そらマメさん鉄道局・流通局

鉄道旅行・新聞の流通考察・雑談がメイン。

「県紙」の考え見直し

 各都道府県で発行されている新聞は「県紙」と呼ばれているが、ここ最近の取材費・制作費削減や、新聞用紙高騰・配達員の壊滅的不足、取材記者や編集記者の人員確保困難・新陳代謝の起きない高齢化やらをみていると、もはや自分の県の話題を報じることも困難となり、結果的に共同通信に依存したオピニオン主体の読書ツールに変化してきている。

 現在は新聞社の経営見直しで、販売・供給を行う部署の切り離し等が実施されている会社が増えている。そうした状況が続けば、建前として主張している「地域に根付いた新聞」の考えも状況に合わなくなる。

 よって、それまでは「取材から編集・印刷・配送まで全部揃って我が県紙」といった解釈を見直し、「印刷・配送を行う地域を県紙」として、配布・供給を完全に分離化及び、新聞社内の販売業務の完全分社化・委託化・連結子会社解消といった方針に変える必要があるとみている(取材・編集は必ずしもその地域のことを伝える必要はない)。

 そうなれば、地元のことを伝える地域メディアの役割は今以上に薄れ、可能ならば共同通信の加盟社・契約社どうし合併して、取材・編集・発行を一元的に通信社が担う仕組みに変わっていくだろう。

 

 何が言いたいかって、要は昔以上にイデオロギーとオピニオンを求めるなら、無理して地元のことなど言わんでいいよって話。どっかの夕刊みたいに、一切の取材・編集を全部共同に預けて、取りあえず発行さえ出来ればそれで、みたいに開き直ったっていいじゃん。

新聞購読料改定表・発行見直し情報(2024年版)

 新聞の購読料改定、または頒布・供給体制の見直しを、新聞社の社告を通じて正式に公表された情報をもとにまとめていく。2023年実施分は↓の記事を参考にどうぞ。

fuwafuwaame.hatenablog.com

 なお、ここでは供給体制の見直しにおいて、電子版に対するサービス強化といった話は、完全電子版への置き換えなど特別な事由がない限り、振れない(本来の紙媒体供給の趣旨に反するため)。

購読料見直し

中日新聞

県紙

スポーツ紙・夕刊娯楽紙

日本経済新聞の各種銘柄

  • 日本経済新聞
    セット:5,500円 /朝刊のみ:4,800円/朝刊一部売り:200円/夕刊一部売り:100円
    【購読料改定日】 2023年7月1日付
  • 日経MJ
    宅配:2,800円/即売:250円
    【購読料改定日】 2024年4月1日付
  • 日経ヴェリタス(雑誌)
    宅配:6ヶ月15,000円~/即売:600円

その他

頒布・流通体制が変わる銘柄

廃刊・配布削減

  • 日本経済新聞(東京本社):輸送費高騰のため、10月末で静岡県内の夕刊発行を取りやめ。
  • 日本経済新聞(西部支社):輸送費高騰のため、9月末で山口県と福岡県の一部エリア(下関市北九州市中間市水巻町遠賀町岡垣町芦屋町)で夕刊の発行を取りやめ。それ以外の福岡県内は当面続投。
  • 産経新聞(北陸・福井版):輸送費高騰のため、9月末で富山県内での配達を取りやめ(郵便による後日配送は継続)。取材拠点自体は続投。
  • 日刊ゲンダイ(関東版):8月3日発行・8月4日付で、栃木県・群馬県の一部エリア(宇都宮市以北 / 前橋市高崎市以北と思われる)での発売を取りやめ。
  • 朝日新聞夕刊(静岡県山口県・福岡県版):輸送費高騰等のため、9月末で廃刊し、翌日付から朝刊と統合。
  • 毎日新聞(北陸版 / 富山県):輸送費高騰のため、9月末で富山県内での配達を取りやめ(郵便による後日配送は継続)。取材拠点自体は続投。
  • 中日新聞東京本社が発行する東京新聞の夕刊は、東京23区を除き、9月30日付を以て発行を取りやめ(23区内では当面継続)。
  • 朝日新聞の別刷り紙媒体「EduA」の発行を、8月号(8月18日)を以て取りやめ。電子版は継続。
  • Nikkei Asia:紙媒体での供給は9月まで(電子版に完全移行)→社告
  • 日刊ゲンダイ(中部版):3月31日発行・4月1日付で廃刊。
  • 朝日新聞夕刊(北海道版):3月30日付で廃刊し、翌日付から朝刊と統合。
  • 毎日新聞夕刊(滋賀県兵庫県播磨地方):3月30日付で廃刊し、翌日付から朝刊と統合。
  • 日経産業新聞:3月29日付で廃刊し、完全な有料電子版のみの運用に変更へ。
  • 新潟日報「おとなプラス」:2月29日付で廃刊し、翌日付から新潟日報・朝刊と統合。

