選挙の翌日において、セット体制で供給されている地域では、朝刊では大幅遅延を前提に当確者の情報を可能な限り記し、夕刊で選挙管理委員会からの当選者一覧(速報値)や政局動向等を掲載することになっている。
で、在福はどうかというと、一面こそ与党大惨敗の記事で占有されているものの、選管からの速報値掲載に関しては新聞社ごとに対応が分かれた。
読売新聞と日本経済新聞は、選管からの当選者一覧(速報値)を数ページにわたって詳細に記載している。特に日本経済新聞の場合、今回の選挙より印刷時間を前倒ししたこともあり、当確情報に空白が目立つようになった。そのため、同じ福岡県内でも輸送に時間が掛かる遠方地(筑豊・筑後・京築)では夕刊でしっかり挽回している様子が印象的だった。
一方、毎日新聞と西日本新聞は選管からの速報値が一切掲載されておらず、通常通りの夕刊を発行している。特に西日本新聞は、ただ選管発表(速報値)が載らないばかりか、福岡県内で当選した立候補者の動向といった話すら掲載されておらず、ただただ共同通信から送られてきた夕刊コラムのみで社会面を占有していた。
これは私も驚きである。いくら夕刊離れが進んでいるとはいえ、セット体制を堅持している以上、当選者一覧や在福の動向すら完全に無視するのは、熱心な愛読者に対する冒涜行為ではないだろうか。「福岡や全国の当選者情報は、西日本新聞電子版で」と書いて、隣にQR載せる形で電子版に誘導するのならまだしも、それすら掲載していない。いったい、何のために夕刊を出しているのか疑わしく、内心、近いうちに夕刊廃止・統合化を狙っていると邪推しかねない(その時は共同紙の委託製作・印刷を行ってるといった反論も可能だが、結構キツい)。
最近の西日本夕刊のヤル気のなさを見るあたり、「速報としての夕刊を伝える責務は放棄したが、読書ツールとしての夕刊に転換する形で、セット体制を堅持する」と開き直っているフシすらみられる。新聞社がそう思うのであれば、これからも続投していいが、その姿勢を続けるのであれば、中国新聞SELECTみたいに翌日の朝刊とまとめて配達する「朝刊2部体制」へ鞍替えするべきだ。
共同通信のコラムのみで夕刊を製作し、県内の話は完全に無視(あったとしても共同に委託)。一方で競合紙の読売新聞は、しっかりと福岡・山口西部相手に紙面を調整・編成した上で発行しているため、なんだか読売の方が福岡の県紙みたいに見えますね。