そらマメさん鉄道局・流通局

鉄道旅行・新聞の流通考察・雑談がメイン。

宮崎県の新聞流通考察 ●

 西部本社管内の地方紙行脚も、いよいよ大詰めを迎えました。ココでは宮崎県を取り上げます。

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宮崎県の新聞。

宮日がダントツシェアを誇る土地柄

 宮崎県の県紙である宮崎日日新聞の読者層が圧倒的であり、他の全国紙は企業城下町としての側面が強い延岡市・日向市・門川町を除き、シェアは低い。

版立て

宮崎県内の取材拠点

宮崎日日新聞
  • 本社:宮崎市高千穂通1-1-33
  • 延岡支社:宮崎県延岡市南町2-5-6 延岡宮日会館
  • 都城支社:宮崎県都城市中原町39街区1号 都城宮日会館
  • 日南支社:宮崎県日南市上平野町1-2-8
  • 支局:高千穂・日向・都農・高鍋・西都・新富・東諸・小林・えびの・串間
読売新聞西部本社
朝日新聞西部本社
毎日新聞西部本社

宮崎日日新聞

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宮崎日日新聞

 1940年に宮崎県内に乱立していた9つの日刊紙が一県一紙体制のもとで強引に合併して誕生した新聞(三州日日+延岡+宮崎時事+飫肥毎日+宮崎毎日+富島+南九州毎日+宮崎中央+祖国日向)で、合併当時は「日向日日新聞」という名称だった。1961年に現在の宮崎日日新聞と名称を変えている。

 鹿児島に近い都城市串間市のごく一部では、隣県の南日本新聞の読者もいるという話を聞いたことがあるものの、昨日の都城ドライブで南九州ファミマなどを散策した限りでは、併売している店舗は無かった。

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地域面。以前は地域単位で分かれていた。

 地域面は3ページ構成になっており、宮崎県内の生活情報がテレビ欄の一つ前に掲載されているのを含めれば、実質的に4ページ体制になっている。かつては「県北」(延岡市・日向市・高千穂町など)・「児湯」(西都市児湯郡)・「県央」(宮崎都市圏)・「県南」(日南市・串間市)・「都城」(都城市・小林市・えびの市など)と5ブロック体制で紙面構成を行っていたが、2020年からは再編され、地域総合としてページ数が減らされている。

全国紙

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全国紙の地域面

 全国紙は他県と同様、基本的には1ページのみの構成となっている。場合によっては2ページ体制になるものの、それでも九州総合(または夕刊の差し替え記事)を挿入することで対処している。

 なお、読売新聞に関しては、系列のスポーツ報知も含めて宮崎日日新聞社に印刷・輸送業務を委託しており、宮崎県内では読売・報知の一部売りをしているコンビニが比較的多く見られる。

毎日新聞の地域面

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延岡・日向市などでは、紙面構成が異なる。

 地域面で大きな違いがあるのは毎日新聞。基本的に宮崎県内は、他の鹿児島・熊本と同様に「南九州総合版」として3県まとめて掲載されているものの、延岡市・日向市・高千穂町などの県北地域では、「宮崎版(延岡・日向)」として独立した紙面構成を行っている

 これは宮崎都市圏がある県央や県南部と異なり、県北では毎日新聞の読者層が比較的多い(宮日よりも毎日の方が多いというデータがある)ことや、特に延岡市旭化成・センコーなどの企業城下町として発展している土地柄であること、高千穂・五ヶ瀬・日之影の場合は隣の熊本県との交流が深く、逆に宮崎県として一緒くたに扱うには地域面の構成が難しいことなどから、再編された後も延岡・日向の話題に特化する形で、実質的に独立している。

 なお、地域面自体は、あくまでも南九州3県の統合版と同じであるものの、鹿児島県の話は割愛されている。どちらかと言えば距離的に近い熊本の話題が多い気がする。

番組表

宮崎日日新聞

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「チャンネルを裏にして」を推奨するような番組表。

 宮日の番組表は、NHKUMKテレビ宮崎・mrt宮崎放送の4つのみフルサイズである以外、全てハーフサイズで対処している

 「宮崎あるある」でも時折話に出るが、宮崎県の民放は2局しかない。建前上はUMKがフジテレビ系列局、mrtがTBS系列局であるものの、実際には特にUMKを中心に日本テレビ系・テレビ朝日系の番組が時差ネットで放送されている(本放送を同時に視聴できず、ネット普及前までは酷い情報格差に悩まされていた)。

 こうした土地柄から、県民の間ではチャンネルの変更を行う時は「裏にして」「反対に変えて」という。どうしても日本テレビ系・テレビ朝日系の番組をフルタイムで見たい場合は、ケーブルテレビ会社との契約が必要であり、宮日の場合は系列会社の「宮崎ケーブルネットワーク」の広告が連日掲載されている。

読売新聞・朝日新聞

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読売・朝日は地域関係なく共通化

 読売新聞・朝日新聞の場合、テレビ欄は共通化されている。読売新聞の場合は、日本テレビと接点の深いUMKが左側に、逆に朝日新聞の場合はテレビ朝日と接点の深いmrtが左側に配置。他は隣県の鹿児島民放が掲載されている。

毎日新聞

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県北と県南で、扱いがザツ。

 毎日新聞の場合は県北と県南で番組表が異なっており、読者層が多い県北ではフルサイズで宮崎2局+熊本3局(kkt!・KAB・TKU)が掲載されている。逆に、宮崎都市圏を含めた県南部では南九州総合としてハーフサイズで対処。あまりにも扱いがザツじゃないのかと目を疑う。

新聞の第1テレビ欄

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地域紙

 地域紙としては、延岡市に本社を置き、県北部(延岡・日向・門川町など)を取材拠点とする「夕刊デイリー」がある。