紙面構成の見直し

  • 西日本新聞:4月2日付より、株価欄を2pから1pに削減し、市況を経済面に移設。その他、一部の項目を配置転換する形で頁数の見直しを実施。また、地域問わずに一回刷りに変更(紙面によっては18版が混在しているものの、原則、早版に相当する「16」で固定)。
  • スポーツ報知:3月31日付で釣り面を廃止。翌4月1日以降は電子版のみで情報配信へ。
  • しんぶん赤旗日曜版:3月10日付より、日曜日が5回ある月は「合併号」として2週分をまとめて発行(事実上、1週分を削減)。更に、7月1日以降は月極めを930円から990円に見直し。

設備投資関連

そのほか

  • 福岡天神・博多駅小倉駅などで即売されていた、日刊ゲンダイ夕刊フジ(いずれも大阪版)の発売を、3月30日発行・4月1日付の分で打ち切り。新幹線輸送を取りやめることに対する措置。

初版 2024年1月
更新 2024年11月24日

衆議院選挙2024 答え合わせ(2) 筑後エリアの印刷時間推測

 衆議院選挙2024の開票結果と、それに伴う当確情報は、西部本社管内では福岡・北九州都市圏とそれ以外の地域とでは大きなタイムラグがあり、遠方地ほど輸送の関係で記載される情報が薄くなっていく(早版・遅版・最終版の違い)。

 筑後エリアにおける印刷推測時間は、下記の通り

 算出方法は「福岡県内の衆議院選挙区において、当選確実となった立候補者を、NHK福岡放送局がいつ出したか」とか「朝日新聞・読売新聞などがSNS等を通じて出した当確時間」「西日本新聞に掲載された、共同通信による当確掲載時刻」などの情報媒体をもとに、独自に推測している。

 福岡県内の取材を担当する西日本新聞共同通信)や、元から選挙に強い朝日新聞等は、可能な限りギリギリまで当確情報を掲載し、そこから委託先の印刷工場に転送→印刷→特別配送体制で販売店に送り込んでいる。その甲斐もあり、西日本(共同)・朝日・読売・毎日は「自公政権過半数割れで大爆死」が一面トップになっている

 一方で、もとから印刷時間が極端に早く、一回刷りで対処している九州産経は「ゼロ打ち」(午後8時の締め切りと同時に当選確実となった候補者を報じる手法。どう考えても絶対にコイツが勝つと分かりきった候補者に対し、午後8時の地点で「当確」を出す)候補者のみ掲載。記事には別地域で当選した人の話もあるなど、当確者一覧と分析記事が全く一致しない部分もあった。

 日本経済新聞は、筑後エリアでは過半数割れの公算」といった表現をしており、西・朝・読・毎が「過半数割れ」という表記をボカした書き方をしている。在福では1区の井上氏等の当確が未記載となっており、かなり前倒しして印刷を始めたかなと邪推した。

 日経は慢性的な輸送人員の確保が困難な状態が続いていることや、在福だと西日本・朝日新聞の販売店等に配達・集金業務を委託している(日経専売店・直営店が少ない)都合上、他紙以上に早々と印刷してしまう傾向があるものの、今回に関しては0時手前で印刷を始めている様子が窺えたことから、内心、紙媒体と距離を置きたいという意思表示さえ伺える。

筑後エリアの10月28日付朝刊。配送体制に大きなハンデを持つ新聞社が、チラホラ。

 国政選挙ならではの「いつ頃印刷を始めたのか?」を推測する記事。これだから選挙は楽しいのだ。

東京中日スポーツ、事実上、廃刊へ

東京中日スポーツは紙印刷を休止します 来年1月末で 電子版は引き続き発行
中日新聞東京本社 / 2024年11月5日付社告)

