第92回選抜高校野球大会(毎日新聞社・日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)が、新型コロナウイルスの感染拡大を懸念し、中止することが決定。新聞報道では史上初の中止だが、第2次世界大戦中にも「中断」と言い回しを変えているだけで中止していたことから、実に半世紀以上ぶりの結果となった。
新型コロナウイルスが蔓延している状況下でも、20代以下が感染・病状悪化になる可能性は、現段階では極端に低いことが報告されているが、不特定多数の観戦客がいる状況下では事態悪化が懸念されることから、苦渋の決断として中止に追い込まれた。仮に無観客試合を実施しても、まずは世論の反発が拡大し、それでも強行すれば政府による自粛令発動は回避できないため、この決断は今の地点では正しいと考えた方が良いだろう。
夏までには終息するという楽観論もあるが、油断できない。多分、夏の甲子園も中止になる可能性が高い。その場合は、朝日新聞社の歴史にまたまた傷を付けてしまうことになるが、人命と「球児たちの汗と涙と感動と叙情的なバトル」を天秤に掛ければ、どちらが今の段階では正しいのかは目に見えている。毎日新聞社はともかく、夏が近づいている朝日新聞社も説明が必要になる。
出場校は実に賛否分かれているそうだが、毎日と接点の深いスポニチの報道では、
- 中止にはなったが、出場校は「参戦」とカウント。
- 初出場校・21世紀枠校に対する救済措置(招待試合・入場行進のみなど)も視野。
といった案が検討されているという。
政府権限での自粛である以上、"デタラメ" コラムはもう書けない。
選抜とは話が逸れるが、間接的には政府の要請に伴う自粛・イベント中止令の発動であることから、毎日新聞は今までのように「何でも政府の方針には反対」とは言いづらくなるのは確実だろう。かつては読者ウケを狙おうと、こんな記事を書いていた。
非常事態宣言であろうが何だろうが、それとリンクして陰謀論を唱えるのは、娯楽のスポニチとか東スポならともかく、的確に行政からの伝達を行わう責務を果たすべき一般紙がこの有様では、一部の識者が「政府を批判しておきながら、一方で自社イベント中止、所詮は口だけじゃないか(笑」とツッコミが入るのは避けられない。
主義主張も結構な話だが、まずは深刻な読者離れの本質を冷静に分析する必要性もあるのではないか。そう申しておく。(客観)
危うい東京オリンピック中止の現実味
世界中で新型肺炎が猛威を振るい、WHOがパンデミック(感染症の世界的流行)を宣言し、各国が実質的な鎖国令を発動する状況下では、東京オリンピック2020の開催も不可能に近い。選抜ですらコレだから、夏の甲子園も不可能な情勢、他のプロ野球も日程調整どころか、今シーズンの開催も絶望的な事態に追い込まれる(続行しても政府の自粛令発動で身動き取れなくなる)のは避けられないだろう。
「2020は変わり目の年になる」と、私見ながら勝手に思い込んでいたが、どうやらソレは悪い意味での実現になりそうだ。まもなく世界大恐慌→戦時モード突入というのも、強ち現実味のあるシナリオなのかもしれない。