広島県内に流通している新聞を考察する話。
中国新聞のお国柄
広島市に本社を置く中国新聞社が発行する「中国新聞」が圧倒的なシェアを誇る地域である。全国紙では読売新聞と朝日新聞が拮抗しあっている程度で、中国の前に撃沈している。
版立て
広島県内の取材拠点
中国新聞
- 本社:広島市中区土橋町7-1
- 備後本社:広島県福山市御門町3丁目2-13
- 支社:東京・大阪・呉
- 総局:東広島
- 支局:安佐北・安芸高田・西広島・北広島・大竹・三次・庄原・江田島・竹原・三原・尾道・府中・世羅
読売新聞大阪本社
朝日新聞大阪本社
毎日新聞大阪本社
中国新聞
元を辿れば1892年に「日刊中國」と呼ばれる新聞が発行されたのがルーツになっている。その後、1908年に現在の表題である「中國新聞」に置き換わり、原爆投下や呉新聞(←芸備日日新聞)の合併などを経て、現在に至る。
1945年8月の原爆投下で多大な犠牲を受けた影響から、反核・反戦運動・平和活動を重点とした話が連日掲載されており、特に8月6日の前後はその話で殆ど紙面が埋まるほどである。一方で、広島市に拠点を置く広島東洋カープやサンフレッチェ広島の話題も充実しており、こうした地元目線の話題を軸に取材・紙面編集をしていることから、広島県内ではダントツのシェアを誇る。
基本的には広島の新聞という印象だが、実際には隣の山口県東部・島根県石見地方・岡山県の一部(笠岡・井原)にも流通し、取材拠点も設けていることから、小規模ながらブロック紙という位置づけにもなっている。但し、山口県・島根県・岡山県に関しては、広島・福山都市圏内に留まっており、それを越えた場所(出雲地方・山口県西部・岡山県のほぼ全域・鳥取県全域)では、ごく一部でコンビニ売りしている程度である。
広島県内を軸に流通している新聞だけあり、別表記のない安芸地方と、別表記のある備後地方とで分かれている。但し、どちらも版立て番号は最終版の「17」で統一されており、備後地方だからと言って記事の遅延・追っかけが起きる状態は回避している。
地域欄の構成
地域欄に関しては、最も読者層が多く、かつ、中国地方における経済・文化の中心拠点となる広島市とその周辺に焦点を置いた「広島都市圏」がどの地方版にも必ず掲載され、最低1ページ近く確保されている。これを軸に他の地域面も中身を変えており、重複掲載されている場合でも配達地域に応じて掲載面積の拡大・縮小化や修正を行うなどしている。
中国新聞SELECT
fuwafuwaame.hatenablog.com↑の話も参照。
2015年4月30日付で休刊となった夕刊に変わり、翌5月1日から朝刊の第2部体制で発行が開始されたもの。「記者が厳選した記事をお届け」という触れ込みだが、単に配達員不足が原因で夕刊配達が困難になったことから、合理化を理由に朝刊とセットで配達しただけに過ぎない。中身も夕刊同様、共同通信のコラムで占有されている。SELECTだけの定期購読は出来ず、必ず、朝刊とセット契約を結ぶか、1部売りで購読するかしか選択肢がない。
※この辺は別の方からも不満が出ており、夕刊ながらも速報ニュースを差し込む「新潟日報MORE」の方がまだマシという意見もある。
全国紙
全国紙の取材拠点は、概ね広島市と福山市に総局・支局レベルで存在し、そこから更に県北地域・呉などの細かい通信部が県内各地に設けている。とはいえ、全国紙のシェアは中国新聞の足下にも及ばないため、地域欄の情報は1ページ程度で完結させられている。
ちなみに、産経新聞大阪本社の場合は取材拠点がないものの、地域欄は一応レベルで存在している。「備後版」という位置づけだが、実際には隣の岡山県西部・愛媛県の瀬戸内海沿いが紙面編集の対象に含まれている。
なお、朝日新聞と日本経済新聞・デイリースポーツに関しては、中国新聞社に印刷業務を委託しているため、多くのコンビニでは中国新聞とセットで朝日・日経・デイリーが即売されていることが多い(デイリーに関しては中国新聞の販売店から広島印刷版を申し込む形態を採る)。読売新聞は尾道市にある印刷工場で現地印刷を行い、毎日新聞は四国新聞社、産経新聞は山陽新聞社の印刷工場を借りてプリントアウトしている。
番組表
中国新聞
広島県内では純粋にチャンネル番号の若い順に並んでおり、中国新聞社の傘下にあるRCCテレビを筆頭に、RCC→広島テレビ→広島HOMEテレビ→テレビ新広島の順で掲載されている。備後版であっても、同一ページで隣県の番組表を掲載しないため、空きスペースとなる右側の部分で番組解説を行う。
なお、備後版の場合は、第2テレビ・ラジオ欄のコーナーで愛媛県向けの番組表を1/4スケールで掲載しており、一応レベルで隣県にも配慮はしていた。