東京中日スポーツ、印刷休止=来年1月、電子版は継続
時事通信 2024年11月5日付)

 中日新聞東京本社は、11月5日付の東京中日スポーツトーチュウ)において、同紙の紙媒体での発行を来年1月31日付を以て終了し、翌日以降は電子版配信のみに完全移行する社告を発表した。紙媒体での供給が無くなることから、事実上の廃刊である

紙媒体でのトーチュウ発行を取りやめる社告(≒事実上の廃刊)

事実上の廃刊宣告を出した当日の一面は、中日・小笠原選手のメジャー行きの話。

他のスポーツ紙よりも異様に薄い(トーチュウは16pに対し、他は18~20p以上)

 トーチュウは1956年に「東京中日新聞として創刊し、1970年に現在の東京中日スポーツに名称を変更。親会社の中日新聞のグループである中日ドラゴンズの試合結果をはじめ、トーチュウ独自の記事としてF1などのモータースポーツの話題を中心に報じてきた。直近では首都圏全て足し合わせても約6.5万部程度しか発行されず、割に合わないことから、配布体制の見直しに舵を切った。

 トーチュウは事実上の廃刊とする一方、名古屋にある本家・中日新聞社が発行する中日スポーツは引き続き続投するため、今後、紙媒体を通じてドラゴンズの話題を知りたい場合は、東京新聞本紙か、郵便輸送で中日スポーツを調達する必要がある。

「満喫きっぷ」見直しの可能性(+JRダイヤ改正予想)

fuwafuwaame.hatenablog.com↑の話も参照。

 JRグループが発売する青春18きっぷを、今年の冬から「使用開始日から連続○日間のみに限定」というルールに見直す方針を打ち出したが、その九州版コンパチである「旅名人の九州満喫きっぷ」も、見直しが起きるかなと思ってる。

  • 本命:事前にネット予約+使用開始日に窓口 or 券売機で受け取り+85mmきっぷなので自動改札は通れる(西鉄北九州モノレールは仕組みが異なるので手動改札を継続)
  • 対抗:窓口 or 券売機で買えるが、購入した当日のみしか使えない。その代わり、1枚あたりの額面価格を、現在の3回11,000円(実質1日3,660円相当)を3,000円~2,000円台まで引き下げ。
  • 単穴:事前にJR九州公式アプリで予約し、使用開始日にQRコードを起動・チケットレス乗車方式に転換。
  • 大穴:廃止

 2025年3月のダイヤ改正予想だが、多分、そんな大きな改正をするとは思えない。する必要もないし、その意義も特に見当たらない。せいぜい、ホームライナー扱いの特急を調整したり、福岡・北九州エリアの区間快速強化ぐらいなもんだろう。

衆議院選挙2024 答え合わせ(1) 注目の新聞「夕刊」

 選挙の翌日において、セット体制で供給されている地域では、朝刊では大幅遅延を前提に当確者の情報を可能な限り記し、夕刊で選挙管理委員会からの当選者一覧(速報値)や政局動向等を掲載することになっている。

 で、在福はどうかというと、一面こそ与党大惨敗の記事で占有されているものの、選管からの速報値掲載に関しては新聞社ごとに対応が分かれた。

10月28日付の在福夕刊(西日本(共同)・読売・毎日・日経)。
朝日は9月末で廃刊となったため、ココでは割愛。

夕刊のページ数。毎日と西日本(共同)だけ通常体制で「薄すぎる」

 読売新聞と日本経済新聞は、選管からの当選者一覧(速報値)を数ページにわたって詳細に記載している。特に日本経済新聞の場合、今回の選挙より印刷時間を前倒ししたこともあり、当確情報に空白が目立つようになった。そのため、同じ福岡県内でも輸送に時間が掛かる遠方地(筑豊筑後・京築)では夕刊でしっかり挽回している様子が印象的だった。

 一方、毎日新聞西日本新聞は選管からの速報値が一切掲載されておらず、通常通りの夕刊を発行している。特に西日本新聞は、ただ選管発表(速報値)が載らないばかりか、福岡県内で当選した立候補者の動向といった話すら掲載されておらず、ただただ共同通信から送られてきた夕刊コラムのみで社会面を占有していた

