上、硬い扉で覆われているのは当然として、インターホンで趣旨を伝えても「売りさばき業務は行っていませんので……」とガードマンが丁寧に説明してくる。

 かつては現地でのバックナンバー売りさばき業務も行っていたようだが、朝日新聞社(グループ全般)の方針で取材・販売業務の見直しが実施され、単純に北九州地区の取材のみに特化しているとのこと。博多駅前にある例の福岡本部も同じとみられる。それを踏まえると、西部本社いえど、あくまでも「登記上の本社」という位置づけに過ぎないようだ

 ちなみに、肝心の朝刊はというと……。【ノーコメント】

霊夢「で?だから何?な記事やなwwww」
魔理沙「不正献金じゃなくて、あくまでそうして欲しいという "請願" 級の話。そんなもん誰だってあるぜや」

 リバーウォーク北九州には、他にもNHK九州放送も入居している。なぜ同じ県内で2つもNHKの演奏所があるんでしょうかねぇ……。

受信税関連で絡まれそうだった(大嘘)ので、外観だけで。

新潟日報「おとなプラス」廃刊+購読料値上げへ

www.sankei.com 新潟県を発行地域とする地方紙・新潟日報社は、2月5日付の朝刊社告で、実質夕刊の「おとなプラス」の発行を2月末で取りやめ、翌3月1日から朝刊単独料金を値上げする形で統合化することを発表した。

鳴り物入りで始まった、夕刊の代替「おとなプラス」

 元々、新潟日報の夕刊は、2016年10月31日付までは通常のセット体制だったが、11月1日からは朝刊と分離し、別途購読を可能にする形でタブロイド判の流通を実施したもの。中身は夕刊そのままだが、一面から最初の方は新潟県内ゆかりの話や、グルメ・タウン情報といった地域性に富んだ情報を最優先に持ってくることで、朝刊のストレートニュースとは区別を図る狙いがあった。

 おとなプラス発行には県内の読者に試し読みしてもらい、チューンアップする形で新装開店したものの、結局は夕刊の需要低下に加え、昨年からの材料費高騰でトドメを刺され、廃刊することに。写真にあるおとなプラスは、フォロワーさんから頂いたもので、中面はBSチャンネルの番組表がフルサイズで載ってるのが印象的だった。

 朝刊の統合に伴い、おとなプラスの要素は朝刊に継承すると共に、朝刊+おとなプラス購読者は購読料を引き下げる。一方、もとから購読者が多い朝刊単独に関しては、600円値上げして4,000円にするため、セットだろうが統合だろうが、大幅な負担増を強いることになる。

霊夢「新潟は北陸なのか微妙だけど、取りあえず北陸と一緒くたにしたわよ」
魔理沙タブロイドで夕刊の代替とは挑戦的だったな。結局、需要低下+紙代値上げでトドメ指されたか」

日経産業新聞、廃刊へ

ビジネス情報「早く」「深く」 本紙・電子版を刷新
日本経済新聞社 2024年2月1日付社告)

 日本経済新聞社は、2024年2月1日付の日本経済新聞朝刊で、姉妹紙で産業専門紙の日経産業新聞を3月29日付を以て廃刊とする社告を発表した。今後は電子版での運用を前提に、産業情報を日経本紙と実質統合化する方針(そもそも、発行部数を提示せず、推定読者数だけで算出している地点で怪しいのだが)

自宅に残る日経産業新聞

 かつては九州でも博多駅などを中心に日経産業新聞を一部買いすることが出来たが、ここ最近は日経専売店、あるいは委託店で無ければ購読できず、その販売店でも直接購入が出来ない(予備紙がない)状態が続いていたことから、薄々と廃刊疑惑が出ていたのも事実。

 これで重工業・エレクトロニクス系の産業専門紙は、日刊工業新聞社が発行する日刊工業新聞だけとなった。同業だった産業経済新聞社の「日本工業新聞」(フジサンケイビジネスアイ)は、2021年6月30日付で廃刊となり、産経本紙と統合するも、2023年内に統合した記事がひっそりと廃止され、完全に消滅している。

