そらマメさん鉄道局・流通局

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JR九州にひとこと

 ダイヤ改正JR九州がムチャクチャ叩かれている。

 大抵の理由はこれである。

  • 中途半端に813系の座席を減らす
  • 窓口営業時間を極端に短くする(無人化もテキトーに決めてる)
  • 観光列車・特急列車を重視する割に、在来線はザツに扱う

 では「昔がよかった」「昔のJR九州は輝いていた」という人たちの意見に賛同するかとなると、これも微妙である。少なくとも鉄道運輸機構が100%株式を保有する国営会社だった頃からも、少子高齢化社会に合わせて段階的に無人化加速などサービスは縮小していったし、元々が自動車交通に依存した地域柄であるが故に、常に赤字垂れ流しの状態。しかし、国の方針で「ユニバーサルサービス維持」を理由に路線廃止や極端な縮小化が図れないため、鉄道事業での稼ぎは競合路線のみで行い、あとは不動産ビジネス(主に国鉄の遊休地活用)で稼いで、そこで得られた収益で特急・新幹線の強化に割り当てて客単価の向上に全力を尽くしてきた。その歪みが今になって現れただけである。

※2枚きっぷ・4枚きっぷ・10枚きっぷの制度があった頃は、使用期間が1ヶ月もあったため、これがチケット転売屋に流れるという問題も発生し、JRの売上に水を差す状態だった。これは廃止して当然。

 鉄道利用者から「在来線普通列車は論外だが、特急も維持管理がザツになっている」「昔は "浪漫鉄道" の名に相応しい車両をたくさん出していた」という意見も相次いでいるが、これは乗車する客の価値観に左右されるため、あまり意識していない。上場前の特急至上主義の時からそんな感じだったし、813系の中途半端なイス撤去騒動に関しても、結局は元から在来線投資をする余裕がなく、しかも安易に821系・819系DENCHAといった後継車両へのバトンタッチすら行えない状況なので、元から貧乏だったというのが表面化しただけである。

 JR九州にとって、一番問題なのは「きっぷの手配が出来なくなった」所。窓口廃止は企業努力の末路ということから仕方が無いにしても、その代替措置として、なぜ指定席券売機に置き換えるといったことをしないのか。「きっぷは買えないけど、かといって車内改札すらしない」といったお粗末っぷりでは、本当に鉄道利用したい人の利便が大きく損なわれ、寧ろ、不正乗車を鉄道会社が推進しているかにも見えてしまう。

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JR九州の今の体制は小泉進次郎理論か。

 指定席券売機おきかえが必要なのは、JR九州側も理解している。ただ、設備投資の費用を確保できない現状から察して、当面は一部を除いた特急・新幹線駅と、きっぷの売りさばきよりも出札業務の方が多い駅を中心に導入が拡大していくものとみられる。

 自分が不満なのは窓口廃止のアフターフォローが不十分という程度で、それ以外は「別に……」である。3月のダイヤ見直しでコレだから、9月の西九州新幹線開業と共に行われる「ダイヤ粛清」はもっと悲観論・感情的な発言が大量に出てくるのは容易に考えが付く。

 ま、JR九州として、あまりにも苦情が多ければ「利用者から十分にご理解いただけた」といって無視すればいいし、本当に鉄道事業で詰んでしまった場合は、新幹線部門をJR西日本に、他の在来線は全部廃止して別の鉄道会社か、大株主の不動産投資を行う外資に売り払ってしまえばいい。JRも公式に「自動車交通には適わない」と宣言しているあたり、今後はいかに、在来線の処分をしていくかが焦点になるだろう。

 本当のライバルは、列車じゃないよ。

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自分はあくまでも「移動手段としてのJR」としか見ていない。
無くなったら無くなったで「そうですか、残念ですね」で終わる。

 ちなみに、JR九州の「在来線普通列車」のことを言わせてもらうなら、交流電車で運行されているの、ホントに惜しいよね。九州島特有の環境とはいえ、もしも直流設備だったら隣のJR西日本から余ってる国電115系やJR221系を持ってくればコスト削減効果を思う存分発揮できたと思うし。

 あとは「今まで優等生だったJR九州が、結局は他のJR各社同様に合理化の道を選んだが故に、失望して憤怒している」という、一種の裏切られた感で九州を叩いている所もある。これ、九州島がJR西日本・東日本管内だったら、今頃どんな対応になっていただろうか。