読売と日経は選管発表(速報値)を数ページにわたって掲載。ちゃんと「夕刊」としての役割は果たしている。

社会面を含め、県内の当選者の動向は完全に無視。電子版に誘導といった措置すらない。

霊夢「読売ではしっかりと立民・維新所属議員の挨拶運動が載ってるわ」
魔理沙「西日本はそれすら無視。なんか、読売の方が福岡の県紙みたいに見えるなw」

 これは私も驚きである。いくら夕刊離れが進んでいるとはいえ、セット体制を堅持している以上、当選者一覧や在福の動向すら完全に無視するのは、熱心な愛読者に対する冒涜行為ではないだろうか。「福岡や全国の当選者情報は、西日本新聞電子版で」と書いて、隣にQR載せる形で電子版に誘導するのならまだしも、それすら掲載していない。いったい、何のために夕刊を出しているのか疑わしく、内心、近いうちに夕刊廃止・統合化を狙っていると邪推しかねない(その時は共同紙の委託製作・印刷を行ってるといった反論も可能だが、結構キツい)

 最近の西日本夕刊のヤル気のなさを見るあたり、「速報としての夕刊を伝える責務は放棄したが、読書ツールとしての夕刊に転換する形で、セット体制を堅持する」と開き直っているフシすらみられる。新聞社がそう思うのであれば、これからも続投していいが、その姿勢を続けるのであれば、中国新聞SELECTみたいに翌日の朝刊とまとめて配達する「朝刊2部体制」へ鞍替えするべきだ。

 共同通信のコラムのみで夕刊を製作し、県内の話は完全に無視(あったとしても共同に委託)。一方で競合紙の読売新聞は、しっかりと福岡・山口西部相手に紙面を調整・編成した上で発行しているため、なんだか読売の方が福岡の県紙みたいに見えますね。

衆議院選挙2024 答え合わせ(序章) ●

 衆議院選挙2024は、自民・公明与党が合わせて過半数割れとなり、事実上の敗北となった。一方、野党最大政党の立民は、前回よりも大幅に議席を増やし、国民も相応に議席を獲得。これにより、政府・与党の政権運営は厳しいものとなり、石破首相の退陣論や自民党執行部に対する責任追及等が予想される。

My 投票先

そもそも福岡7区は「無風」。
なので、藤丸さん以外の候補者は、単に政治不満の受け皿程度にしか見られてない。

早々と期日前投票を済ませておきました。

 小選挙区では藤丸敏さんに、比例代表では国民民主党に入れました小選挙区の藤丸敏さんは古賀誠さんの後継者であると共に、南筑後エリアの問題に精通されているだけあり、無難に彼へ投じた。そもそも福岡7区は「無風」なので、全然、不記載問題とか話題になってないし。比例は現実路線を貫いてそうな国民民主党が当たり障り無いかな~というノリです(但し、終盤で唐突に乱入してきた石丸を入れんなよ)。

選挙期間中に獲得した「ビラ」

 選挙期間中は選挙運動の一環として、新聞のチラシに投票を呼びかけるビラを入れることが許されている(条件付き)。自分の所で獲得できたビラは、下記の通り。

霊夢記者「参政党は、議席を失って "諸派" に降格する可能性も?」
魔理沙記者「維新の会は、比例の受け皿役でしかないな」

 自民のこぼれ球で議席を獲得できると予想した立憲民主党が、立候補者の分も含めてビラを大量に入れてた。結果は周知の通り。政党のビラを集中投下したのは、小選挙区ではまず勝てないが、比例なら「こぼれ球効果」で議席を増やせると判断したためである。

 日本維新の会も1枚だけ入っていたが、まあ、元々九州は接点が少ない(あくまでも関西の地域政党)ので、こんなもんですかね。参政党は2枚。どこからそんな資金が出るんだか。

 で、期間中に立候補者として自民党のビラを出した藤丸敏さんは、ブッチギリの「ゼロ打ち当確」。引退した古賀さんが彼を全力でサポートしていることや、各業界からの組織票でガッツリ固めているため、強いよ。

 

作成 2024年10月27日
更新 2024年10月29日