【今後の対応について】

  • 紙媒体の日経産業新聞廃刊後、日経電子版のデザイン・UIを改善し、専用の「NIKKEI BUSINESS DAILY」と呼ばれるコーナーで産業情報に特化した記事を掲載するように変更。
  • 日経電子版の1アカウント料金は、月極め4,277円。宅配は夕刊込みは5,500円・朝刊のみは4,800円。宅配に電子版併読を加える場合は、1,000円別途必要。いずれも税込。

西鉄電車ダイヤ改正2024

西鉄天神大牟田線 14年ぶりの新駅誕生! T08 桜並木駅 3月16日(土) 供用開始
~同日、春のダイヤ改正を実施します~
西日本鉄道 2024年1月19日)

西鉄天神大牟田線、平日昼間の特急を復活 「桜並木駅」3月16日開業
西日本新聞 2024年1月20日付朝刊)

 2024年3月16日に実施される、西鉄電車ダイヤ改正案が西鉄本社から告示された。詳細を見ていくが、全体的には並行するJR線以上に大幅改善が実施される

優等列車

平日データイムの特急列車復活

  • 新型コロナウイルス感染症(COVID19)の影響により、移動自粛の観点から平日データイム(10時~15時)の特急列車の運転を取りやめていたが、ダイヤ改正後に再度復活する(土日祝日のデータイムは既に復活済み)。
  • これにより、福岡天神と久留米・大牟田方面の特急は、時間帯問わずに1時間2本の割合となり、福岡天神発の列車は急行・普通列車まで含めると、現行の10本から12本に増便となる。

春日原駅に特急新設

高宮駅・平尾駅に急行新設

  • 平日朝ラッシュ時における混雑率の平準化を図るため、大橋駅発の上り急行列車に対し、新たに高宮駅・平尾駅を新設。対象時間は平日8時台の福岡天神(上り)行き急行列車のみに限定され、それ以外は通常の普通駅のまま。

駅関連

桜並木駅

駅名変更

駅舎運用体制の変更

  • 高架化事業に伴う立て替え工事で、白木原駅の新駅舎がダイヤ改正の前後で完成する。
  • 7月頃には、春日原駅の新駅舎も完成する見通し(それまでは特急停車駅昇格に伴う混雑が生じるか)。

さようなら試験場前駅

旧・試験場前駅(3月のダイヤ改正後は「聖マリア病院前駅」)

 久留米市津福本町にある試験場前駅が、ダイヤ改正後に「聖マリア病院前駅」に改称される。「駅名に反して試験場がない」と、西鉄や福岡話では度々ネタに挙がるが、元々はこの地に福岡県久留米工業試験場があったため。1978年に試験場は筑紫野市にある福岡工業試験場(福岡県工業技術センター)に移転し、廃止されたものの、駅名はそのまま残されたため、駅名と周辺地域が一致しないという問題が起きていた。

 長らくはそのまま試験場前と呼ばれていたが、近隣にある聖マリア病院の最寄り駅であることから、久留米市や病院側が駅名の変更を要望。西鉄がそれ応じ、自治体・病院側の自腹でダイヤ改正までに「聖マリア病院前」という名前に変更される見通し。

 1933年の開業当時から続いてきた歴史ある駅は、約90年の月日を経て、ようやく現代社会に見合った名前に生まれ変わる。

駅以外の設備にも「試験場前」という文字があるため、この部分の更新も必要になる。

駅名変更という歴史転換の日が近づくが、その割にはしれっと無人化されている。

試験場前駅に停車する、大善寺駅ゆき普通列車

大善寺へ向けて発車した普通列車。さようならー試験場前(まだ早い)

最大の張本人である聖マリア病院。久留米では数少ない大規模病院。

全体的な感想

 並行する鹿児島本線が申し訳程度に部分改善したのに対し、西鉄電車は完全にコロナ禍前までの、本来あるべき福岡人の足として相応しい姿に回復する方針を見た時、やはり西鉄はJRと違うなぁと関心する。一方で、春日原駅に特急停車という設定が加わるなど、福岡天神との行き来がやや遅れてしまうのはチョッと微妙な所。この辺は西鉄バスとの兼ね合いでダイヤ見直しを実施したものとみられるが、まあ、春日原停車いえども、猶予時間は1分程度。さほど気にはならない。

 かなりの大盤振る舞いをする西鉄様。今後も可能な限り、ダイヤ改正後の運行体系を維持して欲しいな(でもJR線の更なる減便を考慮すると、甘木線直通の久留米以南は見直しされそうな予感はする)。