COVID19の流行に伴い、山陽新幹線の利用客が大幅に減少していることから、利便増進事業の観点からJR西日本が期間限定で発売したきっぷに、「山陽新幹線直前割50」がある(他には「近トク1・2・3」がある)。
きっぷ
きっぷのルール・特約
こだま・ひかりの一部に限定する形で発売
元々は、2020年9月のシルバーウィーク期間中に限り利用できる割引乗車券として始めたのがきっかけであり、意外と好評だったことから、発売期間の延長や乗車可能な駅を拡大し、現在に至る。
2021年1月現在では新大阪駅(大阪市内区間でカウント)・新神戸駅(神戸市内区間でカウント)・姫路駅・岡山駅・福山駅・広島駅(広島市内区間でカウント)・徳山駅・新山口駅・小倉駅・博多駅に限定され、この駅との間を「こだま」か「ひかり(一部のみ)」で移動する場合に限り、正規運賃に対して最大50%割引した価格で発売される。
これらの駅は、本来は「のぞみ」「さくら」「みずほ」といった最速特急・準特急列車が停まる駅だが、敢えて「こだま」「ひかりの一部」に限定しているのは、山陽新幹線の利用客が減少傾向とは言え、十分に「のぞみ」などの列車に対して、指定席が埋まるほどの余裕があるためと言える。
※まあ、単に「のぞみ」「さくら」「みずほ」に依存してきたため、各駅停車タイプは空気輸送でも十分にペイ出来ていたモノが、COVID19の流行が原因でそれすら賄えなくなってきているから、敢えて各駅停車タイプの列車を大幅に安くしたのではないか、と邪推してしまった(汗)。
博多発は貸し切り状態
今回は博多駅8時1分発の「こだま844号」を使って移動。山口県区間の駅訪問がしたいという理由で、新山口駅で下車する方向で検討していた。
現在のN700系にバトンタッチするまでは、500系が「のぞみ」として大活躍。500系は博多南線を往復した時以来だが、長距離移動は今回が初めて。当時の宣伝にもあった「時速300キロ新幹線」に乗れるんだとワクワクしていたが、やはり当時とは性能が異なることや、各駅停車タイプに降格したことでダイヤ編成の都合から低速気味。「あれっ?」と肩透かししてしまった。
こだま844号に乗車後は、時速300キロ(大嘘)で新山口駅へ。途中の厚狭駅で後続の「のぞみ」「さくら」「みずほ」を追い越させるため、10分停車が発生したものの、無事に新山口駅に9時00分に到着。最速特急なら30分で着いちゃうため、この辺は「こだまだからしょうがない」と割り切るしかない。
感想
「直前割50」という名称だが、実際のところは通年発売されている「こだま指定席きっぷ」「こだまスーパー早特きっぷ」の規制緩和版である。前者は2人縛りが掛かり、後者は14日前まで予約した上で、新大阪・新神戸⇔小倉・博多に限定している。「直前割50」は、のぞみ・さくら・みずほ停車駅との間を「こだま」「一部のひかり」で移動する場合にのみ適用されるが、2人縛りを発動せずに最大半額にまで価格を引き下げたという面では高評価。
時間を気にせずにのんびりと一人旅行をするのであれば、この割引乗車券はオトク。COVID19の流行が収まるまでは、しばらくこの手の乗車券は形を変えつつ出てくるのでは?(継続する場合はもれなく2人縛り適用?)
余談。
上記の駅は、JR西日本としては内心、「データイムは客扱いしない」「改札業務のみ残す以外、無人化したい」と思ってるのでは?
接続性が全くない新尾道・東広島は論外、中途半端な場所で在来線と乗り換えが出来たところで、緊急時の場合を除いて客が増えなきゃ意味が無い、てか「こだまを廃止したい」みたいなことを邪推していた。北陸新幹線の主要駅ですら、みどりの窓口を遠慮なく廃止するため、後者に関しては博多駅レベルでも確実に起こる。