そらマメさん鉄道局・流通局

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コンビニから雑誌消滅へ

www.nippan.co.jpweekly-economist.mainichi.jp 書籍の取り次ぎを行う日本出版販売(日販)が2025年2月までに、ファミリーマートとローソンに卸している雑誌の供給を取りやめる。輸送コストの増加や雑誌の売れ行き低迷が重なり、割に合わないという結果から判断を下した。

2023年度 中間決算報告(日販HP)より。売上高減少と配達コストは増大する一方。

2023年度 中間決算報告(日販HP)より。
営業利益に対する赤字幅は増加の傾向を辿り、2025年度に50億円の赤字を見込む。

2023年度 中間決算報告(日販HP)より。
輸送に対して割に合わず、2025年2月までに順次、コンビニへの雑誌流通を取りやめる。

 雑誌輸送の取りやめ後は、同じく書籍の流通・取り次ぎを行うトーハン社に流通業務を預けるが、トーハン社も台所事情が同じであるに変わりなく、コンビニから雑誌が完全消滅するのも待ったなしの状態だ。

 かつてはコンビニで立ち読みする客が相次ぎ、ことあるごとに店員からツッコミが入ったり、トイレそばにあるアダルト雑誌を覗き見するといった光景が見受けられたが、デジタル社会において流通形態が電子版に移行した現在では、それらは死文化となった。変わって、ソーシャルゲーム等の課金に使うデジタルギフトカードが幅を利かせており、水面下で雑誌棚の消滅疑惑が浮上していたのも事実。

 コンビニから雑誌が消えれば、雑誌のお求めは書店になるが、近所に書店が無ければ、入手チャネルを完全に失うことになる。せいぜい通販で取り寄せが関の山だろう。

 ちなみに、新聞は日販・トーハンと異なり、近所の新聞販売店か、即売業者が独自で持ち込むことになっている。そのため、雑誌と異なり、新聞は特に流通体制を見直さない限りは、これからも搬入される。コンビニ・書店から紙媒体の雑誌が消え、入手困難になった後は、郵便または新聞販売店からの直接配達という仕組みになるだろう。コスト増で幾分購読料も値上がりしそうだけど。

紙媒体の雑誌はオワコン。細々と少量生産するしか道はない。