fuwafuwaame.hatenablog.com↑も参照。
前回は全国紙だったが、今回は地方紙・地域紙の話を。
山口新聞
日刊紙(新聞休刊日以外、連日発行)
月極 2,705円
一部売り 120円
取材範囲:山口県全域
山口県は全国紙のシェアが圧倒的だが、元々は北九州の時と同様、戦前・戦中は九州・山口、及び、日本統治下時代の朝鮮半島・満州国の中枢拠点として、大陸植民地への玄関口であった経緯がある(戦後は瀬戸内海の工業地帯形成にも一役買う)。
こうしたこともあり、元々、山口県内には明確な「県紙」が存在していなかったことから、戦後、漁業関係者向けの業界紙である「みなと新聞」が夕刊紙の形で発行したのが、例の山口新聞である。地域紙やブロック紙の中国新聞が乱立する土地柄でありながらも、山口県内全域をカバーしていることから、事実上の県紙となっている。
但し、山口新聞を即売しているコンビニは意外と少なく、みなと新聞の本社がある下関市でほぼ必ず即売されている他は、地域によってまちまちである(JR西日本のセブンイレブンには必ずある)。場合によっては山口新聞の代わりに中国新聞防長版があったり、3つの全国紙のどれかしか発売されていなかったりと、県紙と言う割には山口県民からの認知度はやや低めなのが現状である。
山口新聞も共同通信のニュースで埋め尽くしているが、他と違うのは加盟社ではないこと。つまり、あくまでも共同通信からニュース記事を購入して掲載しているだけで、共同通信と一体化した報道姿勢にはなっていない。この辺を考えると、県紙である反面、どことなく通信社の一報もオマケ程度に掲載する地域紙の雰囲気に近い。
テレビ欄
テレビ番組表は、山口新聞・みなと新聞の本社がある下関市で受信可能なチャンネルで構成されており、全国紙や中国新聞と異なって、隣県の広島・島根・愛媛の番組も受信出来るよう、番組表を地域別に変更するという姿勢にはなっていない。
中国新聞・防長版
日刊紙(新聞休刊日以外、連日発行)
月極 3,400円(セレクトまで含めれば4,340円)
一部売り (朝刊)150円/(セレクト)60円
取材範囲:岩柳周南地域・山口市の一部(県政情報など)
広島に本社を置く「中国新聞」の山口県向け。前述の山口新聞が、どちらかと言えば下関・山口寄りだったのに対し、こちらは周南・岩柳地域向けの地域面構成を行っている。全体的に広島中心の話題が目立つが、それもそのはず、新幹線やJR山陽線・山陽道を使えば広島市街まで1時間程度に到達出来る事から、無理もない。
シェアも広島県に限りなく近い岩国市・柳井市・周南市では、3つの全国紙とはいい競争関係になっているが、逆に山口・下関・山陰では殆ど流通していない。確実に入手したい場合は、JR西日本のセブンイレブンに行くのが無難なところ。
余談だが、本来は京阪神向けの阪神タイガースの機関紙・デイリースポーツに関しては、山口県内では広島印刷版のデイリースポーツがほぼ必ず即売されている(一面も当然、広島東洋カープの話題)。
地域紙
※発見次第、随時追加していく。
山口新聞以外でも、非常に細々とした地域紙が県内に乱立している。
日刊いわくに
日刊紙(土日祝日は休刊)
月極 1,650円
一部売り 90円
取材地域:岩国市
岩国市を取材拠点とする新聞社。1964年に当時の岩国市の財界人が個人的に作った「岩国日日新聞」が出発点とされ、その後、「時事日本」→「防長新報」→「防長新聞」(山口市にあった新聞とは別法人だが、その権利を後に買収)と改題し、2006年まではその防長新聞が岩国市の地域紙を発行していた。
2006年で防長新聞は廃刊(経営難+暴力団への資金提供)となるが、その新聞社で働いていた記者たちの手によって、独立した新聞社が「日刊いわくに」である。
近所のコンビニやJR岩国駅では即売されていないと事前に聞いていたため、JR岩国駅から徒歩で本社へ直接出向いて一部買いしている。社内には旧・防長新聞のバックナンバーがたくさん保管されていた。
岩国市内のローカル話が主体だが、全国・海外の情報は読売新聞東京本社の記事を流用している(九州にある今日新聞と同じ)。
柳井日日新聞
週刊紙(毎週火曜・木曜・土曜発行)
月極 1,620円
一部売り 100円程度(※直接購読のみ)
取材地域:柳井市
本社に出向いて直接購読。柳井市内の回覧板といった印象で、2ページ(ブランケット判表裏)で柳井市内のタウン情報が記載されていた。
長門時事新聞・はぎ時事新聞
週刊紙(毎週金曜日発行)
月極 (萩)1,200円/(長門)1,300円
一部売り 360円程度(※原則として、直接購読が必要)
長門時事新聞は1946年1月に発刊された新聞。文字通り、合併後の地域を含めた長門市が取材範囲となっている。1980年~1984年まで一時休刊していた時期がある。2008年10月からは長門市の隣・萩市と阿武町を取材範囲に含めた、姉妹版の「はぎ時事新聞」が発行されている。
週刊紙である性格上、基本的には直接購読の形態を採るものの、長門市・萩市のコンビニでは普通に即売されており、全国紙とセットで長門市・萩市の地域情報を補充している読者が多いものとみられる。
宇部日報
夕刊紙(毎週日曜及び、祝日は休刊)
月極 2,160円
一部売り 90円
宇部市に本社を置く「宇部日報社」の新聞。夕刊として発売され、日曜日・祝日は休刊となる。宇部・山陽小野田地域における地域情報に徹した新聞で、取材範囲は宇部市の隣・山口市や山陽小野田市にも及ぶ。一部の全国ニュースは、時事通信社の記事を引用。
スタンド売りは宇部日報社が指定する、宇部市内のセブンイレブンに限定されているが、厄介なのはそのセブンイレブンが極めてコンスタントにある所。宇部市内ならどこでも入手出来る訳ではなく、写真にある新聞は国道190号沿いの店舗でどうにかゲット出来た。概ね、宇部市役所の周辺で即売されていると勘案した方がいいだろう。
ちなみに、JR西日本の宇部線で、唯一のセブンイレブンがある宇部新川駅には即売されていなかった。また、以前は山陽本線・厚狭駅でも入手出来たらしい。
作成:2020年6月10日
更新:2021年1月27日