そらマメさん鉄道局・流通局

鉄道旅行・新聞の流通考察・雑談がメイン。

「読み応えのある記事」とは、どういう意味か。

 新聞を値上げする際、社告で「これまで以上に読み応えのある記事・紙面作りを目指す」みたいなことを伝える所がある。

 いったい何に対して「読み応え」をするのかという話だが、全てがそうでないことを前提に言えば、地方紙であれば共同通信から送られてきたコラムを追加・大幅増量し、全国紙規模であれば取材に割り当てるリソースを削減することが多い

 高速インターネット回線が台頭する前の紙媒体の頃であれば、誰もが黙って新聞を契約・購読していたことから、部数減はあっても取材に影響を及ぼす効果は限定的だった。しかし、今のご時世、紙媒体を根強く信仰する読者は高齢者や一部の偏った思想を抱く者に限定され、オールマイティーに誰もが新聞を契約するとは考えにくい。

 結果として、販売店を通じて締結契約を結ぶ顧客層が離れ、状況によっては販売店の統廃合などでやむなく減紙せざるを得なくなり、それが新聞社の経営にストレートに跳ね返ってしまう。そうなると収入が少なくなることから、取材拠点の見直しやページ数削減などで紙面を調整するしか手段が無くなり、見た目に反して割高感だけしか残らず、新聞社の経営に響いてしまう。

 収入減の状況下でも、ニュースメディアとしての紙媒体新聞を供給する以上、記者削減・配置転換などで見直しを行わざるを得ず、取材の縮小分を穴埋めする形で通信社の記事やコラムを増強することで対応を練ってるのが現状である。

 別に「読み応え」も何も、昨日のニュースをしっかりと、そして客観的に伝えることが出来るのであれば、多少割高になってもついて行けるが、余計なコラムやオピニオンでお茶を濁しまくった状態で県紙を供給すれば、一体、何の目的を持って伝えているのか疑問になる。収入が脆弱な地方紙・全国紙は、こうした苦境に悩まされながら発行をし続けているのが現状である。

霊夢記者「値上げ→もっと読み応えのあるオピニオン・コラムを増強しなきゃ!」
一介の読者である魔理沙さんの話「お茶を濁さず、普通に客観報道しろや」

 全国紙の場合は新聞社に左右される所があるものの、ストレートニュースを伴う取材は通信社に一任するか直営記者を減らしつつ、オピニオンなどの物書きや調査報道に割り当てる記者とで人員調整をしている可能性が高い。「見やすさ」「読みやすさ」「読み応え」も確かに重要かもしれないが、値上げの前ではセールストークにはなりにくい。